赤ちゃん守る 妊婦のRSVワクチン接種
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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ほとんどの乳幼児が罹患するRSウイルス感染症予防のため、妊婦へのワクチン接種が今年から開始された。重症化しやすい小児のRSウイルス感染症に対する有効な予防法として、日本産婦人科医会(石渡勇会長)はワクチンヘジテンシー(ワクチンへの躊躇)を乗り越えて、接種が広がることへの期待を明らかにしている。
◾️RS(吸器合胞体)ウイルスワクチン
日本産婦人科医会は16日に都内で行われた記者懇談会で、今年開始したばかりのRSウイルス(Respiratory syncytial virus=呼吸器合胞体ウイルス)ワクチン接種に関する説明を行った。RSウイルス感染症は呼吸器系の感染症で、主な症状は発熱、上気道炎、下気道炎(気管支炎、細気管支炎、肺炎)など。
以下、日本小児科医会の峯眞人業務執行理事の説明によると、同ウイルスは生涯にわたって感染を起こし、特に乳幼児期に重篤な症状を引き起こす。生後1歳までに半数以上、2歳までにほぼ全ての小児が感染し、乳幼児における肺炎の50%、細気管支炎の50~90%がRSウイルス感染症に起因し、合併症としては無呼吸、急性脳症など、後遺症としては反復性喘鳴(気管支喘息)が挙げられる。
こうした重大な疾病となりうるRSウイルス感染症であるが、治療薬は存在せず、対症療法・支援療法での治療を施すしかない。しかも母親からの抗体では感染を防げず、これまでは感染と発症を繰り返すうちに徐々に免疫を獲得して、感染時に軽症化するのを待つしかないという状況であった。
「乳児の2~3%がRSウイルス感染症を原因とした入院を要すると報告がされており、非常にリスクが高いと言えます。早産児や月齢24か月以下で免疫不全、先天性心疾患、特にチアノーゼを起こすような心疾患、慢性肺疾患、あるいはダウン症候群などのように免疫が十分ではない子供は2歳になるまでは非常に重症化しやすいと言われています」と同業務執行理事は言う。
この重症RSウイルス感染症は2021年夏以降に一気に増加した。これはコロナ禍で自宅で過ごすことが多かった時期には感染機会がなかったものを、コロナ禍の収束で保育園や幼稚園に通うようになった児童が感染したものと思われる。
◾️ワクチン接種の効果と副作用
RSウイルス感染症のためのワクチン(商品名・アブリスボ筋注用(R)、一般名・組換えRSウイルスワクチン)が今年1月18日に製造販売承認がなされ、5月末から一般診療でも施行が可能となった(ファイザー社による発売が5月31日)。6月末には日本産科婦人科学会及び日本産婦人科医会から医療機関に対して、RSウイルスワクチンの接種を施行した場合は、母子手帳の予防接種の記録に必ずアブリスボ筋注用の接種シールを貼付するように案内が届けられた。
アブリスボ筋注用(R)の効能は製造・販売元が「妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防」「60歳以上の者におけるRSウイルスによる感染症の予防」としている(Pfizer・RSウイルスワクチン『アブリスボ筋注用』(R)発売)。要は妊産婦が母子免疫ワクチンを接種することで、乳幼児のRSウイルス感染症罹患及び重症化を防ぐというものである。
気になるのはワクチン接種による効果と副作用。この点は日本産婦人科医会の倉澤健太郎常務理事が、データをもとに説明を行った。
倉澤常務理事は、製造販売承認の前に18か国7392人の妊産婦が参加したMATISSE(MATernal Immunization Study for Safety and Efficacy=母体免疫研究の安全性と有効性に関する研究)試験の結果を紹介。これはワクチンとプラセボ(薬効成分を含まない”偽薬”)を1:1で投与する形式で実施されたものである。
それによると誕生から90日間の間に医療機関を受診した下気道感染はワクチン接種では57.1%発症を予防する効果があり、180日間では51.3%である。同感染のうち重症なものに限れば、ワクチン接種は90日間で実に81.8%、180日間でも69.4%予防しているというデータが示された。副作用については、ワクチン接種とプラセボ投与において、母体にも新生児にも有害事象の発生や、出生転帰および発育遅延などについては有意な差異は認められなかった。
倉澤常務理事は「(ワクチン接種した母体に関して局所・全身反応、有害事象は)プラセボとワクチンで大きな差異はなく、出てきた反応も軽微なものでした。また、生まれた赤ちゃんに対しても大きな副作用はない、日本人でも同様という試験結果が出ています」と話す。
もっとも、在胎週数37週以下の早産は、治験参加者の割合で言うとワクチン接種が5.6%、プラセボ投与が4.7%とワクチン接種の場合が多くなっている。「全ての早産を見ると、有意差はありませんが、ワクチンを打った方が5.6%で、プラセボの4.7%よりは数字が少し多いだろうと、早産に対する点が注目されてはいました。ただし、日本ではワクチン(218人)が3.2%、プラセボ(216人)で6.0%と逆になっています」と同常務理事。
カナダにおいてもワクチン27人で0%、プラセボ28人で3.6%となっている。ワクチンと早産の因果関係について、もともとワクチンとプラセボにおいて有意な差異が認められず、国別で見るとプラセボの方が多くなっている事例もあり、因果関係は現時点では認められないと考えるのが通常の思考であろう。
同常務理事は説明の最後に「妊婦を対象とした臨床試験においても実臨床(リアルワールド)の調査でも、特定の安全性シグナルは検出されていない」、「医会員のアンケートから、啓発資材の作成を進めていき、RSV感染症の予防に向け、小児科・産科で密に連携をとり、取り組んでいきたい」とした。
◾️ワクチンへの躊躇を乗り越えて
既に英国では9月から妊産婦が無料でRSウイルスワクチン接種が可能となっている。また、米国産婦人科学会では妊娠32~36週の妊婦にRSウイルスワクチンを季節性投与で1回接種することを推奨しているという。
倉澤常務理事は「妊婦さんに『ワクチンを打ちましょう』と言うと、ワクチンヘジテンシー(Vaccine hesitancy=ワクチンへの躊躇)というものが非常に高いというのがあります。躊躇なく打つようになるには少し時間がかかります。コロナウイルスのワクチンも当初は妊婦さんへは打てない状況だったのですが、途中から堰を切ったように打つようになりました。若干、認知などには時間がかかるのかなというのがあります。浸透させるためにはガイドライン等、様々な媒体からのお墨付きも必要です」と、接種が一般化するまでにはまだ時間がかかると見ている。
しかし、そうした点を乗り越えてワクチン接種を進めていかないと、結果として乳幼児の健康が損なわれかねない。そのため、「RSウイルスはなかなか手強いのですが、そのための武器がようやく出てきました。臨床試験においても実臨床の調査でも、特定の安全性シグナルは検出されていないわけですから、ワクチンを使ってRSウイルスを防ぎたいと考えてくださった妊婦さんに対しては、しっかりとした接種体制を構築していく必要があります」と、その重要性を訴えた。
コロナワクチンに関しては陰謀論の真っただ中(今般の選挙でも参政党が公約として掲げている。⇒ワクチン問題を党をあげて追及し、被害者救済申請の負担軽減と審査の迅速化)
だ。
子宮頸がんワクチンの陰謀論は真に無念である。
ワクチンと副作用があったとする事例の因果関係は何ら証明されていない。
摂取の激減とと子宮がんの発生は統計上明確に表れている(ソースは割愛)
ノーベル医学生理学賞受 本庶佑の警鐘、その論理は科学的である。
70年代極左の心的支柱(理論的ではない)であった共同幻想論の著者、故吉本隆明が原発を擁護したことは左翼にとり衝撃であった、しかして猛批判が起こった。
吉本隆明の言わんとするところは、人類は科学の方法論、技術が未完成であろうと、そのさらなる精錬、発達に挑戦し人類の問題を乗り越えて行くべきだ、である。
以下は吉本隆明の原発に関しての主張の一部であるが広義に科学全般に敷衍できる。
>発達してしまった科学を後戻りさせるという選択はあり得ない。それは、人類をやめろ、というのと同じです。
だから危険な場所まで科学を発達させたことを人類の知恵が生み出した原罪と考えて、科学者と現場スタッフの知恵を集め、お金をかけて完璧な防禦装置をつくる以外に方法はない。
↓
ワクチン陰謀論者は上記とは異なる。
ワクチンの問題(陰謀)を払しょくし、それを超えて安全なワクチンを望む!ではない。
70年代に、バターイエローはアメリカの陰謀である、があった、故会田雄二氏(著書アーロン収容所)がこれを取り上げ解説している。
何が何でも陰謀なのだ、戦後学校給食の粉ミルクも陰謀だと、
断じてそうでないことは粉ミルク導入に人力した医学博士、故佐藤昭二氏に詳しい。
★子宮頸癌ワクチンの普及を心より望みます。
肺炎球菌ワクチンを爺さん達は(婆さん達も)皆うけているけど、何の問題もない!
以下、コピペ
2018年12月11日 (火)配信 村中璃子(医師、ジャーナリスト)
2018年ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授は、現地時間の12月8日13時半より、ストックホルム市内のホテルにてノーベル・スピーチ後、初となる記者会見を開いた。
会見の最後にNHKの記者が、子宮頸がんワクチン問題を含む日本の医療政策における課題に関するコメントを求めると本庶氏は、「NHKさんがこの問題を取り上げることは非常にいいことだと思う。マスコミはきちんとした報道をしていただきたい」と述べた。
また、「子宮頸がんワクチンの副作用というのは一切証明されていない。日本でもいろいろな調査をやっているが、因果関係があるという結果は全く得られていない。厚労省からの(積極的接種)勧奨から外されて以来、接種率は70%から1%以下になった。世界で日本だけ若い女性の子宮頸がんの罹患率が増えている。一人の女性の人生を考えた場合、これは大変大きな問題だ。マスコミはワクチンによる被害を強く信じる一部の人たちの科学的根拠のない主張ばかりを報じてきた」と続けた。
医学や科学の問題について論じる際にマスコミ関係者に注意してほしい点として、「科学では『ない』ということは証明できない。これは文系の人でも覚えておいてほしいが、科学では『ある』ものが証明できないことはない。『証明できない』ということは、科学的に見れば、子宮頸がんワクチンが危険だとは言えないという意味だ」と述べ、「なぜこれを報道しないのか。先日学会でも講演したが、ルワンダなど(リソースの少ない国)でもワクチンを導入して子宮頸がんが減っている」とコメント。
「このことに関し、はっきり言ってマスコミの責任は大きいと思う。大キャンペーンをやったのは、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞。メジャーなところが全部やった。そしてNHKも責任の一端があると思う。今からでも遅くないから、きちんと報道してほしい。実害が生じている」と述べ、主要報道機関が誤った情報を広げたことにより、日本人女性が必要なワクチンの接種を差し控えている現状について警鐘を鳴らした。
本庶氏は10月5日に藤田保健衛生大学(現藤田医科大学)で行われたノーベル賞受賞決定後の初講演でも子宮頸がんワクチン問題について取り上げ、「国際的にみても恥ずかしい状況」とコメント。10月11日には根本厚労大臣を訪問し、子宮頸がんワクチンの積極的接種の勧奨再開の要請を行った。また以前より、医療経済やQOLの観点からワクチンをはじめとする予防医療の重要性を繰り返し訴えているが、30分という短い会見のうち子宮頸がんワクチン問題に関するコメントは約7分に及び、本庶氏のこの問題への懸念と関心の高さを改めてうかがわせた。
↓
御返信は不要です。
X(旧Twitter)でもワクチン陰謀論者は多いと感じます。本文中でも倉澤健太郎先生が言及されていましたが、ワクチンヘジテンシーというのは多かれ少なかれ、人々の間にはあるようです。現場のお医者さんはそうしたものとも戦いながら、国民の健康を守っているのだろうと取材をしていて感じました。
100%安全なシステムというのはあり得ず、飛行機の墜落する可能性は0%にはなりません。航空会社の方には申し訳ないのですが、そうしたリスクを含んだ輸送手段なわけで、航空機事故の死者を長年に渡ってゼロにするには航空機を全面禁止するしかありません。
年間の交通事故の死者数は2023年は2600人超でした。事故で3000人近い人が死んでいる事態で、それをゼロにするには自動車の運転を全て止める以外にはないでしょう。結局、現代社会のほとんどのシステムは多少なりともリスクを負って利用しているわけで、ほんのわずかなリスクの存在が認められるから、システム全体を廃止とすれば、我々は原始時代の生活に戻ることになります。システムを利用しつつ、いかにリスクを減らしていくかこそが大事な議論であると、僕は思っています。
そういう冷静な議論が望まれますが、反ワクチンの方、反原発の方には、なかなかご理解いただけない現状なのが残念です。