言いたい放題・伊藤詩織J 書類送検無視のメディア

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 伊藤詩織ジャーナリスト(31)が自身を誹謗中傷するイラストをSNS上に投稿されたとして、漫画家はすみとしこさんに550万円の損害賠償などを求めた裁判が11月17日、東京地裁で開かれた。この一件を報じる主要メディアはそろって伊藤詩織ジャーナリストが虚偽告訴と名誉毀損の容疑で書類送検されたとする件については沈黙。メディアとしての存在価値が問われる事態となった。

■主要メディアは書類送検を”見ないフリ”

山口敬之氏の尊厳を傷つけたのは誰ですか?(日本テレビ画面より)

 伊藤詩織ジャーナリストが出廷、意見陳述したとあり、主要メディアは一定のスペース、時間を割いて報道した。しかし、TBSの元ワシントン支局長の山口敬之氏から虚偽告訴(刑法172条)と名誉毀損(同230条1項)で刑事告訴(刑事訴訟法230条)され、9月に書類送検されたとする件については、沈黙を守った。

 示し合わせたかのようなこの沈黙ぶりは報道管制でも敷かれているかと疑いたくなるような不気味さ。確認できただけでも日本テレビ、TBS、フジテレビ、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞、日刊スポーツは、書類送検の事実を報じていない。

 山口氏は自身のFacebookで2019年6月に警視庁に告訴したこと、山口氏自身が3度にわたる事情聴取を受けた後、7月に告訴状が受理されたことを明らかにしている。さらに9月28日に警視庁から「書類送検した」という連絡を受けたとし、一方の伊藤詩織ジャーナリストは、この件で警視庁から取調べを受けたことを明かした(参照:伊藤詩織ジャーナリスト書類送検とTBS元局員)。

 山口氏がFacebookで明かした刑事告訴の趣旨をもう一度、ここに記す。

▶︎伊藤詩織氏が虚偽の犯罪被害を捏造して警察や裁判所に訴え出た上に、

▶︎「デートレイプドラッグを盛られた」など、裁判では一切主張していない事を含め、ウソや捏造や根拠のない思い込みを世界中で繰り返し発信して、私(筆者注:山口敬之氏)の名誉を著しく毀損し続けている

■伊藤詩織ジャーナリストの出来の悪いジョーク?

 このような状況で、はすみとしこさんに対する裁判を迎えたわけであるが、訴状では「性暴力被害の訴えがうそであるかのような内容で、名誉を傷つけられたと主張している」(東京新聞電子版「伊藤詩織さん『イラストは私の魂を傷つけた』 はすみとしこ氏を訴えた裁判始まる」)とのこと。

 ところが、山口敬之氏は伊藤詩織ジャーナリストに「性暴力被害の訴えがうそであるのに告訴された」という虚偽告訴罪で処罰するように求めているのである。この告訴が現在、東京地検で起訴されるかどうか、捜査が行われている(筆者は未確認)。

 もし、起訴され有罪が確定すれば、それはまさに「性暴力被害の訴えがうそであった」ということになる。そのように被疑者とされる伊藤詩織ジャーナリストの主張が嘘であると刑事裁判の場で明らかにされ、この日の法廷での主張も虚偽であるとされる可能性があるのに、その事実を全く報じないことなど、報道機関として許されるはずがない。

 被疑者とされる伊藤詩織ジャーナリストはインタビューに対して「誰かの尊厳を傷つけるようなことが起きないようにしてほしい」と語ったというのであるから、これはもう、出来の悪いジョーク。まともな取材者なら「あなたは山口氏の尊厳を傷つけたとして書類送検されていますが、その責任をどう感じていますか?」と聞く。囲み取材をした記者で、そこに気づいた人はいなかったのか。

■日本のメディアも旧共産圏並みの劣化か

 仮に伊藤詩織ジャーナリストが書類送検されているとしても、推定無罪の原則が及ぶため、彼女を犯罪者と決めつけることは許されない。彼女が何を言おうが、それは彼女の責任において発言するのであるから、それはいい。後日、この日の映像がネットでネタに使われるリスクも彼女自身が背負っていくのである。

 問題は、事案の最も大事な部分を見ないふりをして、平然と報道を続けるメディアの姿勢である。東京新聞は望月衣塑子記者の署名記事になっていたが、彼女は真実を追い求める正義の記者ではなかったのか。それがどう見ても、都合の悪い真実に目を瞑って見ないフリをする、正義とは対極の位置にあるご都合主義。

 他の媒体も同様である。結果として伊藤詩織ジャーナリストが不起訴になり、何もなかったことで一件落着というのを狙っているのかもしれないが、そのような姿勢が国民の信頼を失う要因であることにいい加減気づいた方がいい。

 日本のメディアも旧共産圏並みになってきた。そんな感想を持った伊藤詩織ジャーナリストの報道であった。

※伊藤詩織氏の呼称:通常、書類送検された時点で被疑者であり呼称を「容疑者」とすべきと考えますが、東京地検が書類送検の事実を明らかにせず、確認ができないことから「伊藤詩織ジャーナリスト」とし、適宜、「被疑者とされる」を冒頭に付しました。書類送検の事実が確認できた時点で当サイトでは「容疑者」の呼称に切り替えます。

3 thoughts on “言いたい放題・伊藤詩織J 書類送検無視のメディア

  1. アバター トトロ より:

    松田さんのマスコミに対する一刀両断の書き込み凄いです!
    マスコミは、山口氏が名誉毀損で小林氏相手に裁判していることを
    同様に報道せずに、今回大々的に報道することは自滅行為ですが気付かないのですか?
    https://twitter.com/yodakeiji/status/1093636404020576257

  2. アバター 名無しの子 より:

    伊藤詩織さんがはすみとしこさんを訴えた裁判後の記者会見。それ以来はすみさんとそのご家族には、伊藤氏の支持者の一部から、凄まじい嫌がらせのコメントが届いています。
    社会の排泄物、ゴみ人間、土下座しろなどの酷い言葉だけでなく、「自殺しろ」「今から殺しに行く」などの殺害予告や脅迫、大便の写真まで、送られてきたそうです。
    はすみさんは、もう「魂が傷ついた」どころか、生命の危険さえ、危ぶまれる状態です。ここまで追いつめた、伊藤氏とオールドメディアに、激しい憤りを感じます!
    伊藤氏の書類送検を報道しなかったことで「メディアはこの件をなかったことにしようとしているのか」と思っていました。あれだけもてはやして、伊藤に有罪判決が出たら、恥ですからね。それなのになぜ、蓮見氏との民事裁判を取り上げ、伊藤氏にインタビューまでして、なおもまだ「被害者」という立場にしたいのでしょう。「被害者」という特権意識を使って、自分に楯突くものをターゲットにしているように、私には思えてしまいます。
    ところで、慰安婦問題で、元朝日新聞記者の植村隆氏が、桜井ジャーナリストに敗訴した事件も、全く報道されません。一体、何が起こっているのでしょうか。
    不気味でたまりません!
    どうか松田様、お身体にお気をつけて、これからも、メディアの闇どころか、日本の闇(これはもう、メディアだけの問題ではないような気がします)を、真実の目で見極め、白日に晒してくださいませ。
    よろしくお願い申し上げます。

  3. アバター 名無しの子 より:

    すいません。もう一言言わせてください。はすみとしこさんとの裁判の前に、元東大准教授の大澤氏との裁判がありました。こちらも伊藤氏書類送検後でしたが、一部のメディアが報道しました。
    大澤氏は一般人です。百歩譲って、杉田議員は国会議員ですよね。国会議員だから誹謗中傷されてもいいなんて、全く思っていませんが、大澤氏のように一般人で、反論のスベもない人まで、伊藤氏の敵のように報道し、片っ端から排除するやり方、本当に許せません!
    また、「日本で育つと、誰もが性被害を受ける」とイギリスメディアで伊藤氏が発言した事で、一般の日本男性や女性も、深く傷つきました。
    一日も早く、正義が勝つ日が来てほしいものです。もしも、松田様にご協力ができることがございましたら、微力ながら、お手伝いさせていただきます。どうか、お声をおかけくださいませ。
    いつも、本当に、ありがとうございます。

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