免職教師の叫び(23)伊藤詩織氏との接点

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 9月21日、東京高裁101号法廷でジャーナリストの伊藤詩織氏が提起した訴訟の控訴審、意見陳述が行われた。札幌市の元教師・鈴木浩氏(仮名)は不思議な思いでこの裁判の行方を見守っているという。30年近く前にわいせつな行為をされたと主張し、鈴木氏を免職に追いやった写真家の石田郁子氏と伊藤詩織氏との接点の存在、訴訟戦略の相似性を感じていることが理由である。2つの事件は水面下で繋がっている。

■被害に遭ったと発信できる人を選んだのか

弁護士ドットコムから

 東京高裁での意見陳述に先立つこと5日、2021年9月16日、NGOヒューマンライツ・ナウ がオンラインで緊急記者会見を行った。発表された会見内容は「刑法性犯罪規定の再改正:法制審議会への諮問を受けて」というもので、ここに石田郁子氏と、伊藤詩織氏が揃って出席した。その時の画面は、ネット上で確認できる(弁護士ドットコム・「時計の針を戻さずに審理を」性犯罪の刑法改正、被害当事者らが訴え)。

 出席者は伊藤和子弁護士、寺町東子弁護士など10人で、弁護士ドットコムには、石田氏と伊藤氏が並んでいる場面が掲載されている。刑法改正、ことに性犯罪に関する問題で、伊藤詩織氏と石田郁子氏が語るのも理解に苦しむ。

 両者とも相手方の男性から合意の性交はあったが性的暴行などしていないと強く否定され、「嘘をつくな」と法廷でも法廷外でも言われている。しかも、相手の2人の男性が刑事責任は全く問われていない事案(鈴木氏は民事責任すら否定されている)で、女性2人が性犯罪の被害者を代表するかのような立場で発信することに違和感を覚える人は少なくないであろう。

 穿った見方をすれば、本当に被害に遭ったかどうかは問題ではなく、被害に遭ったと発信できる人を選んだと言えるのではないか。

■見知らぬ名前「伊藤詩織」

石田郁子氏(左)と伊藤詩織氏

  鈴木浩氏は2019年2月8日、石田氏から損害賠償を求める訴えを東京地裁に提起された。その内容はこれまで伝えてきたように、鈴木氏にとって全く身に覚えのない中学3年の時から石田氏にわいせつな行為を強制させていたという内容。

 訴訟を進めるうちに、鈴木氏は石田氏側からの裁判資料に突然、見知らぬ女性の名前が出てきたことに戸惑った。

 「伊藤詩織

 初めて聞く名前に(誰だろう)と思い、ネットで検索するとTBSの元ワシントン支局長の山口敬之氏に対し、損害賠償請求を提起している人物であることは簡単に分かった。訴訟の内容や事件の経緯を調べていくうちに、伊藤氏の裁判における山口氏の主張が自分の訴訟での主張と多くの点で共通していること、相手の女性の行動パターンも極めて似ていることに気付いた。

(1)性的暴行の事実はない

(2)合意の上での性交はあった

(3)女性が実名・顔出しで告発

(4)女性の弁護士が左翼系団体と親和性がある

(5)女性側が裁判資料の多くを閲覧禁止とする

(6)メディアを味方につけ、被害者の立場で扱われる

(7)女性団体、人権団体の政治主張の場に登場する

 どれも、今では多くの方がご存知であろう。特に(6)については、当サイトが伊藤詩織氏に質問をしたところ、東京新聞の望月衣塑子記者、神奈川新聞の石橋学記者らと思われる記者から罵声が飛ぶなど取材の妨害を受けたことを紹介している(参照・伊藤詩織氏に質問「虚偽を述べたのか」)。また、石田氏の事件でもNHKが2020年12月15日放送のクローズアップ現代で、石田氏の主張が事実であるかのように扱い、ほとんど鈴木氏側の主張は紹介されなかった事例など、枚挙にいとまがない(連載(21)現在進行形の報道被害)。

 念のため(4)について説明しておく。伊藤詩織氏の弁護を担当する西廣陽子弁護士は立憲民主党の衆議院議員松尾明弘氏が代表の松尾千代田法律事務所の所属。村田智子弁護士は共産党の影響力が強いとされる自由法曹団に属し、事務局次長に就任している。

 石田郁子氏の小竹広子、河邉優子の両弁護士は、社民党の福島みずほ代表の事実婚の相手である海渡雄一弁護士が所属する東京共同法律事務所の所属。どちらも”その筋”の弁護士がバックについている。

■鈴木氏から見た伊藤詩織氏事件

鈴木浩氏(仮名)が描いた石田氏

 石田氏と伊藤氏の接点は、関係者によると2018年の比較的早い時期に石田氏から連絡を取ったとされる。そのあたりを鈴木氏は「詳細は裁判資料の閲覧制限にもかかることなので、取材に対しては答えられません。伊藤詩織さんの裁判については、不思議な思いで見ています。私は、伊藤詩織さんと何の関わりもありませんが、石田を通じて、その存在を知ることになりました。そして、伊藤さんの後を追うような活動家・石田をネットで見るようになっていきました。人間の縁と言いますか、その経緯に不思議な思いがします」と話す。

 合意の上で性交があるという事実を強調することで、架空の訴えではないという印象を世間に与え、他の部分では全くの虚偽を並べ世論を味方につけて相手を攻撃する。司法が有効に機能せず、メディアも被害者の言い分を全て信じて男性をモラルが著しく欠如した人物であるかのように扱う。このように扱われた男性がどのような思いで日々暮らしているのか、世の中は気にもかけない。

 鈴木氏から見れば、伊藤氏の事件も自分の事件も、そのように映る。鈴木氏にはとても他人事とは思えないのは当然のことである。今回、山口氏は意見陳述でそうした伊藤氏サイドの主張を正面から攻撃し、かけられた疑惑を強く否定した。その点を含め、鈴木氏に伊藤氏と山口氏の裁判について聞くと、静かにこう語った。

 「私はいつも、嘘や悪いことはいつか露見し、正しいことは最終的に認められると思っています。もし、山口さんが勝訴するようであれば、それが実現したんだなと思うでしょう。今、私は名誉の回復と復職に向けて戦っていますが、山口さんが勝てば『やはり、正しいことは認められるんだ』という思いは強くなるかもしれません。」

第24回へ続く)

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"免職教師の叫び(23)伊藤詩織氏との接点"に6件のコメントがあります

  1. 野崎 より:

    見事なるかな!

    えらそうに、私は伊藤氏や伊是名夏子氏の事件を個人レベルの事件とは見ていません。
    などとコメントしました。
    ファシスト共を連呼し奴バラの目的、その私的見解をコメントしました。

    松田さんがこの事件を記事にされた時、組織的な背景を把握されているはず、それが伊藤氏へつながる何かを、その可能性を感覚的にでも捉えているのでは?、、と思っていました。 最初から個人レベルの問題とは見てはいなかったのではと、

    見事に浮かび上がって来ましたね。

    松田氏の力量よ見事なり!

    これは大いに喧伝してしかるべき問題です、拡散されることを期待します!!
    私も私なりに広めます。

    何としてもファシスト共の野望を打ち砕かねば、自由を守らねば!

    ご返信は不要です。

  2. 月の桂 より:

    2つの事件は似ていますね。
    伊藤氏、石田氏は、ある事象について自ら推理したことを繰り返し考えるうち、それを現実と思い込んでしまう傾向があるのでは?
    妄想も本人にとっては真実であり、無い被害を悪意を持ってあったことにしたというよりは、被害事実は確かにあったのだと思い込んでいるのでしょう。支援団体も、2人を自分達の活動に利用しているように感じます。
    特に伊藤氏は繰り人形として、支援者達の言いなりになっているような気さえします。

    危機管理の無さという点では、山口氏、鈴木氏(仮名)も似ているように感じます。ただ、お二方が失った物の大きさは甚大ですし、脇の甘さがあったとしても冤罪被害者として窮地にある彼らを助けたいと思います。
    誰しも、妄想をする人間だとは知らずに出会ってしまうわけで、この2つの事件、誰にでも起こり得る話だと思います。

    今、「でっちあげ」という冤罪事件の本を読んでいます。こちらのコメント欄で紹介された書籍ですが、状況が鈴木氏と似ています。もう少しで読み終えますが、その教員は冤罪を晴らし復職するようです。鈴木氏もそうであったらいいなと思っています。

    1. 月の桂 より:

      冤罪教師を取り上げた『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相 』(福田ますみ著)、読了しました。

      鈴木氏(仮名)が仰る「嘘や悪いことはいつか露見し、正しいことは最終的に認められる」社会であって欲しいと思いますが、この福岡の事件も名誉回復には長い年月を費やしました。冤罪被害を訴えたところで、訴訟費用や精神的負担から「最終的に認められること」を待たずに断念するケースもあると思います。

      私は、民事での勝訴判決は法廷戦術、つまり弁護士の力量次第だと思っています。実績のある(勝てる)弁護士はそれなりの報酬を求めます。法テラス案件などの安価な報酬では受任しないでしょう。司法の正義とは札束次第なのかと、虚無感に陥ることがあります。正しいことが、最終的に認められるとは限りません。山口敬之氏の裁判がいい例です。

      有田芳生氏が『でっちあげ』の書評をされていました。最終のP343~P350ですが、今とは別人のような良識ある内容です。

      ○問題とされた教師の善意や優しさが仇になっているようにも思えた。人生が妥協の原則を探ることであるにせよ、誰にも「引いてはいけない一線」がある。最初の時点で毅然とした対応をしていれば、ここまで大問題にならずに済んだことだろう。しかし、それがまた難しい。(P349) ←その通りだ!!
      ○自分の手で書いた記事がほとんど事実でないことがわかったなら、潔く非を認めるのが、人間としての誠意である。(P350) ←貴方が山口氏に向けて書いた記事には誠意は見せないのね?

      平成21年11月に書かれたものですが、昔の有田氏は立派だったんですね。どうして、変わってしまったのでしょうね…(-_-;)

      1. NA より:

        変わってしまったのか、政治家になるまでは有名になるまで本性を隠し(メディア露出、著作で稼ぐため)。

  3. 名無しの子 より:

    「私はいつも、嘘や悪いことはいつか露見し、正しいことは最終的に認められると思っています。もし、山口さんが勝訴するようであれば、それが実現したんだなと思うでしょう。今、私は名誉の回復と復職に向けて戦っていますが、山口さんが勝てば『やはり、正しいことは認められるんだ』という思いは強くなるかもしれません。」

    正直、大変心配です。山口氏も民事一審の時、同じようなことを言っていたそうです。弁護士であった山口氏のお父さんから「司法を信じろ」と。でも、一審判決では、見事に裏切られました。
    そして、伊藤氏の虚偽告訴罪と名誉毀損罪。不起訴になりましたね。あれも、ショックでした。。今行われている検察審査会に期待したいとは思いますが。
    伊藤氏と山口氏。あの二人の供述書を読めば、どちらが論理的で具体的か、どちらが真実を述べているか、普通の感覚を持った人なら、わかる筈です。
    でも、もしも、もしも万が一、民事控訴審で、逆転されなかったら。
    その時、山口氏は、鈴木氏は、日本の男性は、そして日本国民は、どうなってしまうのでしょう。
    そしてその後、私達日本人は、司法までもを、ある団体に、乗っ取られたことを思い知らされるでしょう。
    松田さん、もしもそうなったとしても、私達で、山口氏や鈴木氏を、支えていきましょうね。
    でももちろん、そうならないことを、切に切に願いますが。

  4. 山口 秀明 より:

    事件は人が忘れてしまえば、マスコミも騒ぎません。真実がどうであれ、話題になればマスコミや左派(ファシスト)が動きます。裁判で潮目が変わっても、関心が無ければ、報道はしません。其処で真実を追いかけて、私心を捨て地道に両方を取材し真実の記事を纏めるジャーナリストが真実のヒーローです。其処には「心の師とはなれど、心を師とせざれ」と常に我を客観的に見つめるバックボーンが必要です。名の売れたジャーナリストの多くは金銭か名誉か?変貌しています。私は松田 隆さんを応援しますし、「でっちあげ」の著者福田ますみさんも応援しています。

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