中国人に告ぐ「因果応報」偽マスクで台湾炎上

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葛西 健二🇯🇵 @台北 Taipei🇹🇼

葛西 健二🇯🇵 @台北 Taipei🇹🇼

京都産業大学外国語学部中国語学科、淡江大学(中華民国=台湾)日本語文学学科大学院修士課程卒業。1998年11月に台湾に渡り、様々な角度から台湾をウオッチしている。

 日本で「Made in Taiwan」と記されたマスクが売り出されていることに、多くの台湾人が憤慨しています。現在、台湾からマスクの輸出は禁じられており、その多くが中国製と目され、台湾ネットは燃え上がっています。

■輸出禁止の台湾製マスクが日本で売られる不思議

facebook上に投稿された「Made in Taiwan」と記されたマスク

 台湾ネット炎上の発端は、4月22日に日本在住の台湾人がfacebook上に日中二か国語で投稿した記事です。

「日本でMade in Taiwan と記されたマスクが50枚入りで3000円から5000円で売られている。日本の多くの友人がこれを確認している。これらのマスクは質が悪く、そして医療グレードのマスクではない。確認できたもののいくつかには中国深圳製造と記入されていた。そもそも台湾のマスクは現在日本へ輸出できない。くれぐれも買わないようにしてほしい。」

 

 台湾は現在マスクの輸出を禁止しており、台湾製マスクは寄付以外の輸出はできません(台湾から日本へのマスク200万枚提供は無償)。それにもかかわらず日本でMade in Taiwanと記されたマスクが販売されているという投稿に、多くの人が反応しました。5月1日時点でコメントは1000件、シェアは6000件以上です。

 その上で、この投稿者は以下のように厳しい言葉を投げつけたのです。

中國人,賺錢要有方   這種災難財不要賺得這麼下賤    因果終需有報的 (中国人は金稼ぎに長けているが、災難に乗じて金を稼ぐのはやめろ 因果(悪行)には必ず報いがある)」

■鉄人部長が明言「台湾マスクは国外へ販売しない」

台湾の現在。普段は屋台が出て賑わう台北市公館地区、今は人が大幅に減り営業している屋台も少ない(資料写真:撮影・葛西健二)

 一連の投稿に対して、それが真実なのか、そうでないのか注意する必要があるという冷静な意見もありますが、それでも台湾から輸出されるはずがないのに、台湾製とするマスクが日本で売られていることに、多くの台湾人は衝撃を受けています。

台灣醫療口罩根本不能出口 希望日本新聞能報導(台湾の医療用マスクは輸出できない。日本のマスコミはこれを報道してくれ)

轉給駐日代表和外交部 ( 駐日代表<大使館に相当>と外交部へ転送だ)」

 以上のような投稿が相次ぐ騒ぎとなりました。

 投稿の翌日、4月23日の中央感染症指揮センターの定例会見で陳時中部長(参考:コロナを圧倒 台湾の”鉄人部長”支持率91%)は「台灣的外科口罩和醫用口罩對國外是只送不賣 (台湾の外科用及び医療用マスクは国外への寄付はあるが販売はしない)」と明言。もし、投稿が真実であれば、台湾製とされるマスクはフェイクということが公式に確認されました。

■「会員」が「会员」犯人は誰だ?

全国マスク工業会のマーク(右)と、偽造されたマーク

 実は、この話は5月1日にアップした「在日台湾人を苦しめる日本の”緩さ”」へと繋がります。4月24日に台湾のインターネット掲示板に投稿された「親身告訴你日本多危險  (日本がどれだけ危ないか身を以て言おう)」の中で、SNSサイトに掲載された写真を転載しながら「今週に入って、多くのタピオカミルクティー店が一晩にしてマスク販売店に変わった」とマスク販売についての状況を報告したのです。

 販売されているマスクは中国政府指定のメーカーが生産した中国製であり、50枚4000円以上という高値で販売されているとしました。その入手経路はタピオカミルクティー店で働いている中国人スタッフ絡みで中国のメーカーからまとめて一括購入しているのでは、と推測しています。

 そこで話は終わりません。同じく日本在住の台湾人が、新宿区大久保で大量のマスクが売られているのを確認し、写真とともに投稿しました。箱を見ると「全国マスク工業会 会員」のマーク。このマークは日本の同会が品質基準、製造管理基準、医薬品医療機器法、景品表示法、その他自主基準に合致することを証明するもの。ところが、このマークが真っ赤な偽物で、そのことで日本製を装った、台湾製と記されたものとは別の種類のフェイク商品であることが分かります。

 写真で2つ並べましたが、お分かりいただけますでしょうか。「会員」の「員」の文字が、一方が「员」となっています。「员」は「員」の簡体字です。台湾や香港では簡体字は用いられず、繁体字という本来の漢字の表記が用いられています。つまり「員」は日本・台湾・香港で使用される文字です。

 簡体字「员」を使うのは…。言うまでもありません。中華人民共和国です。

■偽物を作る技術もお粗末で…

 何とお粗末な結末でしょう。個人的な見解を申せば、日本人なら偽物を作るにしても、一見してバレないレベルのものを作るでしょう。フェイクでさえも低レベルというのは怒りを通り越して笑ってしまいそうです。

 台湾製とされた商品も中国製なのかどうかまでは、私は分かりませんが、ともかく、こうしたフェイクのマスクには手を出さない方がいいでしょう。台北から日本の皆様に注意を促したいと思います。

    "中国人に告ぐ「因果応報」偽マスクで台湾炎上"に2件のコメントがあります

    1. 名無しの子 より:

      一年前くらいのことでしょうか。フェイスブック上で「動く犬のぬいぐるみ」の動画のCMが流され、販売されていました。
      リボンをかけた箱の中から、可愛い犬のぬいぐるみが出てきて、本物そっくりに甘えたり、散歩したりする動画なのです。あまりの可愛さに、私は購入しようと手続きを始めました。
      でも、メールを送ると、意味のわからない変な日本語で返ってくるのです。これはおかしいと思い、冷静になって考えてみると、ぬいぐるみがこんなにリアルに動くわけがないと気づきました(もっと早く気づくべきですが)。
      その後、それまで「可愛い!欲しい!」と盛り上がっていたFB上に、怒りの投稿があふれ出しました。
      「可愛いと思って買ったら、ただのぬいぐるみだった」
      「ただのぬいぐるみどころか、見た目も、すごく安っぽかった!」と。
      やはり、中国製だったようです。今回の葛西さんの記事を読んで、思い出しました。
      人の心を弄んで、許せない‼️
      マスクの件は、マスク不足に苦しむ日本人に対して、台湾製を装ってまで、金儲け。
      そして、ぬいぐるみの件は。本物の犬を箱詰めにし、動画を撮る、動物虐待。
      日本人には、全く、理解できませんね。

      1. 葛西健二 より:

        名無しの子様

        中国の人はとかく目先の利益に走りやすいイメージがあります。
        またイミテーションを作るにしても詰めが甘いことが多く、
        結局完成度が低いモノが大半を占めます。残念です。

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