箱根登山鉄道は今でも運休 台風19号直撃、電車の来ない駅に駅員さんの姿

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

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青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。
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 今年10月12日に関東地方を襲った台風19号は各地に甚大な被害をもたらした。中でも神奈川県の箱根登山鉄道は、蛇骨陸橋の橋脚や線路が流出するなど、20か所程度で被害を受け、今も箱根湯本ー強羅間は全線不通となっている。沿線の街を歩いてみた。

■駅の入り口には規制のロープで「使用中止」の赤い文字

宮ノ下駅は規制のテープが張られていた

 箱根登山鉄道は箱根湯本駅から強羅間が全線運休となっている。復旧は来秋の見込みで、現在、地元の交通手段は事実上、自家用車かバスしかない。年末に入って沿線の各町は観光客で賑わってきているが、やはり住民の不安は小さくないようであった。

 12月27日、休日を利用して箱根町宮ノ下に足を伸ばしてみた。東京箱根駅伝で「富士屋ホテル前から中継です」で、おなじみの場所である。箱根登山鉄道・宮ノ下駅の入口には規制のロープが張られ「使用中止」の赤い文字。もう2か月以上、使用されていない駅のホームは静まり返っている。しかし、駅舎には1人の駅員さんの姿があった。運休とはいえ施設の維持・管理のため無人にするわけにはいかないのであろう。電車の通らない駅に1日、勤務する鉄道マンの気持ちを考えると、胸が締め付けられるような思いになる。

箱根登山鉄道運休で、頼みの綱はバス

 話をうかがうと「全面復旧は来年秋の予定です。橋脚ごと流されたり、線路の土台が流されたり、簡単には修復できない被害を受けていますから。折り返し運転ができる施設を持つ駅もないため、部分開通というのもできません。全面復旧を待つしかないので、どうしても時間がかかってしまいます」とのことであった。

■駅伝区間近くのカフェ「今年はどうなるのか…」

 宮ノ下駅は坂の上にあり、駅から下っていくと100mほどで国道1号線に突き当たる。そこを駅伝ランナーたちが走っていく。坂の途中にあるカフェにお邪魔してコーヒーとパフェを注文し、ご主人に話をうかがった。

 「毎年、駅伝の時は宮ノ下駅から降りた人たちが国道1号線でいい場所を取るために並んでいます。ランナーが通り過ぎると、戻ってきて店に入ってくれます。店内も大きなモニターを設置しているので、モニターを見ながら食事をして、ランナーが近づくと降りていく人もいます。今年は登山鉄道が動いていませんから、どうなるのでしょうかね。駅から人が来ないわけですから。早く復旧してほしいと願うだけです」。

町は箱根駅伝に向け盛り上がっている

 箱根に来て思うのは、東京箱根駅伝は完全にお祭りであること。視聴率30%近いお化けコンテンツに地元の人は経済効果だけでない誇り、市のシンボルのような価値を見出しているように思える。

 鉄道が運休する中、町内の至る所に駅伝の応援の横断幕がかけられるなど、ムードを盛り上げている地元の方たちの努力、情熱には頭が下がる思いである。駅伝に出場する選手、関係者はそうした地元の人々に少しでも思いを致してほしい。個人的にはもちろん母校青山学院大学の優勝を願っているが、それ以上にどのチームも元気に走り、地元の人たちを勇気付けてほしいと願っている。

 12月25日に、箱根町はふるさと納税制度を活用した支援に乗り出すことを決定した。僕も少しでも寄付ができればと考えている。

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