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	<title>バブル経済 | 令和電子瓦版</title>
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	<description>政治、社会、運動、芸能など、様々なジャンルのニュース＆オピニオンサイトです</description>
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	<title>バブル経済 | 令和電子瓦版</title>
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	<item>
		<title>ＧＤＰ世界４位に転落へ 格差社会批判も一因か</title>
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		<dc:creator><![CDATA[松田 隆&#x1f1ef;&#x1f1f5;　＠東京 Tokyo&#x1f1ef;&#x1f1f5;]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 12 Nov 2023 06:18:49 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[経済]]></category>
		<category><![CDATA[ユニコーン企業]]></category>
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					<description><![CDATA[　2023年の日本の名目ＧＤＰがドイツに抜かれ世界４位に転落する見通しとなっている。]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　2023年の日本の名目ＧＤＰがドイツに抜かれ世界４位に転落する見通しとなっている。既に５位のインドが後ろに迫っており、「経済大国」「世界第２位のGDP」という聞き慣れた修飾語は遠い過去のものになりつつある。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="font-size: 14pt;"><strong><span style="color: #000000;"><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/16.0.1/72x72/25fe.png" alt="◾" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />脱力感満載の企業時価総額ランク</span></strong></span></p>
<div id="attachment_16759" style="width: 230px" class="wp-caption alignleft"><a href="https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2023/11/sankei.jpeg"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-16759" class="wp-image-16759" src="https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2023/11/sankei-300x180.jpeg" alt="" width="220" height="132" srcset="https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2023/11/sankei-300x180.jpeg 300w, https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2023/11/sankei-1024x614.jpeg 1024w, https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2023/11/sankei-768x461.jpeg 768w, https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2023/11/sankei.jpeg 1134w" sizes="(max-width: 220px) 100vw, 220px" /></a><p id="caption-attachment-16759" class="wp-caption-text">日本企業の存在感のなさ…</p></div>
<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　ＩＭＦ（国際通貨基金）の予測では日本のドル換算の名目国内総生産は前年比0.2%減の４兆2308億ドルで、ドイツは同8.4%増で４兆4298ドルの見込み。12日付けの産經新聞が１面で報じているが、ＧＤＰの４位転落は円安の効果もあり、十分に予想されていたことであった。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　2023年１月時点のドル円相場は１ドル132.70円だったが、11月10日時点で151.52円と、14%を超える下落となっている。2023年の経済成長は概ね１－２％と予測されているが、ドル換算では減少するのは避けられない。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　この原因を産經新聞の万福博之記者は円安、低物価、低賃金という「安い日本」が定着したことを原因としており、「低金利下にありながら成長戦略を欠いて、投資や賃上げを活性化できずに、安い日本が定着してしまった」と解説している。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　異次元の金融緩和策をとっていたことは、デフレ退治という名目はもちろんのこと、要は市中に出回る通貨量を増やして経済を活性化させる目的があったのは言うまでもない。ところが、肝心の企業の側に設備投資に費やすマインドが欠けていたら、あるいは起業を目指す者への投資に対してリスクを過大評価し、そのハードルを高くしていたら、市中の通貨は銀行の中に眠ったままという事態も想像できる。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　実際に世界の企業の時価総額のランキングを見ると、1989年にはトップ10に日本企業が７社がランクインしていたものが、2023年10月には最高でもトヨタ自動車の38位という有様。バブル経済の時代を知る者にとっては、脱力感を覚える代物である（Think 180 around・<a href="https://www.180.co.jp/world_etf_adr/adr/ranking.htm">世界時価総額ランキング</a>2023年10月）。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="font-size: 14pt;"><strong><span style="color: #000000;"><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/16.0.1/72x72/25fe.png" alt="◾" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />格差社会への批判が成長力を削ぐ</span></strong></span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　経済には素人の筆者があれこれ言うのもおこがましいが、こうなった原因の１つに格差社会への批判があったように思う。特に安倍政権下で格差が広がっているという趣旨の政権批判が出ていたことは記憶に新しい。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　格差の拡大は中心は富の再分配が不十分であることを指すことが多いが、こうした批判は「金持ちは悪いこと」「儲けた分を貧しき者のために吐き出せ」といった価値観に支えられているかのように見える。再分配の象徴が累進課税制度であるが、2023年１月時点で日本では所得税の最高税率が45％で、米国の37％よりは高いものの、英独仏の三カ国とは同水準にある（財務省ＨＰ・<a href="https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/234.pdf">主要国における所得税率の推移の比較</a>）。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　他の先進諸国と比べて日本が再分配について富裕層に甘いという評価は当たらないように思われる。稼いだ人は多くの税金を払えというのも度を超えると、頑張って稼いだ人を（どんなに稼いでも、怠け者のために吐き出さないといけないなら、馬鹿馬鹿しくてやってられない）という気持ちにさせてしまう部分はあるように思う。支払う側のノブレスオブリージュ的な発想にも限界がある。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　競争こそが経済の発展を生み出す源泉であると思うが、その競争の勝者が得られる果実を競争の敗者や不参加者のために多く費やすことを強制するのは競争そのものの否定であり、経済成長を阻害する要因となりうる。それを弱者の論理で正当化し、気がつけば年々経済はドルベースでは縮小、結果、日本の世界での相対的地位の低下が止まらない。それが2023年の日本の現在地であるように一国民として感じている。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="font-size: 14pt;"><strong><span style="color: #000000;"><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/16.0.1/72x72/25fe.png" alt="◾" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />ユニコーン企業ランクも日本番外地</span></strong></span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　ここで、前出の世界の企業の時価総額のランキングをあらためて見ていただきたいのだが、トップ10のうち７社は1970年代以降に設立された企業であることに気付く。バークシャー・ハサウェイ社の創業は綿紡績事業の会社設立年であり、現在の投資業が本格化したのが1970年代からということを考えれば、実質、トップ10のうち８社である。かつてはトップ10の常連だったＩＢＭも今は50位以下。企業の興亡はこのように激しい。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　日本ではそのような新興企業が大きくなった例としては、ファーストリテイリングが1963年、キーエンスが1974年、ソフトバンクが1981年、楽天が1997年といったところ。日本ではトップ企業となっているが、世界的に見れば、まだまだである。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　「ユニコーン企業」と呼ばれる企業群がある。これは評価額10億ドル以下、設立10年以内の未上場ベンチャー企業を指すが、その世界ランキングを見ると、１位バイトダンス（中国）、２位スペースＸ（米国）、３位SHEIN（中国）といった状況で、上位に日本企業の名前は見えない（CB INSIGHTS・<a href="https://www.cbinsights.com/research-unicorn-companies">The Complete List Of Unicorn Companies</a>）。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　社会の変化を見据え、「１発当ててやろう」という若者の”山っ気”が社会を豊かにする原動力になっているのは間違いない。山っ気が成功する可能性は決して高くないが、だからこそ社会全体で支援し、山の裾野を広げて頂上を高くする工夫をしなければならない。それも重要な経済政策である。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="font-size: 14pt;"><strong><span style="color: #000000;"><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/16.0.1/72x72/25fe.png" alt="◾" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />岸田政権のスタートアップ育成計画</span></strong></span></p>
<div id="attachment_16760" style="width: 230px" class="wp-caption alignleft"><a href="https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2023/11/4a766797b4c49630bc4e61893b247be3.jpg"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-16760" class="wp-image-16760" src="https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2023/11/4a766797b4c49630bc4e61893b247be3-300x180.jpg" alt="" width="220" height="132" srcset="https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2023/11/4a766797b4c49630bc4e61893b247be3-300x180.jpg 300w, https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2023/11/4a766797b4c49630bc4e61893b247be3.jpg 567w" sizes="(max-width: 220px) 100vw, 220px" /></a><p id="caption-attachment-16760" class="wp-caption-text">写真はイメージ</p></div>
<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　2022年11月に政府は「<a href="https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/su-portal/index.html">スタートアップ育成５か年計画</a>」を策定した。これによると起業への投資を５年で10倍（8000億円から10兆円）とし、スタートアップ10万社、ユニコーン企業100社を目標とするという。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　ようやく日本も起業を促進する政策に舵を切ったかと思うが、それにしても遅い。もう少し、早く出来なかったのかと思う。本来、こうした政策を主張すべき野党が格差社会の弊害ばかりを訴え、成長よりも再分配に国民のマインドを向かわせていたのではないか。そして与党も長期的な視野を持たずに、目先の選挙を考えて成長戦略を後回しにしていなかったか。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="color: #000000; font-size: 12pt;">　そうしたことが現在の日本の凋落につながっていると考えることもできる。もういい加減に裕福層は悪、貧しき者こそが正義、競争社会を否定という考えを捨ててはどうか。最低限のセーフティネットの重要性は言うまでもないが、大勝ちする者を生み出さない社会システムは夢のない社会とほぼ同一であることに、政府も国民も意識してほしいと感じている。</span></p>
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		<title>資産１兆円を持った男が見た世界</title>
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		<dc:creator><![CDATA[石井 孝明&#x1f1ef;&#x1f1f5;　＠東京 Tokyo&#x1f1ef;&#x1f1f5;]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 14 Jun 2020 21:31:28 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[経済]]></category>
		<category><![CDATA[国会]]></category>
		<category><![CDATA[佐佐木吉之助]]></category>
		<category><![CDATA[桃源社]]></category>
		<category><![CDATA[バブル経済]]></category>
		<category><![CDATA[フォーブス]]></category>
		<category><![CDATA[慶應義塾大学]]></category>
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					<description><![CDATA[　バブルの時代の申し子・佐佐木吉之助氏の生前の言葉を、実際に取材したジャーナリストが伝える。]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><span style="color: #000000; font-size: 12pt;"><strong>−佐佐木吉之助、バブルを語る−</strong></span></p>
<p><span style="color: #000000; font-size: 12pt;"><strong>お金がない時代に考える金の意味</strong></span></p>
<div id="attachment_7455" style="width: 181px" class="wp-caption alignleft"><a href="https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2020/06/9278D68F-823E-4A20-AB9A-4018C3023D11.jpg"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-7455" class="wp-image-7455" src="https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2020/06/9278D68F-823E-4A20-AB9A-4018C3023D11-234x300.jpg" alt="" width="171" height="220" srcset="https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2020/06/9278D68F-823E-4A20-AB9A-4018C3023D11-234x300.jpg 234w, https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2020/06/9278D68F-823E-4A20-AB9A-4018C3023D11-798x1024.jpg 798w, https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2020/06/9278D68F-823E-4A20-AB9A-4018C3023D11-768x985.jpg 768w, https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2020/06/9278D68F-823E-4A20-AB9A-4018C3023D11.jpg 862w" sizes="(max-width: 171px) 100vw, 171px" /></a><p id="caption-attachment-7455" class="wp-caption-text">佐佐木吉之助氏（1932―2011　筆者撮影）</p></div>
<p><span style="color: #000000;">　「金だけが人生ではない。しかし、金が無い人生もまた良いとは言えない。十分な金が無ければ、人生の可能性のうち半分は締め出されてしまう」とサマセット・モーム（英作家）は言ったという。　</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　日本経済の低迷の中で、「金がない」という嘆きばかりが聞こえてくる。そこで、金と人生との関係を、一人の男の言葉を通じて考えてみたいと思う。</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　佐佐木吉之助という人がいた。2011年に79歳で亡くなった不動産会社の経営者だ。日本のバブル経済最盛期に、自分の全株保有する資本金1000万円の会社「桃源社」が145の不動産を所有。その資産価値が１兆円となり、米経済誌『フォーブス』の1989年の世界の金持ち調査で、世界12位の富豪になった人物だ。その後にバブル崩壊の中で繰り返しメディアに登場。国会での偽証罪などで刑事訴追され、ビルは全部手放した。バブルの凄さと怖さを体験した人だ。</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　読者の皆さまも、今後の私も「資産１兆円を持ち、なくした男」に出会う可能性は少ないだろう。私の解釈を加えずに、彼のユニークな言葉を再録してみる。</span></p>
<p><span style="color: #000000; font-size: 12pt;"><b>「俺は時代に踊らされたピエロ」</b></span></p>
<p><span style="color: #000000;">　「あなたは何のために１兆円を稼いだのか」。彼を題材に本を書こうとして、著名ノンフィクション作家が佐佐木氏に取材を続け、こんなことを聞いたそうだ。誰でも、この疑問を彼に抱くだろう。</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　彼は、偉そうな人物を嫌う。この傲慢で知られる作家も嫌いだったそうだ。そこで「分かんねえよ」と、つっけんどんな態度で答えた。その作家は佐佐木氏に怒り、取材をやめてしまった。</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　しかし「この答え本心なんだ。何で金持ちになったのか。そして資産を全部なくしたのか。この力がどこから来たのか、自分でもよく分かんないんだ」と私に話していた。</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　「俺は物欲も権力欲も金銭欲もない。うまい物を食べ、いい女をはべらせ、贅沢三昧することに、まったく興味はない。医者だから放蕩を続けたら健康を害することは分かっていた。自分の限界を試したいという思いは当時少しあった。今になってこんなに資産を作って、全部なくして、映画のような出来事ばかりを繰り返してすごい人生だなと一人で笑っている」</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　「何も考えずに行き当たりばったりでやっていた。今になって振り返ると、運命がこんな状況を作り上げたんだと思う。俺は一種の『ピエロ』。何か大きな時代の意志に踊らされていたんだ。不動産なんてやりたくなかったんだ」</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　「俺をつぶしたものは何かと考えるけど、やはり人間の嫉妬と欲望が大きいんじゃないかな。儲かっている人間をつぶして、金を奪おうという集合意志が働いたのさ。俺は政官財暴のあらゆる勢力から目の敵にされた。成り上がりのディベロッパーに対する反感なんだろうな」</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　「あのバブルの時代、欲望をありのままに出す人間が多くて、嫌だったけど面白いと思ったことも多かった。俺の周りにすり寄ってきたのは金の亡者ばかりだ。株取引疑惑で98年に自殺した代議士の新井将敬もちょっかいを出してきた。彼の場合はかわいいワル。闇の世界から政治家まで『化け物』だらけだった。そうした奴らは大嫌いだけど、人間らしいと笑いながらみていたよ」</span></p>
<p><span style="color: #000000; font-size: 12pt;"><b>虚無的な発想と独特の理想が同居した不思議な人物</b></span></p>
<p><span style="color: #000000;">　一連の発言から分かるように、彼は世の中を冷笑する虚無的な面のある人物だった。しかし人間とは不思議なもので、佐佐木氏の中には倫理観や理想も、独特の形で同居していた。</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　「桃源社の名前は、陶淵明の詩『桃花源記』に出てくる不老不死の理想の地『桃源郷』から取ったのさ。俺、慶應の医学部で成績は良くて、研究者として残れと誘われた。けれど医学界の束縛がいやで、町医者になった。腕は良かったと思うよ。70年ごろ、今あるようなカルテの情報管理とか、海洋の生物や物質の薬や医療への利用を考え、金を稼いでそれに投資をしようとした。医学の役に立ちたかったんだ。不動産は儲けやすかったんで始めたが、それが本業になったんだよ。俺にロマンチックな面があることは、あまり知られていないけどね」</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　「なんでバブルの責任が俺個人に追及されるか、分かんないね。俺は全額返せなかったけど、返済に最大限の努力をして、それはノンバンクなどの貸し手から評価をいただいている。世間は知らないだろうし、信じないだろうけど、商売での信用を大切にした。マスコミは『反省しているか』と聞くが、『あんたらには関係ないだろ』と言い返している。それは個人の内心の問題だ。俺は他人に迷惑をかけないように必死に頑張った。それを認めてくれる人もいる。それでいいじゃないか」</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　「俺の財産を狙ったあくどい奴の顔が200人ぐらい浮かぶねえ。ただし世の中はうまく出来ているよ。その９割が社会的に10年経つと破滅していた。老子の『天網恢々疎にして漏らさず』という言葉はその通りだ」</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　また佐佐木氏には人間くさいところもあった。趣味は作詞。私は演歌の歌詞の質は判断できないものの、見せてもらった作品は「昭和の演歌」のテーストで、素人目にも上手ではなかった。</span></p>
<p><span style="color: #000000; font-size: 12pt;"><b>真のリッチマンとは？</b><b>―</b><b>「俺は貧しい人生だった」</b></span></p>
<div id="attachment_7457" style="width: 230px" class="wp-caption alignleft"><a href="https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2020/06/EFF6A6B6-E0C9-4B4E-8822-3D4E54CEED8C.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-7457" class="wp-image-7457" src="https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2020/06/EFF6A6B6-E0C9-4B4E-8822-3D4E54CEED8C-300x240.jpg" alt="" width="220" height="176" srcset="https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2020/06/EFF6A6B6-E0C9-4B4E-8822-3D4E54CEED8C-300x240.jpg 300w, https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2020/06/EFF6A6B6-E0C9-4B4E-8822-3D4E54CEED8C-1024x819.jpg 1024w, https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2020/06/EFF6A6B6-E0C9-4B4E-8822-3D4E54CEED8C-768x614.jpg 768w, https://reiwa-kawaraban.com/wp/wp-content/uploads/2020/06/EFF6A6B6-E0C9-4B4E-8822-3D4E54CEED8C.jpg 1280w" sizes="auto, (max-width: 220px) 100vw, 220px" /></a><p id="caption-attachment-7457" class="wp-caption-text">佐佐木吉之助氏（1932―2011　筆者撮影）</p></div>
<p><span style="color: #000000;">　私は彼を中心にしたバブル経済のルポルタージュを書こうとしていた。しかし、息子さんが30歳だった2008年に突然亡くなる悲劇があり、また佐佐木氏が体調を崩したこともあり、中断してしまった。</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　彼を中心に時代を描きたいと思ったのは、彼の虚無的な思考が、バブルの時代の根底にあった「時代精神」とつながっていたように思えたためだ。私はバブルの時代は高校生、大学生だった。個人でバブル経済を体験しなかったが、大人たちが浮かれ続けた不思議な時代であったと、今振り返ると思う。その破裂によって、株・土地の値段はピークから約３分の１になり、1400兆円の金が帳簿の上では消えたとされる。残ったものは寂寥感だけだ。</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　金がただ金を生み続けた時代。そこには思想や倫理がなかった。その重要な演者の佐佐木氏は「社会のため」という言葉を冷笑する虚無的な人物だった。このつながりを私は興味深く感じる。</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　同時に佐佐木氏は不思議な面を持っていた。冷血漢というわけではなかった。私は違和感、不快感を抱く点があったものの、佐佐木氏の体験や独特の思考を知ることは楽しかった。心が深く通い合ったという感じはなかったが、何度か面会し嫌われてはいなかったと思う。</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　また佐佐木氏と交流のあった2006年から09年は日本での不動産、株の新興市場のミニバブルが発生、崩壊した時期だった。彼は不動産市況の動きを的確に分析し、その鋭さには「さすが」と思った。その見立てを聞き、経済記者として分析に使った。</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　佐佐木氏の一人息子がなくなる悲劇の後で、墓前へ備えてくださいと私が花を渡すと涙ぐみ、そして次のような言葉を口にした。</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　「事業が膨らんでいるときも、うれしいとか、楽しいという感覚はなかったねえ。そもそも生まれてきたのが不幸だと思っている人間だ。心の中にはすべてを醒めてみる「虚無感」が巣食っている。それで息子もいなくなった。人生なんて本当につまらんものさ」</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　「真のリッチマンというのは、精神的にも、時間的にも、空間的にも、自由な人間であると思う。俺はすべて対極にあった。寝る間もないまま働き続け、どこにも移動できず、精神は仕事に拘束され、つくったビルも全部なくなった。本当に貧しい人生だったと思うよ」</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　こうした言葉に「そんなに自分を卑下しなくても…」と私が言うと、「そう思うから仕方がない。君も俺の変な人生から人の生きる意味を考えてみてはどうかね」と言われた。私は考えたが答えはまだ出ていない。おそらく考え続けても出ないと思うが、佐佐木氏の人生はさまざまな思索の材料を提供するだろう。</span></p>
<p><span style="color: #000000;">　佐佐木氏のご冥福を祈る</span></p>
<p><strong><span style="color: #000000;">佐佐木吉之助（ささき・きちのすけ）</span></strong></p>
<p><span style="color: #000000;">1932年７月14日、東京市深川区（現東京都台東区）生まれ。1964年に慶應義塾大学大学院医学研究科を修了し、同年港区神谷町に診療所を開設した。1971年に不動産会社「桃源社」を設立。1996年に住宅金融専門会社の融資先として国会で証人喚問され、その際の証言が偽証であるとして逮捕・起訴されている（懲役２年執行猶予３年）。2011年９月に死去。</span></p>
<p><strong><span style="color: #000000;">石井孝明　経済・環境ジャーナリスト</span></strong></p>
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