ホリエモン騒動の四一餃子店主「頑張って恩返しを」

The following two tabs change content below.

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 堀江貴文氏の”餃子騒動”で営業の停止を余儀なくされた四一餃子(広島県尾道市)の川端眞一店主(47)が11月16日までに、取材に応えた。飲食店オーナー向けのサイト「Foodist Media」で関連記事が16日、公開された(取材:松田隆)。その中で川端氏は支援をしてくれた人のために恩返しをしたいと、営業再開へ前向きな姿勢を示している。

■四一餃子・川端眞一店主にzoomで取材

四一餃子の川端眞一氏を扱った記事(Foodist Mediaから)

 ”ホリエモンの餃子騒動”その後について記事を書いてほしいという依頼を「Foodist Media」からいただき、10月下旬から川端氏と連絡を取り合い、11月上旬にzoomでの取材を行うことができた。

 ネットを通じての取材となったが、川端氏はかなり疲れている様子であるが、多くの方からの温かい言葉に感謝している様子は伝わってきた。取材途中に涙をこぼすなど、こちらも胸がいっぱいになるような取材となった。

 ことの発端は9月22日に堀江貴文氏の一行3人が、四一餃子に入店しようとしたことに始まる。一行の中にマスクを着用していない人がいたことから押し問答になり、3人が入店拒否を言い渡された。その後、堀江氏はSNSで店舗を特定できる形で情報発信。店舗には嫌がらせの電話などが殺到、店主夫人は精神的にダメージを受け、営業が続けられなくなったのである。

 事件から6日後の9月28日に営業を停止。ひろゆき(西村博之)氏の勧めもあって、10月からクラウドファンディングのMotion Galleryで「四一餃子 ネット通販で再起をかけます」というプロジェクトを開始。11月16日時点で1400万円を超える支援金が集まっている(参照:ホリエモン餃子騒動 飲食店の実状を学べ)。

■川端氏と家族を救った「命の手紙」とは

 実際に川端氏と話してみると、今回の件がいかに大きなダメージを与えたかを感じさせられる。夫人はまだ体調が優れず、人前に出られる状態ではなく、また、川端氏自身も「もうダメだ」「家族で死ぬしかないのか」と、どん底まで落ち込んだそうである。

 その川端氏を救ったのが、本文でも書いた「命の手紙」である。詳細は「ホリエモン騒動の『四一餃子』に支援1,400万円。店主と家族を救った『命の手紙』」をご覧になっていただきたいが、騒動の後、店舗のシャッターの下に無数の応援の手紙が投げ込まれた。名もなき市井の人々がこの問題で実際に動いて店主とその家族を励ました話は感動的である。

 「あなたたちは間違っていません。応援しています」といった文面を見た時に「嬉しくて本当に助けられた」と感じたそうで、この話をしている時に川端氏の目から涙がこぼれた。

■堀江貴文氏に責任追及すべきとの思い

 取材にあたっては、”餃子騒動”の細かい事実関係に触れるのではなく、騒動の後、クラウドファンディングでの大きな支援を受け、川端氏がどのように前を向いていくのか、未来志向の原稿を心がけた。川端氏自身も大きなショックから徐々に立ち直り、前を向き始めているということもあって、そうした方向性が合って取材に応じてくれたものと思う。

 個人的に思うのは、堀江貴文氏の行為の影響の大きさである。堀江氏個人はマスク着用の是非をめぐってトラブルになった、腹が立ったからSNSにアップしたという程度の認識だと思うが、四一餃子の関係者は営業停止を余儀なくされ、夫人は体調を崩し、家族を混乱の極みにまで追い込まれたのである。

 自身がSNSに書いたらどのようなことが起きるのか、そして店舗が特定できるような書き方をすることが、それを誘発させることに思いが至らないはずがない。堀江貴文氏には何らかの責任をとっていただきたいという思いが、取材を終わっての正直な感想である。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です