森喜朗氏に”私刑” 朝日新聞の思想統制攻撃

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

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青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。
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 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などとした発言が問題になっている。メディアを中心に批判の声が高まっているが、生贄を見つけて総攻撃をかける”昭和タイプの攻撃”には違和感を覚える。特に朝日新聞の思想統制の発想による辞任要求には恐ろしさを感じさせられた。

■女性がたくさん入った理事会は時間がかかる

森喜朗元首相の発言で思わぬ騒動に発展(撮影・松田 隆)

 森元首相は3日の日本オリンピック委員会(JOC)の会合で「女性がたくさん入っている(スポーツ団体の)理事会の会議は時間がかかる。女性は競争意識が強く、1人が手を挙げて発言すると自分も言わなければと思うのだろう。規制しないとなかなか終わらない」(朝日新聞電子版2021年2月5日付け社説)と述べたとされる。

 概ねその通りなのだろうが、スポーツニッポン電子版に全発言が掲載されており、該当部分を抜き出すと以下のようなものである。

 女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります。これもうちの恥を言いますが、ラグビー協会は今までの倍時間がかる。女性がなんと10人くらいいるのか今、5人か、10人に見えた。…女性っていうのは優れているところですが競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです。…女性を…増やしていく場合は、発言の時間をある程度規制をしておかないとなかなか終わらないから困る…。(スポニチ電子版2021年2月4日付け:森喜朗会長の3日の“女性蔑視”発言全文から)

 問題とされる発言全部を読むと、「女はダメだ」「女は黙ってろ」というほどの露骨に女性を蔑視、差別するニュアンスは含んでいないように感じられる。

 個人的には発言から女性への敬意は全く感じないし、この種の「女性はダメ」「今の若い連中は」といった類の昭和によくあったデリカシーのない考えや発言には反発を覚える。また、「一部の事例から、何で女性全体をそうだと言い切れるのか」と、その論理性にも疑問が残り「そうしたステレオタイプな物言いはいい加減やめたらどうか」というのが率直な感想である。とはいえ、直ちに辞職しなければならないほどの暴言・失言なのかと言われると、首を捻らざるを得ない。

■過剰なメディアの総攻撃「ゆがんだ考えを持つトップ」

 そうした個人的な思いとは別に、発言よりも問題なのは、森元首相に対するメディアなどによる総攻撃である。これに森元首相が反発するような姿勢を見せたことで、火に油が注がれた印象。

 毎日新聞は「女性を差別した発言であり、到底許されない。」「人のふるまいを性別によって分類し、やゆした発言だ。性差別に当たり、看過できない。」(2月5日付け社説)と最大級の表現で批判を加えている。

 東京新聞の望月衣塑子記者はツイッターで「発言の撤回で許される問題ではない。老害だとかではなく、ジェンダー平等の実現を全く理解していない森会長は辞任し、女性を会長につけるべきではないか。」と投稿している。蓮舫参院議員はツイッターで「五輪スポンサー企業の反応が気になります」と、スポンサーから圧力がかかるのを期待するかのような投稿を行なった。

 極め付けは前出の朝日新聞の社説である。「こんなゆがんだ考えを持つトップの下で開催される五輪とはいったい何なのか」「巨費をかけて世界に恥をふりまくだけではないのか」。

 朝日新聞は「ゆがんだ考えを持つトップ」が会長職についてはいけないと考えているようで、これは恐るべき思想統制の発想である。憲法19条は「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」と定めている。ところが朝日新聞は(こういう考えを持つ人は公職から追放しろ)と言っているわけで、「自分が気に入らない考えを持つ人間は、辞めるべきだ」とでも思っているのであろう。良識ある報道機関であれば、「不適切な発言をして、混乱を招いた責任をとって辞任すべきだ」と言うべきではないか。

 「ゆがんだ考えを持つ」人間を辞めさせろというのであれば、たとえば東京新聞の望月衣塑子記者、沖縄タイムスの阿部岳記者らを記者職という公共性を理由に、まとめて辞めさせるのが先だろうと考える人は少なくないのではないか。朝日新聞は常々憲法や人権の重要性を主張しているが、それは自分にとって都合のい憲法、人権に限られており、自らに都合の悪い憲法や人権は全く認めようとしない。そうした二重基準が今、多くの人が同紙に対して不信感を抱いている要因になっていると思う。

■海外からの圧力も利用するメディア、野党

 今回の件は海外からも批判の声が上がり、それを国内のメディアは嬉々として伝えているように見える。前出の蓮舫議員も、カナダの女子アイスホッケー代表のHayley Wickenheiser氏のツイッターから「この男性を追い詰めます(Definitely going to corner this guy)」という投稿を引用している。冗談混じりとは思うが、内政干渉のような発言を国会議員が引用する事態も尋常ではない。

 こうした動きを見ているとデジャビュに襲われる。このようなメディアが総攻撃し、外国からの批判を含めて圧力をかけるのは昭和の時代によく見られた手法。1980年代の歴史教科書問題が典型例で、従軍慰安婦問題も似たような構図であろう。

 しかし、今の時代はSNSが世論を形成するのに大きな役割を果たしている。ツイッターを見る限り、行き過ぎた主張に対して反発の声が上がりつつある。世論を示すのが報道機関しかなかった時代であれば、森元首相の会長職辞任への圧力は今以上に強かったはず。

 SNS内での世論が、こうした不毛な争いにどう影響するかに注目が集まる。メディアの暴走に歯止めをかけられるのは、我々1人1人なのである。

12 thoughts on “森喜朗氏に”私刑” 朝日新聞の思想統制攻撃

  1. アバター トトロ より:

    ラグビー協会を取り上げていたから書き込みしますが、ラグビーの統括団体ワールドラグビーなどの対外交渉を一手に担っているのが、女性理事の斎木尚子氏。昨年コロナで中止になった
    ウェールズ戦、今年6月スコットランド・エジンバラでB&Iライオンズ戦を実現させたのイラクで殉職した奥大使がオックスフォード大学ラグビー部で築き上げた人脈を外務省の同僚斎木氏が生かして実現したもの。それを森氏に突き付けることをしないで単なる森批判しているだけ。
    https://www.sanspo.com/rugby/news/20190612/ruo19061220230005-n1.html
    https://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20131226/plt1312261533003-n1.htm
    https://www.ytv.co.jp/wakeup/specials/archives/20190921.html

  2. アバター 月の桂 より:

    森さんの発言は、女性蔑視ではないです。
    発言の全体を読めば、真意は理解出来ると思うのですが…何をそんなに騒ぐんでしょう。
    辞めるような話ではないでしょう。

    高須クリニックの院長が、助け船を出しておられましたね。かっちゃんの言う通りです。
    かっちゃんは、常に人として正しいことをなさるので心から尊敬しています。

    1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

      >>月の桂様

      >>森さんの発言は、女性蔑視ではないです。

       全文を読む限り、蔑視とまでは言えないのかなという気はします。尊敬はしていないのは明らかですが。

       とにかくおっしゃるように大騒ぎする問題ではなく、個人的には蓮舫議員の高卒発言の方がよっぽど問題だと思います。

       個人的には森発言にいい印象は持てません。冗談にしては面白くなく、本気で言うには論理性がない。どちらにせよ言う必要がないことをわざわざ言って問題を起こす政治家としてのセンスの悪さみたいなものが腹立たしいです。

       何より、朝日新聞のようにヒステリックに攻撃するメディアの異常性に最も腹が立っています。

  3. アバター MR.CB より:

    》》ジャーナリスト松田様

    私には森氏の真意が、女性蔑視か否かは分かりません。おそらく男性女性関係なく万事独善的な考え方をされているのでしょう。センスも、配慮も存在しないリップサービス程度のノリだったのではないでしょうか。
    意外と素早く謝罪会見を開き、「あらら」とびっくりしましたけど、記者への逆ギレに「やっぱりね」と妙に安心もしました。
    もともと今の政界でのポジションに、(オプジーボで)拾った命が加われば、森氏にとっては怖いものなどないと思います。孫娘には弱いらしいですけど。
    ご自身の功績を汚す発言ではあったと思いますが、四面楚歌の「辞めさせよう運動」はいかがなものかと思います。

    1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

      >>MR.CB様

       コメントをありがとうございます。
       MR.CB様とはほぼ同世代とのことで、僕たちが新入社員のころ、こういうことを平気で言う男性上司は多かったのではないかと感じていると思います。

       森さんも言わなくていい話ですよね。冗談にしては面白くないし、本気で言ったら非科学的。言って特になることは何もありません。それを口にするセンスは、政治家として今の時代では厳しいと思います。

       李登輝さんが亡くなった時に、すぐに台湾に行ったこと、その李登輝さんに来日のvisa発給を決めたことなど、骨太な政治家ではあるだけに、今回の件は残念です。

       だとしても、今の森反対運動には辟易とさせられます。メディアと野党がいつものやり方でやって、そこにうまく国民の一部が乗ってきたという感じでしょうか。不毛ですね、すべてが。

  4. アバター 野崎 より:

    まもなく
    女性は~だ、と言えない社会が来る。
    今のところ男は~だ、はいいらしい

    女性の長話や女性特有のおしゃべりを表したガールズトークは差別用語か?
    NHKの英会話講座で使用されている。 そんな名のバンドもあったような、
    その他、井戸端会議、女三人よれば姦しい、というのもある。

    とヤフコメに、速攻削除されていまいました。(アップしたコメントはまだ続きがあるのですが、)

    森発言への批判は確かにある女性蔑視が内包されているから問題なのだ、上記ポリコネとは違う、は違う、というか異論がある、(長文となるので割愛!)

    今有る批判は森氏の発言を直接聞いての批判ではないだろう。
    前後の脈絡を無視した、いわゆる切り取り記事だ。
    客観的に女性委員が多く参加する会議が比較して長いのならば森発言は客観的事実だ。

    TVで女性委員発言、確かにその傾向はあるが、私は長くない、と、何日何時のニュースか明確ではなくソースを示せない。

    ボランティア辞退が大量に発生したが、そも一体何を考え、何に価値をおいた、何のためのボランティアなのだ。オリンピックとは何なのだ。

    遠からず、女は~だ、と言えない社会が来る。

  5. アバター 野崎 より:

    忘れました(>_<)

    御返信は不要です。

    1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

      >>野崎様

       コメントをありがとうございます。

       妙なところに律儀なようで(笑)。律儀な「御返信不要」に返信する僕もおかしな人間だと思いますが。

       森喜朗氏の話は、僕は森さんの発言は感心はできないけど、ここまで言うほどのことなのか、反対運動が政治目的化しているような部分に違和感を覚えるみたいな印象を持っています。

       そもそも福島瑞穂さんは「おやじ政治をやめさせよう」という趣旨の発言をして、男性をステレオタイプで断じる発言はおかしいという批判を浴びていました。批判するのであれば、そういう部分も考えて批判していただきたいなと思います。

       御返信は不要です(フレーズ拝借します)。

  6. アバター 野崎 より:

    >御返信は不要です(フレーズ拝借します)。
    そうおっしゃられると~です。

    蟹は己の甲羅に似せて穴を掘る、という。
    品性の卑しき事隠しようもなく表れる、の様に。

    最初、森氏は組織委員会代表をやめたい故この発言をしたのでは?と思いもしました。下種の勘ぐり、、

    批判が沸き起こる、頃合いを見て、の作戦、、

    そんなことはないだろう、自分にそういう狡さがあるからそう思ったりもする、、
    しかし今のご時世、この種の発言を森氏の位置にある者がなしたらどうなるか、、
    それが解らないのかな? いや解らない訳がない、、の思いが起こり上記の疑念が多少とも湧いた、、

    しかし予想以上に日本はポリコネの状態にあるを再認識しました。
    以前、小泉元首相が涙は女の武器、と言った時はこれほどではなかったのでは?
    女性もメディアもそれを苦笑せざるを得ないものがあったのか、

    あなた作る人、私食べる人は小泉発言以前だったはず、
    しかし騒ぎになった、仕掛け人がいるを考えます。

    この言葉には、プラス、私稼ぐ人、財布を預ける人が続くことは織り込み済み、
    さらに専業主婦(天皇制と同じく創られた言葉)が作る方がおいしくできる、が含まれる。
    当時の日本人なら問題にすることもない表現では、

    今般の森氏発言も仕掛け人がいるを思います。

    他の方のコメントから伊藤氏が男女の同意を題材にした動画を作るとのこと。

    伊藤氏支持勢力からこの主張が、
    さらに学術会議が同意を条件にの提案を、そしてNHKがこの同意を題材にしたドラマを放送すると、仕掛け人がいる、を思います。

    御返信は不要です。

  7. アバター 名無しの子 より:

    森さんの発言が問題となった時、ツィッター上では「伊藤詩織氏の発言の方が問題だ」というコメントが並びました。
    その問題のコメントとは
    「日本で育つと誰でも性暴力や性的暴行を経験する。特に女子高生として交通機関を使うようになると毎日そういう目にあう。毎朝教室に着くたびにその話題でもちきりだった。今日はどんな男がぶっかけてきたとか、今日は別の男にスカートを切られたとか。でもそういうものだと受け止めるしかなかった。通報なんかしなかった」

    こちらの方が酷くはないですか?これを、海外の国営テレビ番組に日本のジャーナリストとして出演した時、発言したのです。放送後、ネット上では一斉に「日本には行きたくない」などのネガティブなコメントが次々に並びました。
    これはだいぶ前の発言ですが、伊藤氏は発言以来一度も、説明も訂正も、勿論謝罪もしていません。メディアもこの問題発言を、一切取り上げません。
    このたび森さんの発言と同時期に、ある週刊誌に載り、再び注目されることとなりました。
    私は女性ですが、森氏の発言はまあ当たってるなぁと思えます。でも伊藤氏の発言はいくらなんでも嘘だと思います。そして森氏の発言以上に伊藤氏の発言の方に、深い嫌悪感を感じ、許せません!
    謝罪しても辞任しても尚、まだまだ追いつめる執拗さ。かたや、海外で嘘を振りまき日本下げをし、検察審査会待ちでまだ容疑のはれていない自称ジャーナリストを、未だにスターのように持ち上げる。
    いったい大手メディアは、何がしたいのでしょうか。
    松田さん、これからも、公平な、真実を追求するジャーナリストでいてくださいませ。

  8. アバター 一傍観者 より:

    森氏の発言を大問題としてとりあげた個人や組織は、民間企業が行っているレディースデーにも大いなる批判の声をあげて欲しいですね。
    私は女性ですが、レディースデーしかない企業には違和感を覚えます。メンズデーとレディースデーがそれぞれあるなら、まだまぁいいかなと思います。

    1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

      >>一傍観者様

       コメントをありがとうございます。

       確かにレディースデー、ありますね。僕の自宅の近くのガソリンスタンドもやってます。特定の日に女性がガソリンを入れると安くなるというものです。こういう利益を得るものに対しては批判は出ないのは確かにどうなのかなと思います。

       面白い視点のご意見、ありがとうございました。

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