共産・田村ゆう子市議が不正アクセス助長 調布市

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

最新記事 by 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 (全て見る)
- 共産党市議団 組織ぐるみで不正アクセス(前) - 2025年3月17日
- 共産・田村ゆう子市議が不正アクセス助長 調布市 - 2025年3月16日
- 揺れる新宿のビル見た中国の少年 3・11余話 - 2025年3月11日
東京都調布市議会の田村ゆう子市議(39)が、市議会議員用のクラウドに閲覧権限のない者がログインできるようにIDとパスワードを伝えていたことが明らかになった。15日、讀賣新聞オンラインが伝えた。不正アクセス禁止法の規定等に抵触するおそれがあり、市議会側が今後、どのように対処するか注目される。
◾️元市議にIDとパスワード伝える
問題が発覚したのは12日の市議会開催中のこと。田村市議のアカウントから他の議員や市職員にクラウド上の文書を見ることを求める通知が発信された。議会事務局が確認すると、同市議は自身が操作をしたのではなく、元市議の男性(73)にIDとパスワードを伝えており、男性が本会議中に自宅からログインし、操作したことが判明した。
同市議は「議案への態度を決める時などに助言をもらうために教えた。」などと弁明。男性は23年まで市議を務め、引退後も会派控室に出入りし、控室のPCからもログインをしていたという。井上耕志議長は「非常に遺憾。議会として法令に抵触するかどうか専門家に判断を仰ぎ、対応していきたい」と取材に答えている(以上、讀賣新聞オンライン・調布市の元市議が行政資料閲覧用クラウドに不正ログイン、共産党市議がIDとパスワード伝える)。
報道を受けて同市議は15日午後にX上に報告をアップした。報道された内容を認め、ログイン情報は第三者に共有してはならないものであり、軽率な行為であったことを深く反省する内容であった(田村ゆう子 調布市議会議員2025年3月15日 午後1時40分 投稿)。
田村市議は選挙資料などによると1985年、神戸市生まれ。小学3年の時に阪神淡路大震災で被災し、避難所生活を経験した。夙川学院短期大学(現神戸教育短期大学)を卒業後、児童館スタッフ、幼稚園教諭を経て2014 年から調布市内の児童福祉施設に勤務。2022年4月に共産党に入党、同年7月の参院選で山添拓参院議員の応援を行った(東京民報2023年3月12日号・2023統一地方選共産党予定候補*挑戦への思い 希望ある未来をあげたい 子どもに関わる仕事ひとすじ 調布市議選(定数28) 田村ゆう子さん(37))。
2023年4月の調布市議会議員選挙で立候補し、3204票を獲得して3位で当選した(定数28)(調布市・令和5年4月23日執行 調布市議会議員選挙 開票結果)。
◾️不正アクセス防止法違反か
井上議長は専門家の判断を仰いで対応するとしているが、田村市議の行為は不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法、以下、法とする)違反となる可能性があると考えられる。
まず、元市議の男性がクラウドにアクセスした行為は、法2条4項1号の定める不正アクセスに該当すると思われる。同号但書きに「当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者又は当該識別符号に係る利用権者の承諾を得てするものを除く。」とあり、同市議が承諾していたから不正アクセスではないと解釈する余地もある。
しかし、そもそもIDは個人の所有ではなく、システムの管理者(法で「アクセス管理者」とされる者=調布市議会事務局)が発行したもの。報道によると「事務局はIDなどを第三者に提供しないよう議員らに呼びかけている。」というのであり、同市議には自己のIDを他人に提供することの法的根拠がなく、法2条4項1号の承諾の権利はないと考えられる。そのため、元市議の男性の行為は不正アクセスとなる可能性はある。
そのような不正アクセスは法3条により禁止されており、それに違反すると3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処せられる(法11条)。
そして、田村市議がIDとパスワードを伝えた行為は不正アクセス禁止を助長する行為に該当すると思われる。
【不正アクセス禁止法】
5条 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、アクセス制御機能に係る他人の識別符号を、当該アクセス制御機能に係るアクセス管理者及び当該識別符号に係る利用権者以外の者に提供してはならない。
同市議は自身のIDとパスワードを伝えたために「他人の識別符号を…提供」にはあたらないように思えるが、前述のようにIDは個人の所有ではなく、市議会事務局が管理するもの。アクセス管理者の許可なく自分が使用するIDを第三者(市民)に提供することは、自己のIDであっても他人の識別符号の不正提供に該当すると考えられる。
この場合、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金が科される(第12条2号)。
◾️取材申し入れに沈黙
同市議は文書でお詫びをしているが、罪は決して軽くない。しかも、本会議開会中に他の議員や市職員に通知が送られており、市議会の業務を妨害するという重大な結果を招いている。さらに、元市議の男性のアクセスはこの時だけでなく、常習的に行われていたことをうかがわせる証言も出ている。
「ご心配とご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。」との謝罪を行なっているが、刑事責任の追及はこれからである。
本件に関してのコメントを求めるたに当サイトでは同市議に2度連絡をしたが、いずれも留守番電話に接続された。そこで取材の趣旨を告げて折り返し連絡をするように求めたが、指定された時間までに連絡はなかった。
当サイトでは引き続きこの問題について取材を続けていく。