静岡放送オーナー社長辞任へ 社内不倫の愚

The following two tabs change content below.
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 静岡新聞と静岡放送の大石剛社長(51)が5日、両社の社長を辞任する意向を発表した。静岡放送の原田亜弥子アナ(40)との不適切な関係を雑誌に報じられたのを受けてのもの。オーナー社長が女性社員と特別な関係になる例を間近で見てきた者としては、「会社経営者として考えうる最悪の行為」と言うしかない。

■売り家と唐様で書く三代目

原田亜弥子アナ(左)と大石剛社長(静岡放送と静岡新聞HPから)

 FRIDAY DIGITALが3月4日に公開した「TV局社長と女子アナW不倫!手をつないで『密会用マンション』へ」では、大石剛社長と原田亜弥子アナが夜の歓楽街を寄り添って歩く写真を掲載し、静岡放送社員の話として2人が”W不倫”関係にあるとしている。撮影された日は密会用のマンションへと入ったまま、日付が変わっても出てこなかったとしている。

 これを受けて両社のサイトには静岡放送からのお詫びの文章を掲載、その中で大石社長は「報道されたような不適切な関係は一切ありませんでした」としているが、社長を辞任する意向とされた。

 静岡新聞と静岡放送は大石一族が経営するオーナー会社で、大石社長は初代社長の孫だという。今回の騒動を見て「売り家と唐様で書く三代目」という言葉を思い起こす人は少なくないと思う。しかし、無能な三代目がいなくなってくれればいいが、社長は辞任してもオーナーとして実質上、会社を支配し続けるのであろうから社員はたまらない。王による親政から院政に移行するだけの話で、現場の無力感は察するに余りある。

■日刊スポーツの女帝 研修での長話

 オーナー社長が女性社員と不適切な関係になる例は、僕が在籍していた当時の日刊スポーツ新聞社でもあった。二代目の川田博美会長が総務に勤務していたMYという女性と親密な関係になり、仕事の上でも彼女を重用。MYは「女帝」と呼ばれるほど、権勢を振るうことになる。

 会社内で知らない者はなく、僕たち社員も日常的に「女帝が…」と呼んでおり、雑誌で会長宅で洗濯物を干すMYの姿が掲載されたこともあった。会長夫人が亡くなった後に入籍し、会長が所有する株式を遺産相続で一部手に入れたと囁かれたが、その後、追放されたとも聞く。詳細は分からない。

 新聞制作については全くの素人のMYだが、権力を握ると、それに媚びへつらう者が出てくるのが会社組織というもの。MYの腹心である業務畑一筋の人物が、いきなり新聞制作の花形セクションの部長になるという信じ難い人事も行われ、記者出身の次長が皆、そっぽを向くという例も間近で見てきた。

 MYは僕が入社した年には、まだ経理の課長レベルであった。新入社員の研修にやってきたが、たかだか課長レベルなのに編集局長らと同程度の3時間ほどの時間をとって、ビジネスマナーなどの講義をした。

 ずいぶん長いと僕たちは思っていたが、同期入社で、現在スポーツジャーナリストとして活躍している増島みどり氏などは「あの人、何を偉そうに言ってるの?」と露骨に嫌悪感を示していた。当時から、MYが会長の威光を背に我が物顔で振る舞っていたということだと、今では思っている。

■女子アナは局の顔 それを傷つけた損失は社員の損失

 静岡新聞も静岡放送も、報道に携わりたいという気持ちを持って入社してきた人たちばかりのはず。ところが入社したら、社長が局の顔とも言っていい女子アナと不倫関係にあると報じられ、2年契約で入ったとされる当該女子アナが10年以上も職にとどまっている。「会社とは何と不条理な世界なのか」「メディアが追求する正義はどこにあるのか」という思いになると思う。

 会社の社長は最後に自分の給料をとるものと言われる。働いてくれたスタッフに給料を支払い、余った中から自分の取り分を取るのが原則。儲からなかったら、社長の取り分はない。会社法では取締役の報酬は株主総会の決議で予め決められる(会社法361条1項)が、そういう話ではなく経営者の心得のようなものである。

 だからこそ、経営者は自らを律する気持ちを強く持つ必要がある。男であれば、誰だって女子アナと個人的に親しくなりたいと思うはず。社長の権力を利用し性的関係を持つなど、倫理的に許されることではないのはもちろん、他の社員がどう感じるか想像力が働かなかったとしたらお粗末な話。まして、女子アナは局の顔と言っていい存在。それが裏では社長の権力に寄り添い、倫理的に許されない行為をしていたとあれば会社全体のイメージダウンになる。それは社員全体が受ける損失であり、大石剛社長はそれが分からなかったとしたら経営者の資格などない。

 オーナー社長は会社の独裁者。やりたいことは何でもできるからこそ、やっていいこととやってはいけないことの区別を自分でつけなければいけない。それができなければ、いつか裸の王様になってしまうだろう。

2 thoughts on “静岡放送オーナー社長辞任へ 社内不倫の愚

  1. アバター 西山茂行 より:

    西山茂行です。
    松田さんもそうですが、今回は成蹊大学の後輩ということで、ちょっと書かせていただきます。
    会社経営者としてまず社内不倫はだめです。社長は会社にSEXを持ち込んではいけません。
    人間関係が壊れるだけです。
    女のわがままが出たらもう歯止めが効きません。下のものがやりずらいだけですね。

    しかし、経営者で自由になるお金があれば男はモテます。聖人君子でなければ、人生のほんの短いある時期に女性たちと仲良くするのも悪いとは思いません。
    ただし絶対社外です。
    そのために銀座のナイトクラブや繁華街のキャバクラがあります。
    また、今回は女子アナでしたが、タレントやアイドルのパパ活も現実にはかなりあります。
    彼女たちはかなり売れている子でもギャラだけでは生活が成り立たない子が多く、それをうまく仲介する人たちもいます。
    静岡放送の社長もそっちへ行けばそんな騒ぎにはならなかったのでは?
    後輩だけに「何やってんだよ」と言う気持ちです。

    (ある意味非常識な見解を失礼しました。差し支えある場合は削除してください。)

    1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

      >>西山茂行様

       西山社長、コメントをありがとうございます。今回は無理なお願いをして、申し訳ございませんでした。

       清廉潔白を絶対視する人からは反発があるかもしれませんが、おっしゃる通りだと思います。もちろん、不倫や愛人を持つなど褒められた行為ではありませんが、その対象が社内の場合、倫理的に問題が発生する以外に組織がおかしくなる、会社の社会的評価が下がるなどが考えられます。その被害を従業員は間接的に受けますが、従業員はオーナー社長に何も言えず被害を甘受するしかないという状況が発生します。

       オーナー社長は会社を所有しますが、会社である以上、会社法・商法・労働法などさまざまな法令の規律を受けます。オーナー社長だから何をしても許されるとは思いません。その点を静岡放送の大石剛社長は分かっていなかったのではないかと思われ、その点が元・会社員として非常に腹立たしく感じました。

       僕が日刊スポーツ在籍中、会長の愛人社員がやりたい放題の状況だったことは残念でしたし、多くの社員も同じ思いでした。会社のために一生懸命働いても、会長の愛人がその取り巻きとともにその利益を得ると考えると働くのがバカバカしく感じることもありました。

       そのような思いを汲んでいただくコメントと感じ、大変、嬉しく思っております。静岡放送・静岡新聞の社員も「よくぞ言ってくれた」と喜んでいるのではないかと思います。

       ありがとうございました。

       御社のますますの発展と、愛馬の活躍を心よりお祈り申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。