日本経済新聞のとんでもないカーリング記事

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

報道の粗探しをするわけではないが「これは論外でしょう」という記事を見つけたので、あえて一言。

日経新聞のトンでも記事

日本経済新聞2月25日付け朝刊、冬季五輪平昌大会・女子カーリングで日本が銅メダルを取った記事だ。文中にこんな一節がある。

トーン(石)同士が触れあって日本の石がハウスの中心にきた瞬間、リンクに歓喜の叫びが響き渡った。「キャー」。

これは事実と完全に異なる。生中継映像を見た方なら分かるだろうが、英国のミスで日本の銅メダルが決まった瞬間、英国の選手は日本チームに握手を求め、藤澤五月選手、吉田知那美選手らは泣き出しそうな表情ではあったが、しっかりと握手を交わしている。

各選手との握手が終わった後に、日本チームは「キャー」っと言って抱き合って号泣した。

大した違いはないように感じるかもしれないが、実はこの一文は大きな問題を孕んでいる。カーリングは審判がおらず戦うチーム同士でジャッジを行う「紳士・淑女のスポーツ」であり、試合後に勝者を讃え、敗者を労う握手までが選手の務めと言っていい。日本代表選手はそれを忠実にこなしている。さらに銅メダルが決まったショットは英国のミスショットであるから、相手の失敗を「キャー」と喜ぶのはカーラーとして許されない行為。つまり、当該記事は「女子カーリング日本代表は、銅メダル獲得後、選手として恥ずべき行為をしている」と書いているに等しいのである。

そのあたりはyou tubeには映像がいくらでもアップされているから、見て確かめていただきたい。

日本経済新聞はこういう記事を書くことが恥ずかしくないのだろうか。午後10時30分過ぎという、締め切りが近い厳しい時間帯であることは新聞社にいた僕も分かるが、それにしてもお粗末この上ない。こういう締め切りが近い時間帯の記事は現場の記者ではなく、東京の社内で書いていることが多いが、書く方も、それをチェックするデスクも、もう少し緻密な仕事をしてほしいものである。

個人的に思うのは、経済新聞なのだから、経済とそれに関する政治ネタだけ書いていればいいということ。スポーツ新聞が政治を扱うのと同じで、このレベルの記事しか書けないのなら、やめた方がいいと、僕は思う。

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