防犯カメラに反対する人は犯罪者の味方か…故筑紫哲也氏とかね

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

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青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。
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 吹田市の交番で警察官が襲われて拳銃が奪われた事件は、発生から丸1日で容疑者の逮捕にこぎつけた。そのきっかけとなったのは防犯カメラである。現場周辺の防犯カメラの映像をリレー方式で追う捜査が結実した。

■防犯カメラがない時代、簡単ではなかった容疑者確保

 今のように防犯カメラがない時代には、容疑者確保も簡単ではなかった。街中に設置されている今、ある意味、我々は安心して暮らしていける。この防犯カメラに対して「プライバシーの侵害だ」と反対論を展開していた人は少なくないが、代表的なのが故筑紫哲也氏である。

防犯カメラに反対する人は今でも存在する

 彼も2008年に亡くなっているから、それを知る人も少なくなっているが、当時、筑紫哲也氏がニュース23で「我々は常に監視されている」と批判的な話をしていたのはネットでも話題になり、「監視されて不都合なのはもっぱら犯罪者だろう」という反論がなされていた。

 今でも「監視社会を拒否する会」という団体があり、防犯カメラに対して反対の立場を明らかにしている。犯罪者への思いやりがあるのだろう、彼らは。

 知らず知らずのうちに自分の姿が映像に収められている状況を気分がいいと思う人は少ないかもしれないが、犯罪の解決に資するのであれば、支払う代価としては極めて安いものだと思う。

■無数のドライブレコーダーが発揮する犯罪の抑止力

 そもそも我々が道路沿いを歩いている時に、行き交う自動車のドライブレコーダーには自分の姿がはっきりと映し出されているのである。人知れず、自分の姿が他者に撮影されている時代。それが直ちに犯罪の抑止力になるかどうかは分からないが、このように防犯カメラやドライブレコーダーで多くの容疑者がすぐに逮捕される現状を見れば、「犯罪はすぐにバレる」「犯罪は割りに合わない」と考える犯罪者予備軍が出てくる可能性は否定できない。防犯カメラやドライブレコーダーがない社会よりは、ある社会の方が犯罪を決行するハードルは論理的には高くなっていると言っていい。

 古くは三億円事件や、さらに古い下山事件、帝銀事件の時に防犯カメラがあれば、犯人の検挙は簡単であったかもしれないし、もしかするとそのことで冤罪を証明できたかもしれない。

 そう考えると、防犯カメラがあちこに設置された社会は悪いものではない。それは監視社会ではあるが、犯罪者と犯罪者予備軍に対する監視社会と言えると思う。

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