”行った行った”英ダービー またエイダンか

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 伝統のG1英ダービー(芝12ハロン6ヤード)が7月4日、エプソム競馬場で行われ単勝25倍の伏兵サーペンタインが逃げ切った。2着にも単勝51倍のカリファサットが入る波乱の決着。G1英2000ギニーを制した1番人気カメコは4着と敗れた。

■「行った行った」で5馬身半差

写真はイメージ

 スタートから先手を取ったサーペンタインは軽快な逃げを打ち、一時は12馬身ほど後続を離す。直線を向いても脚いろは衰えず、楽々逃げ切った。勝ちタイムは2分34秒43。2番手を進んだカリファサットが粘って5馬身半差の2着。

 英2000ギニーを制した人気のカメコは5番手につけたが、前が止まらない展開で4着に食い込むのがやっと。ランフランコ・デットーリ騎手が騎乗した2番人気のイングリッシュキングは5着に終わった。典型的な「行った行った」の競馬であった。

 勝ち馬は2010年から10年連続、通算11度の英愛リーディング種牡馬のガリレオの産駒。2016年の愛G3ガリニュールSを制したビーコンロック、2018年の愛G3ブルーウインドSを勝ち、G1英オークスで3着だったバイバイベイビーの全弟と血統は筋が通っている。

 昨年9月のデビュー戦は11頭立ての10着と大敗。2歳戦を1戦のみで切り上げ、6月12日の3最初戦は単勝1番人気に推されたが18頭立ての5着と敗れた。6月27日の3戦目(芝10ハロン)を2着に9馬身差をつけて逃げ切り、7日後に第241代のダービー馬に輝いた。

■A・オブライエン調教師が英愛ダービー制覇、英オークスも

 管理するエイダン・オブライエン調教師は6頭出しで臨み、史上最多の8度目のダービー制覇を果たした。これまでロバート・ロブソン調教師ら3人と並ぶ7勝をマークしていたが、単独首位となった。

 この日はG1英オークス(芝12ハロン6ヤード)を単勝1番人気のラヴで制するなど、勢いが止まらない。既に愛ダービーをサンティアゴで優勝し、日本時間7月5日深夜に行われるG1仏ダービー(芝2100m)にもフォートマイヤーズ、オーダーオブオーストラリアの2頭をエントリーしており、欧州の3つのダービーを制する可能性がある。

 海外競馬ファンにすれば「またエイダンか」と言いたくなりそうな活躍である。

■騎手はシンデレラボーイ、今季初勝利が英ダービー

 このレースで初めてコンビを組んだエメット・マクナマラ騎手は英ダービー初騎乗で優勝。2008年に27勝をマークして見習い騎手チャンピオンとなったものの、その後はパッとしない成績が続いた。6月27日のG1愛ダービーはタイガーモスに騎乗し、サンティアゴのクビ差2着と敗れている。

 昨年10月19日に勝ち星をマークして以来、勝利に見放されていたが、英ダービーが今年初勝利となった。なお、仏ダービーはフォートマイヤーズで挑戦する。

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