「超級變變變」開会式1番人気はピクトグラム
葛西 健二🇯🇵 @台北 Taipei🇹🇼
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東京五輪の開会式、日本ではどのような評価なのか分かりませんが、台湾の人々の心に響いた演出もありました。その中のいくつかを紹介しましょう。
■MISIAさんの国歌独唱に感動
台湾では大会期間中テレビ・インターネット含め合計13チャンネルで東京オリンピックが放映されます。23日台湾時間夜7時から始まった開幕式は多くの人が中継を見ていたようです。
★MISIAさんの国歌独唱
MISIAさん台湾でも「靈魂歌姬 (魂の歌姫)」として世代を超え称賛される存在です。そんな彼女の国歌・君が代独唱に、台湾の人々からは以下のような声が出ていました。
她歌聲真的很適合唱國歌 (彼女の歌声は国歌独唱にふさわしい)
聽了很感動 (歌声に感動した)
人正聲音也正 (人も素敵、ボイスも素敵)
このように数多くの賛辞が贈られました(コメントはFacebook、Twitterから)。1991年のスーパーボウルで故ホイットニー・ヒューストン氏が米国の国歌(The Star-Spangled Banner)を独唱し、今でもその歌声は多くの米国民の脳裏に刻まれていると思いますが、優れた歌声は国境を越えて賞賛されるものなのでしょう。
また彼女のドレスも話題となっています。多様性を尊重する社会である台湾は同性結婚が合法的に認められ、LGBTの社会的認知度が進んだ地域の一つです。MISIAさんがLGBTQのシンボルカラーであるレインボーのドレスを着用したことは「顯出對於LGBT的尊重與愛 (LGBTに対する尊重と愛を表している)」と伝えられています(聯合新聞網 udnstyle 2021年7月23日)。これは彼女が2017年の台湾LGBTプライドパレードに参加している事情も考えてのことと思われます。
彼女がどのような意図で衣装を選んだのかは知りませんが、そのように受け取る人は台湾には存在しています。全米に中継したNBCは、自社のロゴの色彩と似ていることについて「そうなる運命だった(It was meant to be.)」(@NBC Sports)とツイートしていますし、国によって解釈は様々なのでしょう。
■王貞治 長嶋茂雄 松井秀喜 三氏の聖火リレー
「世界全壘打王 (世界のホームラン王)」として台湾の伝説的英雄である王貞治氏、台湾で年配の日本プロ野球ファンなら誰もが知る長嶋茂雄氏、台湾のメジャーリーグファンの間でも往年のスターとして知名度の高い松井秀喜氏、三氏揃っての登場を台湾メディアは「棒球3雄傳聖火 全場動容 (野球三英雄聖火を繋ぐ 会場は感動に包まれた)」(自由時報2021年7月24日付紙面)、「棒球3傳奇接火 最感動的時刻 (野球伝説の三者火をバトン 最も感動的な瞬間)」(中国時報2021年7月24日付紙面)と大きく扱っています。台湾ネットユーザーからも以下のような声が出ました。
非常慶幸,有生之年能再次見到傳奇人物-王貞治 (なんと光栄なことだ、生きている間に伝説の人物である王貞治氏を再び目にすることができるとは)
身為棒球迷 這是超感動的畫面 (野球ファンとして これは本当に感動的な場面だ)
太感動了…身為巨人軍的球迷 (大いに感動した…巨人軍ファンとして)
我是西武獅迷,不是巨人迷都快哭了 (西武ライオンズファンだけれど、巨人ファンじゃなくても泣きそうだ)
長嶋茂雄很明顯用非常大的力氣在維持站姿了,為了展現運動員的樣子堅持不拿拐杖 (長嶋茂雄氏は杖を用いずとても強い意志と力で立っている。アスリートとしての様を示す為に)
可以看出日本對長嶋茂雄是多尊敬,這段真的是很感人 (日本で長嶋茂雄氏が如何に尊敬されているかがわかる、このシーンは感動的だ)
さらに中華民国籍である王貞治氏が聖火ランナーを務めたことに言及する人もいました。
日本讓王貞治在奧運出場,十足榮耀 (日本による王貞治氏のオリンピック登場、非常に栄誉なことだ)
そして「チャイニーズタイペイ」代表団の入場順序を「台湾」の「タ」に配した日本の粋な計らいを含め(参照:台湾に響いた和久田麻由子アナの”4文字”)、
日本安排得非常好 (日本の(台湾に対する)手はずの整えが素晴らしい)
日本這次對台灣的安排很用心也很特別 (日本は今回台湾に対して特別に配慮している)
という声が目につきました。
考えてみれば、あの日、競技場に登場した聖火ランナーでただ1人の外国人が中華民国籍の王貞治氏です。もし、次の2024年パリ五輪で、競技場内の聖火ランナーとしてフランスで活躍した日本人のアスリートが、ただ1人の外国人として登場したら、日本人として誇らしく思えるのではないでしょうか。
■ピクトグラムのパフォーマンスは「仮装大賞」
青と白のウエアに身を包んだパフォーマーが全50競技をピクトグラムで表現する演出は台湾で大好評だったようです。台湾メディアはこの演出を「『超級變變變』 日本元素來了 (『仮装大賞』 日本らしさが登場)」(聯合報2021年7月24日)、「日本才做得到!東奧『超級變變變』演出 (日本だけができる!東京五輪『仮装大賞』)」(東森新聞雲 2021年7月24日)」と報じました。
「超級變變變」は日本テレビ系の番組「仮装大賞」のことです。台湾で「仮装大賞」は「超級變變變」のタイトルで再放送も含め長年放送され続けており、すっかりお茶の間に定着しています。私の妻もピクトグラムの演出が始まるや否や「超級變變變!」と叫んでいました。ネットでは以下のような声が出ていました。
天啊!怎麼那麼日本,好有特色,好愛!好棒~可愛到不行耶,超感動! (ワオ!これぞ日本、特色があって可愛い!可愛すぎる、超感動!)
第50個達成時的閃標音效就是超級變變變滿分的音效!這真的是致敬! (50個目達成の効果音が仮装大賞の満点獲得の音だ!これは恐れ入った!)
這段真的非常精彩、好佩服日本人 (この演出は非常に見応えがある、日本人を尊敬するよ)
這段應該是今晚的最高潮 (今夜のクライマックスだ)
上記の様な大絶賛の声が並びました(コメントはFacebook、台湾Yahooニュースから)。オリンピック開幕中継を行ったELTA SportsのYouTubeチャンネルには開幕式終了後、すぐにこのピクトグラムパフォーマンス映像が投稿されました(ELTA Sports YouTubeチャンネル)。投稿後12時間で閲覧回数500万回を超え、1200件以上の絶賛コメントが寄せられています。
また、台湾最大のBBSサイト「批踢踢實業坊」に建てられた「這屆奧運開幕式最好看的是?? (今回のオリンピック開幕式で一番見応えがあったのは?)」のスレッドでは「絕對是超級變變變吧 (何といっても仮装大賞)」「超級變變變很可愛很日本 (仮装大賞可愛かったし日本らしさがあった)」「超級變變變救了開幕 (仮装大賞が開幕式を救った)」等、大半が「仮装大賞」を最も見応えがあったシーンに挙げています(批踢踢實業坊「這屆奧運開幕式最好看的是??」)。
■あれこれ言うのも五輪の楽しみ方
開会式のパフォーマンスについては、日本ではビートたけし氏が酷評しているようです(オリコンニュース:【五輪開会式】ビートたけしが痛烈批判「金返してほしい」)。
色々な評価、自由な評論はあっていいかと思います。あれこれ外野(外国)が言い合うのも、オリンピックの楽しみの1つと言えるのではないでしょうか。
ヒストグラム、私も楽しかったです。日本人は、細かいささやかな点で、楽しみを見つけるところがあると思います。だからあの演出は、日本ならではですよね。
MISIAさんの歌声も、素晴らしかったですね。私は、普段から、彼女の大ファンです。
台湾という呼び名に関しては、当然だと思いますよ。チャイニーズタイペイというより、台湾、もしくは中華民国。私達日本人の、親友国ですよね。
いろいろな批判はあるかもしれませんが、コロナ禍の中、また、その他さまざまな混乱の中、五輪が開催できただけでも、私は感動します。海外の選手の方々の嬉しそうな顔を拝見できただけでも、幸せですよ。
葛西様、また、台湾の方々の、生の声を、お聞かせくださいませ。
名無しの子様
途中シャツのロゴにアップするのが
「芸が細かい」と感心しました。
台湾は柔道銀メダルもあり盛り上がっています。
日本のメディアを見てるより、台湾のめを見てる方が気分が晴れる。感動を素直に出してくれてるのが好感的ですね。
ぜっくん。様
台湾の人はどんなときも楽しめる余裕も持つよう
心がけているように感じます。
感情表現もストレートです。
街中で怒鳴り合っているカップルの姿を
よく目にします。
》》葛西様
東京五輪の開会式でチャイニーズタイペイ、中華民国ではなく「台湾」と国名をアナウンスされましたね。正直、びっくりしましたが直ぐに心地よく笑顔になりました。そして王さんが長嶋さんや松井さんと聖火リレーで、テレビに映し出された時にも粋な演出だと妙に納得しました。
五輪の聖火台に火が灯った後もなお、五輪開催に批判する一部の日本メディアや、反対デモを行う『自称市民団体』には強い憤りを感じます。これらの輩たちはきっと五輪閉会後には、コロナ感染者数などを掲げて政府やIOCの批判に血道をあげることでしょう。一体、どこの国のメディア、市民なのか?
日本人のひとりとして本当に恥ずかしいです。
MR.CB様
少なくとも台湾では、コロナ禍の生活規制で息苦しい生活の中、
オリンピックを心待ちにしていた人々がいて、
そして今は自国選手の活躍に心を躍らせている人々がいる、
開催国の人々は(日本国内の反対や批判の声は少数であることを願います)
その事を忘れず、開催できたことを誇りに思ってほしいです。