日台友好の隠れた立役者EXILEのAKIRAさん”台湾一の美女”が妻の「國民姐夫」
葛西 健二🇯🇵 @台北 Taipei🇹🇼
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台湾版の紅白歌合戦「超級巨星紅白藝能大賞」が1月24日、台湾電視公司(台湾テレビ)で放送されました。今年はEXILE(中国語名:放浪兄弟)が初めて出演。これはメンバーのAKIRAさん(38)が昨年6月、台湾の国民的女優の林志玲さん(45)と結婚したことと無縁ではありません。”台湾一の美女”を妻にしたAKIRAさんのこの国に対する真摯な姿勢が親日感情を大きく押し上げていることは、日本ではあまり伝えられていません。
■大成功だったEXILE訪台「台湾に誠意を示した」
1月12日に収録された超級巨星紅白藝能大賞がこの日、放映されました。林志玲さんが応援に駆けつける中、EXILEの躍動感あふれるパフォーマンスは、会場を魅了。メンバーによるステージ上のミニゲーム(紙に穴を開けて景品を取り出す)では、中からAKIRAさんと林志玲さんの結婚写真のカレンダーが出てくるなどで盛り上がり、各メンバー手書きの春聯(春節の風習、赤い紙に縁起の良い対句を書いたもの)を掲げ新年を祝いました。
EXILEがそのパフォーマンスだけではなく、ゲームなどを通じて番組を盛り立てる姿勢は視聴者からも好感を持って受け止められたのは間違いありません。今回の訪台と超級巨星紅白藝能大賞への出演は「台湾に対して誠意を示した」と好意的に報じられました(台湾テレビニュース、ETtoday 星光雲等)。
■「愛しい志玲、僕を愛してくれてありがとう」
林志玲さんは中華圏で絶大な人気を誇り「國民姐姐(国民的姉さん)」と呼ばれています。昨年11月16、17日、2人は林志玲さんの故郷台南市で挙式。AKIRAさんは、新郎からの謝辞の最後に中国語で誓いの言葉を述べました。
「志玲,今天很開心,我們終於結為夫妻,未來的路一起走下去,志玲,我愛的志玲,謝謝妳愛著我,謝謝妳相信我,謝謝妳支持我,我會讓妳成為這世界最幸福的女人,2019年,11月17號,I Love you.」【志玲、今日は本当にうれしい。僕たちは遂に夫婦となって、これからの道を2人で歩んでいく。志玲、愛しい志玲、僕を愛してくれてありがとう、僕を信じてくれてありがとう、僕を応援してくれてありがとう、世界で最も幸せな女性にするよ。2019年11月17日、I Love you.】
これには林志玲さんをはじめ会場の人々は感激の涙を流したということです(ETtoday 新聞雲 2019年11月17日付)。ストレートな愛情表現と尊重の気持ち(相手の言語で誠意と愛を語ることがまさに相手に対する尊重)、誠実さ、謙虚さが伝わってきます。
相手の言語に向き合うことは、相手の文化に対するリスペクトに他なりません。AKIRAさんの中国語からは、林志玲さんや台湾の人々に対する真摯な態度、誠実さが感じ取れます。
■中国語は音階の言語 AKIRAさんの光る語学センス
昨年12月、you tubeの台湾テレビオフィシャルチャンネルに、「超級巨星紅白藝能大賞」出演に関するAKIRAさんの中国語の挨拶がアップされました。40秒という長い尺で、途中、編集も入り、時折カンペを見ているのは分かりますが、それは問題ではありません。驚かされたのは「発音の高低(声調)」がはっきりしていることです。
発音のベースが台湾なまり(日本語の関西弁のようなもの)の中国語でマンダリン(日本語の標準語のようなもの)ではないことから、語学スクールなどで学ばれたのではないと思います。発音そのものは”日本人の中国語”ではあるものの「中国語の『音程』の部分を意識して(学んで)いる人の話し方ではないか」と感じました。
中国語は各漢字の音程をしっかり区別して話さないと意味をなしません。会話中の語句に高低の誤りがあると意味が異なるばかりか、通じなくなります。中国語は音階の言語です。この点で音楽センスのある人は中国語を学びやすいと言われるのも一理あると思いますし、実際にAKIRAさんの語学のセンスはかなりのものと思われます。何より真剣に学ぶ姿勢が見てとれます。
ちなみに、中国語の発音の高低(声調)あまり意識せず(または学ばず)、普段の会話だけで中国語を覚え「中国語を話せる」と自認する人もいます。しかし、この声調をはっきり区別して発声していなかったり、高低を間違えていたりと問題があることが多いのは事実です。
こうした姿勢にネットは敏感です。称賛の声が続出しました。
「全程中文,很有誠意」(全部中国語、誠意があるな)
「甚麼時候中文這麼好了,很用心的姊夫」 (いつの間に中国語がこんなにうまくなったの、心がけのある兄さんだ)
「台灣國民的女婿,感謝你好有誠意對待台灣女兒志玲」 (台湾国民のお婿さん、台湾の娘志玲に対するあなたの誠意に感謝しています)
■自分の言葉で語るAKIRAさん
「超級巨星紅白藝能大賞」の収録前の会見でも、AKIRAさんは「大家久等了 我們來了。好久沒有在海外一起表演,希望你們喜歡(皆さんお待たせしました。やってきました。久しぶりの海外でのパフォーマンスです。皆さんに喜んで頂ければと思います」と述べました(台湾テレビライブから)。
台湾を訪れる日本人アーティストが会見の冒頭などで、一言二言、簡単な中国語の挨拶をすることは少なくありません。それは「大家好、我是○○(皆さんこんにちは、私は○○です )」というレベルの「直前に覚えました」的な、音程の高低など中国語の規則をわからず短いフレーズをあやふやな声調の高低で発音したりするケースがほとんどです。それに対して司会者が「中国語うまいですね」とお決まりのお世辞を言うシーンは良く目にします。
それに比べAKIRAさんの挨拶は「好久沒有在海外一起表演」という長い句も含まれ、流暢に、かつ「自分の言葉」で話しているように感じました。
■「國民姐夫」と呼ばれる存在に
AKIRAさんは今、「國民姐夫(国民的兄さん)」と呼ばれます。それは林志玲さんの「國民姐姐」の配偶者という意味だけではない、台湾の方が見せる親近感の表れと言っていいでしょう。台湾での日本の好感度アップに果たしている彼の役割は、もっともっと日本で知られていいはずです。
希望、末永く続きますように‼️