”男は臭い” 失言フリーアナ川口ゆり氏契約解除
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
最新記事 by 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 (全て見る)
- グローバル化の象徴フォーエバーヤングにJRA賞を - 2024年12月30日
- 窪田順生氏4度目の”絶望的無知” 亀田製菓記事 - 2024年12月29日
- 不謹慎Vサイン黒田あいみ医師 院長職解任 - 2024年12月28日
フリーアナウンサーの川口ゆり氏(29)がSNS上で不適切な投稿により所属事務所等から契約を解除された。一部の男性の汗臭さが苦手なので気をつけてほしいという内容で、男性に対する偏見を助長しかねないもの。企業などを相手にハラスメント研修を行う講師としても活動をしていただけに、所属事務所などもSNSの投稿とはいえ許し難いと判断したものと思われる。
◾️素早い動きを見せた所属事務所
川口氏は自身が美容事業にもかかわっており、男性向けの美容事業に意欲を見せていた。その中で、自分では気づくことができない体臭は日々の食生活やケアによって改善が可能という趣旨のポストを投稿した。その上で、8月8日に以下のようなポストを投稿した。
ご事情あるなら本当にごめんなさいなんだけど、夏場の男性の匂いや不摂生してる方特有の体臭が苦手すぎる。常に清潔な状態でいたいので1日数回シャワー、汗拭きシート、制汗剤においては一年中使うのだけど、多くの男性がそれくらいであってほしい…
(8月8日19:40投稿、既に削除)
これに対して2万を超えるいいねがついたものも批判も殺到。続けて以下のポストを投稿した。
一日に何度もシャワーに入れない人もいると非難の言葉を沢山貰いますが、そういう話をしてるのではなく。気付かぬうちに不快にさせることが誰しもあるから、できる範囲で清潔感を保つことが大事。特にこんな酷暑なら過剰に気をつけるくらいでもおかしくない。その例えがシャワーという話をしているのです。(既に削除)
(以上、日刊スポーツ電子版・夏場の男性のニオイに不快感「多くの男性がそれくらいであってほしい…」フリーアナの投稿に反響)
それでも終わらない炎上騒動に所属事務所等の動きは早かった。川口氏と所属契約をしていたアナウンス事務所VOICEは、8月10日をもって契約を解除することを自社ホームページ上で発表した。その理由として「川口氏はX(旧Twitter)のSNSに於いて、異性の名誉を毀損する不適切な投稿行為が認められたことから、当社はアナウンス事務所として、所属契約の維持は困難と判断し、やむなく契約解除通知をするに至りました。」と説明をしている。
さらに「尚、当社では、言葉は誰かを傷つけるためにあるものではなく、勇気づけたり愛を語るためにあるものと考えており、言葉を扱う仕事に携わる者としてはあってはならず、大変心苦しく考えております。」と続けている(VOICE・川口ゆりとの契約解消のご報告)。
「異性の名誉を毀損する」というのも違和感を覚える表現であるが、要は不特定多数の男性に対する偏見を助長しかねない表現は許し難いということであろう。
さらに、川口氏を提携講師として契約していたプロダクションも契約の解消を発表した。
「弊社は、2024年8月10日(土)をもって 提携講師である川口ゆりとの所属契約を解消いたしました。ハラスメント防止研修講師として複数回依頼いたしましたが本人による異性の名誉を毀損する不適切な投稿行為が認められ、契約の維持は困難と判断し、やむなく契約解除通知をするに至りました。この度は皆様にご迷惑と不快な思いを与えてしまい大変申し訳ございませんでした。心よりお詫び申し上げます。」(青山プロダクション・川口ゆりとの契約解消のご報告)
◾️最後は全面的にお詫び
そもそも川口氏は男性への美容事業に意欲を見せていた。その内容として夏場の男性の体臭は耐え難く、それらはケアすれば何とか防げますよという指摘であり、全体の流れを見れば、男性や匂いに無頓着な人々への提案と考えることも可能で、言いたいことは分からなくもない。ただ、世の男性全てが臭いという表現になっており、性差による差別と受け取れる。さらに汗をかく仕事、いわゆるブルーカラーと呼ばれる人々に嫌悪感を示すかのような表現になっているように感じられる。
川口氏がハラスメント研修をした会社には運輸と水道設備を業とする2社が名を連ねている。どちらも夏場は汗をかく仕事をしていると考えられ、そのような会社でハラスメント研修を行った講師が「夏場の男性の匂いや不摂生してる方特有の体臭が苦手すぎる。」などと投稿したら、研修を頼んだ会社からすれば「我々の仕事や、我々を内心バカにしていたのか」と思うことであろう。講師として送り出した事務所も言い訳が立たない。その結果、両社がそろって8月10日付けでの契約解除の発表となったものと想像する。
これを受けて川口氏は問題のポストを削除し、お詫びのポストを投稿した。
この度は私の不用意な発言で不快にさせ、傷つけてしまった方が多くいたこと、大変反省しております。言葉を扱う仕事をしている者として未熟でした。
以後、言葉で誰かを傷つけてしまうことがないように精進してまいります。
本当に申し訳ございませんでした。
(2024年8月11日16:22投稿)
◾️契約解除は当然の措置
一連の動きについてSNSなどを見ると「解雇は当然」という声が多いようではあるが、「そこまでしなくても」という声もある。これがたとえば朝日新聞の記者がX上で同種の投稿をしたとしたら、炎上はしても会社から解雇されることはないと思われる。会社と雇用契約を結んでいる労働者は労働法で身分が守られている。
しかし、川口氏の場合はVOICE、青山プロダクションともに所属契約を結んでおり、どちらの契約書にも事務所サイドの都合で自由に契約を破棄できる条項はあるはず。ハラスメント研修をする講師が「汗臭い男は苦手」と男性への盲目的な嫌悪感を示してSNSで炎上すれば、事務所が本業にも差し障りが出ると考えて契約を打ち切るのは当然の措置であろう。
この件で感じられるのは、以下の2点である。
(1)男性から女性はもちろん女性から男性への差別的、侮蔑的な言動も許されない
(2)SNSでのメディアリテラシーの欠如は重大な責任を伴う
まず(1)は、男性から女性へのセクハラ、モラハラに対して社会の目は厳しくなっているが、それは女性は常に被害者であることを意味しない。他者を不快にするハラスメントは許されず、その成否は被害者の属性に影響を受けない。
古い話で恐縮であるが、以前、社民党の福島みずほ党首がツイッター(現X)で「女性が未来を開く。おっさん政治をやめさせよう!」(2019年6月30日23:10投稿)と投稿したことがある。当サイトでは「中高年の男性が行う政治は未来を開かないという決めつけなのか。…これは相当悪質な発言であると思うし、これこそが2019年のワースト発言であると思う。」と最大級の批判をした(参照・2019年最悪のジェンダー関連発言は福島みずほ議員 「差別だ!」で言葉狩り)。こうした女性は何を言っても許されるという風潮にNOを突きつけたという点では、川口氏の一件はそれなりに意味のある騒動であったと言えるかもしれない。
◾️メディアリテラシーの重要性
(2)については、あらためて言うまでもなくメディアリテラシーの重要性である。SNSが発達し、それまでマスメディアが独占していた情報発信の権利を個人が行使できるようになった。非常に便利なことであるが、それによる責任が伴うことを情報発信を行う者は心しなければならない。
SNSの投稿は数万、数十万、時にはそれ以上の人が目にする可能性がある。それゆえ、発言には責任が伴い、特に実名で情報発信をする者は、マスメディアで発言するのと同様の注意力を持って発信すべきである。匿名の者でも不適切な投稿をすればアカウントの停止や取り消しがあり、場合によっては訴訟の対象となる。実名で行えば今回のようなことも起こり得る。
川口氏は自身があまり知られている存在ではないため、このような大事になることはないと高を括っていたのかもしれないが、Xのような利用者の多いSNSでは危険は常に潜んでいる。
今回の件は川口氏にとってデジタルタトゥーになるものと思われる。所属事務所2つから同時に契約を解除され、ホームページで公表された事実は、一般企業でいえば懲戒解雇されたに等しい。普通の芸能事務所であれば、このような形でクビにされたフリーアナを雇おうという気にはならない。
川口氏の謝罪文を見ても、問題の本質を理解しているとは思えない。本人は「言葉で誰かを傷つけてしまうことがないように精進」すると、表現の問題に矮小化を図っているが、問題は表現にとどまらない。男性全体、ブルーカラー層を(生理的にムリ)とばかりに嫌悪感を示す、その差別的な意識、自分はそうした人々を見下すポジションにあると言わんばかりの態度を多くの人が許し難いと感じていることを意識しなければ、時が経っても状況は変わることはないように思う。
自らの内なる差別意識を正直に明かすことから始めてはいかがか。
この発言、男女が逆だったら、大手マスコミが報道し、連日連夜、批判していたでしょうね。
ハラスメントに対する社会の厳しい対応が当たり前になったこの時代に、(女性は何を言っても許される)と考えた浅はかさのツケを今、払わされているということでしょう。
近親で交配するのを避ける為に、血縁が近い男性は臭く感じる。
思春期の女子が「お父さんの衣類と一緒に洗濯しないで!」と言う理由がそれです。
なので、男性の努力と言うより、生物学的にどうにもならない事があることを理解すべきだと思う。