「日本最高」「日本が恋しい」@台湾

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葛西 健二🇯🇵 @台北 Taipei🇹🇼

葛西 健二🇯🇵 @台北 Taipei🇹🇼

京都産業大学外国語学部中国語学科、淡江大学(中華民国=台湾)日本語文学学科大学院修士課程卒業。1998年11月に台湾に渡り、様々な角度から台湾をウオッチしている。

 最近、台湾で催される日本関連のイベントには、少しでも日本気分を味わおうと例年以上の人が足を運んでいます。新型コロナウイルス禍の影響は、このようなところにも及んでいます。

■新型コロナウイルスの渡航制限でストレス最高潮?

入場制限が行われているアニメイベント(撮影・葛西健二)

 現在、日本は新型コロナウイルスによる渡航制限のため、台湾からの入国を制限中です。2019年に日本を訪れた台湾の人は約489万人(延べ人数)と、台湾からの出国者数の28.7%を占め最多、また台湾からの日本への旅行者のうち来訪回数が2回以上のリピーターは85.6%と、相当な数の台湾人々が日本を頻繁に訪れていることになります(交通部觀光局觀光統計資料庫、行政院「國情簡介」及び 国土交通省観光庁観光戦略課観光統計調査室「令和元年訪日外国人消費動向調査」)。

 そんな「哈日 (日本好き)」な台湾の人々にとって、渡航制限が敷かれている現況はなかなかにストレスが溜まるようで、「早く日本へ遊びに行きたい」という声が挙がっています(参照:「台湾人の『偽出國景點』気分だけでも日本旅行」)。

 そんな想いを反映してか、百貨店で毎年秋口に開催されている「日本物産展」や日本関連のイベントには、例年以上の人出で賑わっています。大手百貨店で開催される「日本物産展」は、たこ焼きや焼きそば鯛焼きなど日本のグルメが調理販売される他、和菓子やカステラ等のスイーツやお茶、酒類も用意され、多くの人で賑わうイベントです。今年の物産展では、日本の味が恋しい台湾の人々が多く訪れたようで、各百貨店の日本物産展売り上げは例年の2割から4割増しだということです( ETtoday新聞雲 2020年10月12日及び東森経済新聞 2020925)。

 また台北市中心部の百貨店では日本物産展と合わせて日本のアニメ限定イベントが開催され、関連グッズの販売や特別フィギュアとの記念撮影が行われました。台湾でも大人から子供まで幅広いファンを持つ人気のアニメ(「ドラゴンボール」と「おジャ魔女どれみ」)の期間限定イベントということで大きな話題となり、連日深夜の泊まり込み→開店前から長蛇の列という大人気、連日入場制限が行われるほどの大盛況となっています。

 私も10月23日に、泊まり込み→日中の大行列を目撃したのですが、てっきりiPhone購入の列だと思っていました。後にニュースの現場報道を見て、期間限定イベントの為の行列だと知りました。なおこのイベントは12月中旬まで約2か月開かれていますが、今でも連日の大賑わいだということです。

■市長が壇上で「日本気分を味わって」

ステージ場では様々な日本のパフォーマンス(撮影・葛西健二)

 台湾では今、国内にいながら海外気分が味わえる「偽出國景點」が人気を集めています。中でも桃園市にある「不老村」は和風の建物や鳥居等が設置され浴衣体験もできることから、別名「台湾版浅草」「台湾版伏見稲荷」と呼ばれ人気のテーマパークでしたが、コロナ以降特に人気の観光スポットになっています。

 ここでは11月13日から15日の3日間「元気祭」と銘打ったイベントが催されました。イベント開幕セレモニーには桃園市長も参加、舞台上で「桃園で日本気分が味わえる、これこそwithコロナ時代の新しい形態だ」「日本気分を存分に味わって欲しい」と来場者に呼びかけていました。

日本と間違えそうな台湾の屋台(撮影・葛西健二)

 このイベントでは日本・台湾のアーティストによる津軽三味線やダンス等様々なパフォーマンスが行われました。また園内ではたこ焼き、焼きそば等が販売され、ヨーヨー釣りや射的等日本の縁日が再現されました。そして夜には広場で盆踊りが行われ、浴衣や法被姿の来場者が楽しそうに踊っていました。

 私はこのイベントでたこ焼きの調理・販売をしていました。浴衣を着た来場者は久しぶりの日本の味に舌鼓を打ちつつ、「日本最高」「今年はここで充分」と楽しそうに話していました。また会場では「いつになったら日本へ行けるのかな」「日本が恋しい」といった声も聞かれました。期間中の来場者は約8000人、皆さん久しぶりの「日本」を堪能していました。

 台湾の人は日本物産展やイベントに足を運び、「日本気分」を味わっています。日台間の往来が一日も早く復活することを切に願っています。

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