落日のフジTV 希望退職で見えた現在地
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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フジテレビの定例会見が26日に行われ、勤続10年以上で50歳以上の社員で希望退職者を募ることについて説明された。高齢の社員が多い状況の改善を目的としているが、メディアの雄であるテレビの凋落を如実に示すものといえよう。
■社員のセカンドキャリアの手伝い
同局が希望退職者を募るのは2017年以来。高齢者が多く、若年層が少ない逆ピラミッド型の人員構成となっており、50歳以上の社員のセカンドキャリアの手伝いをするという趣旨であるという。前日の25日に募集を行うことが親会社のフジ・メディア・ホールディングスから発表され、この日の会見で金光修社長が説明した(以上、日刊スポーツ電子版11月26日付け・早期退職募集のフジ「高齢者が多くて、若年層が少ない」社長が目的説明)。
既に朝日新聞が2021年1月に45歳以上を対象とし、100人以上を目標に希望退職者の募集を開始している。毎日新聞と産経新聞も2019年に希望退職者の募集を行っていることは多くのメディアで報じられた。スポーツ新聞でも東京スポーツが全社員350人のうち100人をリストラしたことは当サイトでも伝えた(参照・東スポ100人リストラ 去りゆく社員に贈る言葉)。何より、僕自身、2014年10月に29年余勤務した日刊スポーツ新聞社を早期退職している。速報性でテレビに劣る新聞業界はテレビより早く構造改革の必要性に迫られている。それは淘汰の波が押し寄せてきたと言ってもいい。
今回のフジテレビの早期退職募集は、フジテレビの独自の事情はあるにせよ、マクロの目で見れば淘汰の波が、かつての民放の雄にも押し寄せたと言っていい。
■ネットの普及で揺らいだメディアの王の地位
メディアが総じて苦しい状況になっているのは、ネットの普及によるところが大きい。電通の調査によると、媒体の広告費の推移を見ると、インターネットが年々増加し、2019年にはテレビを抜いて首位に立った(メディアレーダー・日本の広告費の推移グラフ(2020年まで)電通の調査)。
そもそもテレビの広告は地上波が中心で、大手は日本テレビなど、東京の5つのキー局。その放送中にCMを入れるわけだが、1時間に5分のCM枠があったとして、1日20時間放送して1つの局で100分、5つの局では1日に500分と総枠が決められている。その中で広告料を増やすためには単価を上げるしかなく、視聴率のいい番組をつくって良いスポンサーを集めれば、その裏番組は視聴率が下がり、その番組の広告単価が下がる。結局ゼロサムゲームのパイの奪い合いの構図でしかない。
その点、ネットは新しい媒体が次々と生まれ、広告の総枠が増えていく。当サイトのような弱小ニュース&オピニオンサイトでもGoogleアドセンスなどを利用して広告料を手にできる。しかもネットではターゲティング広告が簡単に出せるため、クライアントもテレビよりは確実に届けたい層に情報が届くであろうという期待が持てる。テレビ局が「たかがネット」と軽視している間に、ネットは楽々とテレビを抜いていった。
■SNSから始まったジャスミン革命
この種の分析は様々なところで行われているが、テレビの凋落の最大の要因は、ネットの出現で音声付き動画の情報発信手段の寡占状況が崩れたことにあると思う。特にSNSの発展で誰でも、何処からでも世界に向けて情報が発信できるようになり、それまでテレビが持っていた情報発信手段が、従来ほどの価値を持たなくなったことは大きい。
それを如実に示したのが、2010年から2011年にかけてチュニジアで発生したジャスミン革命。反政府運動が徐々に盛り上がる中、露天商が地方の役人の商売を規制され、その抗議のために焼身自殺をした。それを従兄弟がビデオで撮影してSNS(Facebookと言われている)にアップしたことで反政府運動が一層厳しくなり、ベン=アリー政権が倒れるまでになったというものである。
問題の動画がSNS上で話題になっただけでなく、アルジャジーラがそれを放送したことが火に油を注ぐ結果になったとも言われているようであるが、いずれにせよ、SNSが発展していなかったら、ジャスミン革命も異なる経過をたどったと思われる。
20世紀では「テレビに出してやる」というセリフは相当に魅力的なものであった。しかし、今の時代、別にテレビに出なくてもYouTubeで表現活動ができる。逆にテレビの方がYouTubeから面白い動画を紹介することが多くなっている。
こうしたテレビの有り難みが減った結果、若者のテレビ離れが起きる。僕が教えている学校である一人暮らしの女子学生と話したら「うちはテレビはありません。必要ありませんから」と答えた。また、ある男子学生は「テレビはほとんど見ません。サッカーが好きなので、DAZNでイングランド・プレミアリーグをよく見ています」とのこと。「最近、見たテレビは?」と聞くと、少し考えた後で「地震があった時に、地震の情報を見ようと思ったらネットが重くなっていたので、テレビの速報を見ました」と言う。(テレビ局の幹部はこうした若者の声に耳を傾けているのだろうか)と他人事ながら心配になった。
■新聞やラジオは近い将来消滅か
新聞やラジオは将来、消滅するかもしれない。新聞の衰退ぶりを見ると、現在の形で10年先、20年先も存続するのは困難と思う。
テレビはさすがになくなることはないものの、SNSなど情報発信手段の1つという位置付けになるのではないか。社会のテレビに対するイメージとしては(電波で情報発信する仕事だね)といったものになるかもしれない。当然に社員が享受していた厚遇は、社会における特権的地位とともに低下していく。
テレビがメディアの王様であった時代は過ぎ去ったことを実感させる、フジテレビの早期退職制度の報道であった。
私はテレビが好きでした(過去形)。でも今は微妙です。
私が思う、テレビ新聞の衰退の一番の原因は「ねつ造、偏向報道」だと思います。最近は特に酷く、テレビ新聞の逆が、真実とさえ思えてきます。だから、テレビ新聞など潰れてしまえと言う人さえいますね。
でも、私はそうは思いません。ネットの苦手な高齢者、特に一人暮らしの方にとっては、大切な娯楽だと思うからです。
だから、テレビや新聞は「スポーツ、ドラマ、芸能、アニメなど」だけを取り扱えばいいと思います。つまり、報道は一切やめてほしいと。嘘を撒き散らすくらいならば。
ただ、私の知人に、真実の報道に使命感を持ち、夢いっぱいにテレビ局に入社した方がいます。だから、テレビや新聞などは、視聴者を欺いているだけではなく、そのようなまともな社員の夢も、こなごなにしているという自覚を持ってほしいです。
高市早苗さんが総裁選に出馬した時「放送法第4条を用いて、メディアのねつ造や偏向報道を規制する」とおっしゃっいましたね。あの一言で、メディアは一斉に、高市無視を決め込みました。
しかしメディアにとっては、本当はその方がいいのでは。もう少し緊張感と使命感を持ち、真実の報道を心がけることこそが、この状況を乗り切る唯一の方法だと、私は思います。
伊藤詩織事件にしても、メディアの偏向ぶりには目に余るものがありました。そんな時、この令和電子瓦版の記事を読んで「やっぱりメディアよりも、ネットの方が真実だ」と、つくづく思ったものです。
私が子どもの頃なら、テレビに出るといったらすごく特別な事という位置付けでしたが、今ではわざわざそんな事しなくても、自分でネットに動画投稿出来て、宣伝も書けますからね。
それに、伊是名夏子さんの件などもそうですが、新聞などの媒体では、伊是名さんの言い分と被害者意識ばかりを取り上げていたではないですか。
ネットではこれほど多くの方が、
「伊是名さんの言い分は分かるが、現実的には不可能なサービス内容」
「駅員の負担があまりにも大きく、合理的配慮の範囲を超えている」
との声を上げていたのに、伊是名さんの何が良くなかったのか、まともに批判しているところは、このサイトくらいでしょう。
これでは、報道に見切りを付けて、もう見ない選択をする人が増えるのも無理はない事でしょうね。
>新聞やラジオは近い将来消滅か
“ラジオ”は生き残るでしょう。
今、ラジオ地方局の『地元では有名なDJ(プレゼンター)』の番組を聞けば良く判るのですが、リスナーからの“投稿”はほぼほぼSNSを通じてです。
※“タイムリー性”があるラジオは、SNSとの相性が良い。
ただ、放送で紹介される投稿者はいつも同じ様な名前ばかり、となり“馴れ合い”なってしまう危険性も高いので、その辺はDJ(=プレゼンター)の“意識”の問題でしょうね。