レインボーブリッジの運転怖くない? 米で橋崩落

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

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青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。
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 米ボルティモアで26日未明、コンテナ船の衝突で橋が崩落し、6人が行方不明となっている。崩落した橋から自動車が川に落ちたものと思われる。この悲惨な事故であらためて思うのは、筆者がレインボーブリッジを通行する際に感じる恐怖心である。同じような思いをしたことのあるドライバーも多いのではないか。

◾️最初に虹の橋を通った時の違和感

米国家運輸安全委員会(National Transportation Safety Board)公開動画の画面から

 メリーランド州ボルティモアで発生した事故は、フランシス・スコット・キー橋(Francis Scott Key Bridge)の橋脚にシンガポール船籍の大型コンテナ船が衝突して、橋の大部分が崩落した(NHK・米 貨物船が橋に衝突し橋崩落 6人不明 船の電気系統に問題か)。ネットやテレビで流される映像、画像を見て、多くの人が崩れ落ちた橋の姿に衝撃を受け、海中に投げ出された人々の一刻も早い救出を願ったと思われる。

 筆者ももちろん同じ思いであり、他の人と少し異なる点があるとすれば、同時に恐怖を感じた点である。自らが自動車を運転して同橋を通行していたと考えると背筋が寒くなる思いがした。

 筆者も普通に高い場所に立つと多少の恐怖心は覚えることはあるが、高所恐怖症というわけではない。逆に高い所が好きで、小学生の頃は近くの団地の屋上に上がり、遠くの景色を見ることもあった。どちらかと言えば、細いトンネルなどの閉所の方に恐怖心を覚え、それは今も変わらない。

 ところが、30歳の頃、レインボーブリッジを自動車で運転している時にいつになく恐怖心を感じた。最初は(ちょっと嫌だな)という感覚程度だったが、意識し出すと(出来れば通りたくない)(早く向こう岸に着きたい)と思う気持ちが強くなってきた。(この感覚は何だろう)というのは常々不思議に思っていたのだが、ボルティモアの事故をきっかけにその思いが脳裏をよぎり、(絶対レインボーブリッジは通りたくない)という感覚に囚われている。

◾️海面から50m以上の高さ

 ここでレインボーブリッジについて説明しておこう。同橋は高速11号台場線にかかる橋長798mの吊り橋で、1993年8月から供用されている(首都高ドライバーズサイト・レインボーブリッジ)。港区芝浦地区と台場地区を結ぶ二階建て構造で、自動車専用道路の下部には新交通システムのゆりかもめ、その両側に一般道路と歩道が通っている。

 筆者が通ったことがあるのは、二階部分の自動車専用道路(高速11号台場線)である。この記事を書くまで、一階部分に一般道路があることは知らなかった。

 レインボーブリッジは都内から千葉県浦安市の東京ディズニーランドに行く際に通行することが多い。通常は箱崎ジャンクションを通って高速9号深川線から湾岸線に出るが、都心環状線で激しい渋滞が発生している場合には迂回路として高速11号台場線(を経由して湾岸線)を通行する車は少なくない。筆者もその類である。

 レインボーブリッジを怖いと感じる原因の1つが、海面から橋まで50m以上ある高さ(港区Minato City Living Guide・レインボーブリッジ)。運転をしていると(ここから落ちたら、絶対に助からないな)という感覚は当然に生じる。

 その上で問題なのは、ガードレールが低く感じる点である。これは車内から外の様子がよく見えるように工夫されているのかもしれないが、運転しているとスリップしてガードレールを突き破って海中に落ちてしまうのではないかと感じられる。もちろん、実際には十分安全性が担保された設計になっているはずで、あくまでもドライバーとしての感覚である。

 また、吊り橋の特性として橋が上に引っ張られており、運転していると頂点から先が見通せない上り坂を時速60km(制限速度、もっと速く走行している車はある)で突っ込んでいく形になり、(坂の先は橋がなくて海に真っ逆さまに落ちていくのではないか)というあり得ない妄想が脳裏をよぎる。

 そうしたことが恐怖心を感じる要因である。同乗者からは(何で通りたくないの?)と苦笑されることが多く、多くの方も(松田、おかしいよ)と思われるかもしれないが、それが偽らざる思い。レインボーブリッジより大型で長い瀬戸大橋を通る時にはどんな思いがするのかというのは、我がことながら、少し気になる部分ではある。

◾️ネット検索すると同じ悩みの人が

 こうしたものは筆者特有のものかと思ってネットを検索してみると、意外と同じようなことを感じている人が多いことに気付いた。

 「40代後半になって、急に海峡にかかる大きな橋を運転するとき強く緊張するようになりました。強く緊張するというよりはもっと強めです。」(君は今日からティーティー・ウーだ・心臓バクバク架橋運転恐怖症(仮)になりました。)。

 「5年ぐらい前に、車を運転していて突然橋を渡るのがつらくなりました。…延岡で高速を降りて、高千穂までは深い谷の上を橋が渡っていて、たくさんの橋を渡らなければいけません。その道のりのある日、延岡から高千穂に向かう途中で、突然恐怖に襲われ、手が震えて、冷や汗が出て、心臓がどきどきして、車を運転できなくなりました。」(もっともらしくない・わたしのパニック障害 軽度 橋恐怖症 改善の兆し

 Yahoo!知恵袋でも同様の悩みを訴えている人がいる。筆者だけが特別というわけではなく、程度の差こそあれ、同じように感じる人がいることに、少し安心させられた。

◾️改めて思う他者への思いやり

レインボーブリッジ(首都高ドライバーズサイトから)

 筆者の場合は運転ができないというほどではなく、(怖いな)(気持ち悪いな)程度で生活に支障が出ないのは幸いである。

 とはいえ、世の中には他の人には(何で?)と思うようなことを、ひどく苦痛に感じる人がいるということはあらためて考えていくべきというのは感じている。

 訪れる人が少ないとはいえ、サイトで情報発信を続ける者として、他者への思いは大事にしなければならいというのを、今回のボルティモアの事故から感じられた。

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