僕が体験した日本語学校のブラックな現実(その2)/通告なく給与未払いの学校

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 5月に書いた日本語学校のブラックな現実は結構な反響で、様々なご意見をいただいた。今回はその第2弾ということで、2019年4、5月に在籍した都内にある日本語学校Aについて明らかにしよう。長いので何回かに分けて紹介する。この学校の非常勤講師を辞めた理由は非常に簡単である。

 学校が給料を支払わないから。

■未払いの理由はもちろん、通告すらなく…

 それも通告なしの未払いであるからとんでもないブラック企業である。こちらが問い合わせてから2日後に未払いの事実を認め、理由説明をするという信じがたい学校であった。

ブラック日本語学校…

 2019年4月1日、僕は日本語学校Aと契約をした。Aは都内の便利な場所、東京の中央にあると言ってもいいぐらいの駅の、すぐ近くにある。僕は、採用を担当していた教務部B部長に学校側から求められている必要書類を全て提出していた。署名した契約書、日本語教育能力検定試験合格証・学位記(ともに複写)、給与の振込口座を記した書類、交通費の計算書である。他の学校の在籍証明も必要と言われたが、今、働いている専門学校から「発行までに多少、時間がかかる」と言われていたので、その点を言うと「それは事務が必要な時に言いますから、当面は提出しなくて構いません」と言われた。

 その直後ぐらいに、事務の担当者から「給料の振込先口座を指定してください」というメールが入ったが、すでにBに給与の振込口座を記した書類を提出済みだった僕は(メールが入れ替わりになったんだな)と思って、特に返信はしなかった。

 この学校は経理は15日締めと決まっており、4月15日までに自分の直属の上司とも言うべき担当者に働いた日数を申請することになっていた。15日までに出さないと翌月払いになるということだったので、僕も締切日に申請書を担当者Cに提出。(何とか締め切りに間に合って良かった)と思ったのだが、4月25日(木)になっても給料が振り込まれない。何かの手続きで遅れているのかもしれないと思い翌日の4月26日(金)まで待ったが、やはり振り込まれていない。授業の開始は4月16日からのため、4月分の報酬は研修やそれに伴う交通費だけが対象。大した金額ではないのだが、金額の問題ではない。

■担当者も事情が分からない中、B部長からまさかの連絡

 仕方なく同僚の先生にメールで問い合わせたら「私は入金されています」とのこと。(どうなってるの?)と思って、申請書の提出先の担当者Cにメールを送ると、Cもびっくりしたようであった。自分としては僕からの申請書を経理に提出したのだから、振り込まれないはずがないという思いであろう。「連休明けに私から事務に問い合わせましょうか?」との返信だった。僕も連休中では経理とも連絡がつかないだろうと考え「僕からも連休明けに問い合わせてみますが、Cさんからも問い合わせてみてください」とお願いした。

 ところが翌日になって、今度はCから連絡を受けた教務部B部長からメールが入ったのである。その内容は「経理から振込先の口座の連絡がないから振り込めないとの連絡があった。経理にメールをしてくれないか?」というものである。

 これにはさすがに唖然とさせられた。振込先の口座を指定した書類の提出先であるBが「経理が『振込先の口座の連絡がない』と言ってます」と言ってきたのである。こういう人間を相手に事務的な話をすることの虚しさといったらない。

 こうして世間が平成から令和への改元でお祭り気分のゴールデンウイーク期間中、僕はたかだか1万円程度の報酬をめぐって経理担当者とメールでやりとりすることになったのである。

(その3へ続く)

    "僕が体験した日本語学校のブラックな現実(その2)/通告なく給与未払いの学校"に1件のコメントがあります

    1. Hen より:

      松田先生、ブラック化が進む日本語学校の記事を拝読致しまして、同感しながらも怒りの気持ちで胸がいっぱいです。実は私も以前日本語学校(”東京の中央”にある?T学校)で、正社員として働いておりました。しかしその後、色々理不尽なことがありまして、結局一生懸命働いた分、遺憾と憤慨が残り、複雑な気持ちで大好きな職を離れることになりました。しかし、一連の出来事を通じて分かったのが、やはり法的知識が大事で、適切に法律を武器として彼らの違法行為に対抗すべきということです。給料未払いなど、お金に関する怠慢はもちろん、不正解雇など明らかな違法行為は到底許せないものです!なぜなら、ここは日本です、法律によって国民や外国人労働者が守られている国だからです。もちろん、松田先生が記事にもお書きになったように、お金の問題よりも、自分自身の人権を守り、自分の時間や体力を費やした労働に値する給料を確実に獲得しなければなりません。松田先生の記事を拝読し、非常に感銘を受けました。それに同じ学校での出来事かもしれないということにもすごく驚きました。実は私が在職中、半年間で約11人の正職員(日本人約6人、外国人約5人)が辞めてしまいました。理由は様々でしたが、一番多かったのが、当時経理部の人によるパワハラ(他職員との食事禁止、ccメールによる叱り、ヤクザみたいな口調など)、各種出費の滞納や未払い、業務分担の不公平(仕事量と給料との不比例)などがありました。もちろん、普段は教務側の先生たちからも、特に各費用の精算などで前経理部の上司と、仕事能力のない副学院長に対する不満が多かったです。それにも関わらず、あちこちのエージェントを利用し、嘘ばっかな内容を載せてもらい、低い報酬で人を募集しているみたいです。本当に止めてもらいたいです。これ以上被害者が出てきてほしくないからです。今の時代に、そして日本という法制国家、特に教育業界で未だにこのようにブラック企業があるなんて信じられません。松田先生の記事によって、日本語学校で不公平な待遇を受けた私たち労働者の代わりに、このような形で公にし、より多くの人に日本語学校における労働の現状を知ってもらえることに、心より感謝しております。以前該学校で働いていた職員たちにも松田先生の記事をシェアするつもりです。私たちの味方がいらっしゃることを伝えたいです。もし今後お力になれることがございましたら、全力で協力させていただきます。そして、日本語学校のブラック化に関するその3(4.5.6…)のご記事を楽しみにお待ちしております。長くなりましたが、最後までお読みいただき、本当にありがとうございま

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