提網袋に茄芷袋 台湾レジ袋有料化事情

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葛西 健二🇯🇵 @台北 Taipei🇹🇼

京都産業大学外国語学部中国語学科、淡江大学(中華民国=台湾)日本語文学学科大学院修士課程卒業。1998年11月に台湾に渡り、様々な角度から台湾をウオッチしている。

 日本ではプラスチックごみの効果的な削減を目指し、7月1日から全国の小売店でプラスチック製のレジ袋の有料化が始まりました。この施策は今後どのような影響を与えるでしょうか。有料化では先を行く台湾の例を紹介します。

■台湾のレジ袋有料化2003年スタート

有料レジ袋として提供される台北市の「環保兩用袋」。ごみ処理料が含まれており、得した気分になる(提供・葛西健二)

 台湾では2000年代初頭から無料レジ袋の減量に取り組んでおり、2003年1月以降、百貨店、量販店、スーパー、コンビニ、ファストフードでのレジ袋の無料配布が禁止され、有料提供となりました。消費者からの大きな反発もなく、ある調査では有料化実施策への賛成率は8割近くあったということです(レジ袋有料化政策の実態と課題-台湾と日本の取組みの検討から-:蔡佩宜)。

 これにより、レジ袋の使用は年間で約20億枚減少減、対象分野での減量成果は58%に達しました(TAIWANTODAY2017年7月21日付け)。また2018年には規制対象をさらに拡大、ドラッグストアや家電量販店、書店、飲料店など約8万店で、レジ袋の有料提供が開始されました。

 なおナイトマーケットの屋台や個人経営の店では袋の提供をしているところもありますが、あまり取り締まられていないようです。私はかつて屋台を出していたこともあり分かりますが、夜市を仕切る側と警察とのグレーな関係があります。そこはどこの国でもありそうな「大人の事情」とでも申しますか、とりあえずは見ないフリ知らないフリということにしておきましょう。

 有料のレジ袋はサイズにもよりますが1~2台湾ドル(約4円~8円)です。しかも、ごみ処理料が課金された市指定の有料ごみ袋を販売している台湾北部の台北市や新北市では、有料レジ袋には指定ごみ袋としても使える「環保兩用袋」が提供されます。有料の袋も使い捨てにはさせない、このあたり台湾のごみ削減意識の高さと同時に、台湾の人の「お得感好き」をくすぐる巧みなアイデアだなと感じさせられます。

■台湾人の知恵「提網袋」コンビニの無料サービスの手提げ網

提網袋。正方形の不織布に切れ込みが入っており、中央に弁当を置いて持ち上げると手提げ状になる(提供・葛西健二)。

 レジ袋の有料提供が実施された後、コンビニでは画期的な袋が「無料」で提供されるようになりました。「提網袋」というもので、不織布製の網状の袋です。

 「提網袋」はプラスチック繊維で形成されていますが、繰り返しの使用にはある程度耐えられるということで、規制対象外となっています。

 「提網袋」は、コンビニで温めた弁当を持ち帰る時に提供されるのですが、お弁当が斜めにならない、袋の中に湿気がこもらない、とても便利なものです。

 日本のコンビニもこのアイデアどうでしょう?

■老若男女マイバッグ持参の習慣「おばあちゃん袋」はどうですか

コンビニで会計時、右手にマイバッグと会計用のIDカード「悠遊カード」。奥の男性は「環保兩用袋」を購入(提供・葛西健二)

 レジ袋有料化から17年、台湾の人は皆マイバッグ(レジ袋・エコバッグ)持参が習慣化しています。私は普段使用しているスクーターの中に一つ、日常使っているデイパックやショルダーバッグなど各カバンに一つずつ収納型マイバッグを入れ、いつでも出せるようにしています。

台湾の定番買い物袋「茄芷袋」(提供・葛西健二)

 また色々な形やデザインのものが販売されています。買い物袋としては、「茄芷袋」別名「おばあちゃん袋」がおすすめです。

 実際年配の方が買い物によく使用しているのですが、その耐久性、軽さ、値段の安さ(40元、日本円で140円)、そのレトロ感もあいまって、今では若者にも人気が出て台湾のスタンダードな買い物袋として定着しています。

 台湾のお土産として日本からの観光客にも人気の一品です。いかがですか?

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