エキサイトバイオに夢託す ”キムテツの変”で出走権
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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28日のG1有馬記念(芝2500m、中山)はエキサイトバイオ(牡3、栗東・今野)に夢を託したい。中央競馬の最後を飾る大一番は、金曜日発売分で単勝7番人気(37.4倍)の伏兵の好走に期待をかける。
◾️ヘデントールをなぜ登録?
エキサイトバイオに期待する理由は後ほど論じるとして、今回、同馬の出走自体が奇跡に近い点を説明しておくべきであろう。別表で示したように、今回の有馬記念の登録馬で出走順位としては補欠の4番手であった。つまり、4頭回避馬が出なければ出走できなかったのである。
週初めは出走が難しいと考えられており、陣営では有馬記念で除外になった場合は、2026年1月5日の万葉S(芝3000m、京都)に出走を予定していた。ヘデントール、ビザンチンドリーム、サンライズアース、スティンガーグラスの4頭が回避を決定。具体的には23日にサンライズアースが右前浅屈腱炎で回避することが発表され、レース5日前に出走が可能になるという、ドラマティックなものであった。
もっとも、この流れはヘデントールを管理する木村哲也調教師が、年明けから始動予定の管理馬を登録するという不可解な行為がなければ、大きく変わっていた可能性はある。
春の天皇賞馬ヘデントールはファン投票10位。その登録によりファン投票32位で出走が可能と見られていたライラック(牝6、美浦・相沢郁)が投票上位馬として出走できなくなった。賞金順位では登録馬中、下から2番目のため藤岡佑介騎手騎乗で出走というプランは雲散霧消してしまったのである。
◾️”キムテツの変”で出走可能に
この木村調教師の他馬の出走妨害のような登録は、同厩舎のスティンガーグラス(牡4)を出走させる目的で、ライラックを除外に追い込むためではないかという声がファンの間から起きた。ネットでは大きな話題となっている。
木村調教師がこの件について取材に応じないため真相は藪の中ではあるが、スティンガーグラスを所有するエムズレーシングはXの公式アカウントで「出走枠に入ることになったとしても、現時点の管理体制での出走は難しいと判断し、出馬投票を見送ることといたします。」という見解を表明して回避を決めた(12月17日15:18投稿)。その後、同馬は友道厩舎へ転厩しており、両者の間の信頼関係は破壊されているように見える。
木村調教師がヘデントールを登録しなければ、スティンガーグラスは堂々と賞金順位上位で出走していたものと思われる。その場合、ライラックもファン投票上位馬として出走していたはず。
このように”キムテツの変”がなければ、今回、除外や回避された2頭が出走してカットラインは上昇、エキサイトバイオはアラタ(牡8、美浦・和田)とともに除外となっていた可能性がある(別表の『幻の有馬記念』参照)。
今回のようなケースは別として、クラシックレースで賞金順で下位の馬が上位馬の回避でギリギリ出走にこぎつけて優勝をさらう例は少なくない。2002年のG1皐月賞ではノーリーズンが7分の2の抽選をくぐり抜けて出走して優勝している。1988年の皐月賞ではヤエノムテキが6分の3の抽選をくぐり抜けて勝った。
こうして、競馬マスコミでは出走そのものが幸運に恵まれた馬の優勝が多いかのように報道することが少なくない。その場合、「出走段階から運を掴んだ」といった文脈で語られることが少なくないが、そこでは前提となる事実が見逃されている。
もともと、抽選待ち・賞金上位馬の回避待ちの馬は、陣営が(出ればウチの馬でも足りる)と考えているから出走態勢を整えて待つのであり、もし、出ても”用無し”と考えていたら、出番が回ってきても回避して他の勝ち目のあるレースへと向かう。あるいは、そもそも登録しない。
そう考えると、エキサイトバイオ陣営も(このメンバーならチャンスがある)と見ているのは間違いないと思われる。特にG1天皇賞・秋は3歳馬のマスカレードボールが勝ち、G1ジャパンCは外国馬に優勝をさらわれたが、日本馬最先着はマスカレードボール(2着)で、4着にも3歳のクロワデュノールが入っているように3歳馬上位の状況である。しかもG1東京優駿5着と3歳のトップクラスの1頭であるエリキングと、G1菊花賞で4分の3馬身差の勝負をしているのであるから、机上の計算でも『足りる』という結論を導き出せる。
◾️エキサイトバイオは右回り得意?
エキサイトバイオはおそらく右回りが得意な馬である。デビュー戦の京都で8着と敗れた後、4戦連続で左回りの中京競馬場のレースに出走している。左手前で最終コーナーを回り、直線も左手前のまま走って伸びを欠いている。おそらく左手前で走るのが好きなのであろう。
そうすると右回りになると、コーナーを右手前で回って、直線で好きな左手前にスイッチするので、一気に伸びる。それを発揮したのが6月のG3ラジオNIKKEI賞で、直線で馬群を割って伸びて勝っている。
菊花賞は向正面で掛かり気味になり、3角の坂下からスパートして4角先頭というチグハグな競馬で3角まで中団から後方に控えていたエネルジコ、エリキングに交わされたが3着に粘り込んでいる。勝ったエネルジコには3馬身差をつけられたが、2着エリキングとは4分の3馬身差。これなら(有馬記念でも勝負になる)と陣営が思うのも当然かもしれない。
今回、1枠1番を引き、荻野極騎手は「イメージしやすい枠」と答えている(中日スポーツ電子版・【有馬記念・公開枠番抽選】エキサイトバイオは最内枠1枠1番 荻野極騎手「イメージしやすい枠…挑戦者のつもりで積極的にレース運びたい」)。6番のメイショウタバルが逃げて、11番のミステリーウェイが続き、何頭か行かせて、内の好位を進むというイメージを抱いているのではないか。ラジオNIKKEI賞で見せたように、直線で前に隙間ができたら、そこから馬群を割って出てくるイメージであろう。人気がないだけに、(前が開かなかったら仕方ない)(一か八か前が開くのを狙う)と割り切って乗れるのではないか。
◾️ジョッキーの選択「ダノンデサイル」
有力なライバルとなりそうなのがダノンデサイル。ジャパンCは上位2頭に直線で置かれたのが響いているが、これは3か月ぶりというのもあったのかもしれない。戸崎騎手は今回、レガレイラというお手馬がいたが、ダノンデサイルでグランプリに出場する。「体が2つあったら嬉しい」と共同記者会見で答えており、その発言通りであるなら、ダノンデサイルの方が勝機が高いと考えてのチョイスであろう。一流ジョッキーの選択に逆らう手はない。
展開を考えるとメイショウタバルも有力。秋の天皇賞で逃げて33秒1で上がっているのは驚異的。金曜日発売で単勝2番人気となり、各騎手のマークも厳しくなると思われるが、それでも先行有利の中山競馬場なら、どの騎手も分かっていても武豊騎手にやられる可能性はあるように思う。
強い3歳馬の一角のミュージアムマイルは皐月賞、セントライト記念を勝った舞台で好走が期待できる。タスティエーラはスローで前が粘り込む展開になれば、ギリギリ2着確保はあるかもしれない。
”キムテツの変”という変数が加わって興醒めのファンもいるかもしれないが、出馬投票が終われば、純粋に競馬を楽しむのがいいのかもしれない。
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