元関脇貴闘力が告白 霧島から200万円で八百長打診

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 大相撲の元関脇貴闘力の鎌苅忠茂氏(53)が12月5日公開されたYouTube「貴闘力部屋」で、現役時代に八百長に誘われた事実を明らかにした。その中で元大関の霧島(現陸奥親方)から200万円で負けるように言われたが断ったことや、それ以外にも八百長勧誘に関わった人物を実名で語っている。今後、大きな問題に発展しかねない。

■貴闘力に逆鉾が「分かってるよな」「100万で頼む」

YouTube「貴闘力部屋」画面から作成

 元関脇貴闘力が八百長の誘いを受けたことを告白したのは、「【実名告白】貴闘力初めて語る八百長への誘い!『お前わかってるよな』相撲界の闇はとても深い!」というタイトルの動画。それによると八百長の勧誘は、幕下37枚目の時に受けたという。それまで6戦全勝だった貴闘力の千秋楽の相手は幕下10枚目の貴ノ嶺(廃業)で、当時29歳。こちらも6戦全勝で、勝てば十両に上がれるため、年齢からしても負けられない一戦だった。

 以下は鎌苅忠茂氏の話から再現したものである。

 貴闘力が四股を踏んでいる時に、貴ノ嶺が所属する井筒部屋の若い力士がやってきて「譲ってもらえないですか」と言ったという。これに対して貴闘力は「俺はそういうことはしないから」と断った。すると、逆鉾(故人)が来て「お前、分かってるよな。お前も下から上がってきた相撲取りだから、下からの苦しみが一番良く分かってるよな」と言い「100万で頼む」と負けるように要請してきた。

 この要請も断ると、今度は元大関の霧島(現陸奥親方)がやってきて「お前この野郎200万でどうなんだ」と言ってきたが、「そういう問題ではなくて」と断ったという。最後に寺尾(現錣山部屋師匠)が来て「悪かったな、今の話はなかったことにしてくれ」ということで八百長相撲は回避された。

■2011年以前にも八百長はあったのか

 この一番は貴ノ嶺が勝って十両に昇進したという。話の内容からすると1988年(昭和63)7月(名古屋)場所と思われる。この時、貴闘力は幕下37枚目で6勝1敗、貴ノ嶺は幕下10枚目で7戦全勝で、鎌苅氏の話と一致する。

 大相撲の八百長と言えば、2011年に警視庁が野球賭博問題で力士から押収した携帯電話のデータから発覚し、19人の力士が引退勧告を受けた。同年の春場所は中止となり、5月場所は技量審査場所として開催されている。

 この時の相撲協会の立場は八百長は過去にはなく、新たに出た問題として扱った。しかし、元貴闘力の話はそれを真っ向から否定するものであり、過去にも八百長が持ちかけられていたことを示す。特に現役の親方である霧島、寺尾の2名が実名で出されているだけに、看過できない事態である。

 元貴闘力の鎌苅氏は既に相撲の世界を離れていることから、相撲協会としてはこれを「辞めた人間が話題作りのためにあることないこと語った」といった理由から無視する可能性はある。しかし、天皇陛下も観戦する大相撲で八百長が2011年以前も行われていたとしたら大問題である。

 このまま何もなかったかのように終わらせていい問題ではないだろう。

    "元関脇貴闘力が告白 霧島から200万円で八百長打診"に6件のコメントがあります

    1. トトロ より:

      本当に八百長を根絶するのであれば、地方巡業廃止か本場所を4場所にして
      力士の負担を減らすしかないです。
      相撲同様にコンタクトがある、ラグビー、アメフトでも20試合が限度と言われたおり。
      それ以上すれば、燃え尽き症候群になるから不可能です。
      現状だとスポーツを断念して、伝統芸能として生きることを選択するのが無難です。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

        >>トトロ様

         コメントをありがとうございます。
         力士の負担を減らした場合でも、番付の上下で圧倒的な差異が生じるシステムであれば、八百長根絶は難しいのかなと感じますが、いかがでしょうか。

    2. MR.CB より:

      》》ジャーナリスト松田様

      いわゆる「注射相撲」ですね。
      昔から、「かわいがり(体罰)」と併せて相撲界で問題になってきました。
      「これまで八百長が全くなかったことはあり得ない」が、多くの大相撲ファンの方々の一致する見識ではないでしょうか。
      真剣勝負と訳ありの一番が、共存共栄してきた歴史が大相撲の実情だと思います。

      小生は大相撲はスポーツ競技ではなく、プロフェッショナルによる、我が国の伝統的な興行として存続しても良いと思っています。大学、社会人相撲まではスポーツ競技。大相撲とアマチュア相撲を分けて考える、プロレスとアマレスのような感じでしょうか。

      お叱りを受けそうですが、状況(博打などには加担しない)に応じて、私情を考慮する取組も時としてやむなしと思っています。もちろん、そこにはプロとして最高のパフォーマンスの演出が必要条件となります。無気力な取組などは厳罰処分ですね。

      実に稚拙な私見で恐縮なのですが、小生は「ガチと温情の混在」を容認する派(?!)です。よって元貴闘力が語る今回の件などは、私的には致し方ない事案と判断します。ただし、相手方の力士は当然ですが拒否できるシステムです。

      若年期から身体を酷使して、常軌を逸したと言っても過言ではない食生活。ご批判を恐れずに申し上げます。200キロ前後の巨漢がでぶつかり合う競技を、お茶の間で家族がみかんでも食べながら観戦する。そして力士達に命がけの真剣勝負を要求する。力士達が自分で選んだ職業とは言え、あまりにも可哀想だと思えてしまいます。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

        >>MR.CB様

         対人競技ですから、勝負ごとに勝利へのモチベーションが異なるのは当然でしょうね。プロ野球も消化試合になれば、「全力勝負をしていないだろう」みたいなものは多いですし、個人記録のために敬遠・敬遠…というのはよく目にしました。

         敬遠はともかく、モチベーションの違いは容認せざるを得ませんし、貴闘力も同じ動画の中で、十両昇進がかかった29歳の崖っぷち力士を相手に「相手を殺してやるぐらいの気持ちになれますか?」と言ってます。

         そこに金銭が介在するなどの事情がないのであれば、個人のモチベーションの違いまでは周りがあれこれ言えないのは仕方がないのではと思います。

         そうした視点から見ると、MR.CB様のご意見には賛同する部分が少なくないと感じました。

    3. トトロ より:

      松田さん、こ返事ありがとうごさいます。
      そうなりますと、親方株などの改革になり、
      ガチンコ派の貴乃花親方が追放されたように難しいと思います。
      やはり大相撲は、スポーツではなく伝統芸能と考えた方がよいと思います。
      皇室関連だとラグビーなどに任せた方いいのではないですか。
      秩父宮殿下以来皇室との関係が深く、現ラグビー協会名誉総裁は、彬子女王殿下で
      イングランド代表などのテストマッチに皇室王室などからカップ贈呈される
      様になり皇室と英国王室との親密ぶりをアピールで良いのではないですか。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

        >>トトロ様

         相撲はスポーツなのでしょうが、伝統的な文化でもあるのは確かだと思います。相撲のあれこれはともかく、ラグビーに皇室に関わっていただくのはいいことだと思います。

         ラグビーの精神は日本的な精神につながる部分が多く、もっともっと盛んになってほしい競技です。

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