失敗したフォロ爆と「女湯デマ」会見のタイミング

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 有力インフルエンサーをターゲットにしたと思われる「フォロ爆」は、第二次攻撃がないまま2週間以上経過した。攻撃をしないのか、出来ないのか、その後の事情を考察する。そして3月16日に行われたLGBT法連合会の記者会見のタイミングとの関係を推理した。

■165の捨てアカのうち157を凍結

インフルエンサーのにこ姉氏(同氏アカウントから)

 「フォロ爆」(大量の捨てアカウントがフォローし、その後で『フォロワーを買っている』とツイッター社に通報してターゲットのアカウントを凍結させる攻撃)が行われたのは3月3日から5日にかけての3日間。当サイトが把握できたターゲットは13アカウントで、主に標的とされたのは、有力なインフルエンサーである「にこ姉」氏や「闇のクマさん世界のネットニュース」氏らと思われる。

 にこ姉氏らが、性自認が女性である男性が、公衆浴場や公衆トイレで女性のエリアに入ってくることの危険性を強調し、積極的に主張してきたことで攻撃対象とされたのではないかと推理した(参照・にこ姉氏&闇のクマ氏が標的か 見えてきた犯人像)。

 その後、にこ姉氏のもとには、明らかに捨てアカウントと見られるアカウントからフォローされるなど攻撃継続の気配はあったが、個別にブロックするなどで対応し、正常にツイッターでの活動を続けている。

 「中国発が濃厚”捨てアカ”攻撃 擬態も開始」でも紹介したネット事情に詳しいA氏は、今回の攻撃に注目し、攻撃側のデータを集め、解析している。その中で、にこ姉氏ほかをフォローした捨てアカを監視、さまざまな分析をするとともに、その後を追跡した。

 A氏は攻撃の初期から動いていたこともあり、当初は攻撃の全容を把握するまでに苦労したという。「最初の頃は(捨てアカを)把握するので精一杯でした。その後、追いかけるノウハウを確立できたこともあり、最終的に165のアカウントをデータとして残せました。」と説明する。

 その165のアカウントは今、どうなっているのか。「157は凍結され、8つは『制限アカウント』というペナルティがかかった状態で、アクションを起こす様子は見えません。恐らく強制ログアウトされていて、ログインの条件に電話番号等入力を求められているなど、簡単には身動きが取れない状態に陥っている可能性があると見ています。」という。

 ウェブのセキュリティに詳しく、ダークウェブにもアクセスしているB氏(参照・闇市場が支える ”捨てアカ攻撃”)もフォロ爆を受けているが、捨てアカの凍結を確認している。「私へのフォロ爆元のアカウントも3月15日の時点でほぼ全て凍結されていました。従って、その頃までにはツイッターが規制強化を行ったと推測されます」。

 このような状態になったのは、攻撃を受けたインフルエンサーのフォロワーが中心になり、ツイッター社に不正なアカウントであると通報したのが奏功したとみられる。把握できたアカウントを100%身動きができない状態にしているのであるから、おそらく、相当数の捨てアカが同様の状態に陥っていると見ていい。

■免疫ができた状態のインフルエンサー

 A氏が分析した凍結の経緯を時系列で見てみよう。3月3日から5日にかけてフォロ爆が行われ、6日には当サイトが第一報(”捨てアカ”大量フォロー Twitter保守系狙い攻撃か)を報じた。捨てアカは擬態を始めるなど生き残りを図ったが、通報によるアカウント凍結が始まったもようで、次々と凍結させられていく。

 8日にはA氏が把握できた165のアカウントのうち42アカウントが、10日には一気に51アカウントが凍結され、13日までに上述のように157アカウントが凍結された。

写真はイメージ

 にこ姉氏は当サイトの第一報で、600人前後をブロックし「おそらく1000人ぐらいは押し寄せてきたと思います。ブロックしている間にさらにフォロワーが出てくる状況でした」と説明したが、165の捨てアカと同様の比率と仮定すると、951アカウントが凍結され、49アカウントが制限アカウントという計算になる。

 もっとも、捨てアカなどすぐに生成して再攻撃できるのではないかという考えもできなくはない。B氏は情報源は公表できないものの、(フォロ爆を実行する)業者の保有するアカウント作成ツールでは、毎分約1000アカウントを生成できる能力があるとするが、現在はそう簡単には生成できなくなってきていると説明する。

 「昨年末頃まではモバイルでアカウントを登録する際にCAPTCHA(Completely Automated Public Turing test to tell Computers and Humans Apart=ユーザーが人間かボットであるかを判別するテスト)がなく、そこのエンドポイントを割れば簡単に大量のアカウントを作成できました。しかし、現在この手法は使えないことから、技術的な側面においてアカウントを機械的に生成することが飛躍的に難しくなっています。」

 実行犯にとっては無限に存在していた捨てアカが簡単に生成できなくなったことは、持ち駒が壊滅しても、単純に新しい捨てアカを使ってすぐに攻撃再開とはいかなくなることを意味する。その上、第1次攻撃で、相手が鍵をかけ、フォロワーが結束して通報し、捨てアカを凍結させるという防御方法が確立されてしまったため、第2次攻撃をしてもターゲットを消せる確率は著しく低くなった。これは予防接種をしたり、一度罹患したりしたことで免疫ができることを想像すれば、容易に理解できるであろう。

 こうして攻撃側は大量の捨てアカが凍結された3月10日の時点ではほぼ、手詰まりの状態になっていたと想像される。

■攻撃側の手詰まりからの次なる一手

攻撃側は手詰まりに陥ったのか(写真はイメージ)

 攻撃サイドがにこ姉氏らを消すことに失敗したということは、変わらずインフルエンサーがSNS上で「女湯に男が入ってくる」「女子トイレにも男が入りやすくなり、盗撮被害など激増する」という主張を発信し続けることを意味する。

 それによって法案に何となく賛成している若い女性が、雪崩を打って反対に回るリスクがある。第2次攻撃をしても”免疫”によって成功する可能性は低く、逆に「賛成派、推進派がこの卑劣な行為を行なっている」と宣伝されかねない。

 B氏も「大量のアカウント作成が困難になっていることから、以降攻撃は(当該業者からは)行われないのではないかと考えております」と見る。

 こうした状況で、SNS上での反対派に対抗するには、反対派の主張を攻撃するしかない。これはSNSとは無縁の人々にそのような反対派の話があることを知らせることになってしまう諸刃の剣であるが、リスクを負ってでも反対派の主張を無力化する必要があると考えれば、やることは1つ。SNSでの発信ではインフルエンサーの足元にも及ばないため、記者会見などでオールドメディアを通じて反対派の情報発信を無力化するしかない。

 ここまで客観的な事実と推論を組み合わせると、3月10日以降、法案賛成派・推進派は積極的な情報発信で、にこ姉氏、闇のクマ氏らを間接的に攻撃することが予想される。

■質問に沈黙で応じる

 3月16日にLGBT法連合会(代表理事・原ミナ汰氏ら3名)が記者会見を行った。もちろん、フォロ爆との因果関係は明らかでなく、同連合会がフォロ爆と関係するなどと根拠のないことを主張するものではない。ただ、会見が行われたのは、上述のような状況下であったという事実を指摘するだけのことである。

 既に指摘した通り、「法案成立で女湯に男はデマ」という根拠として弁護士の話が用いられているが、これは現行法体系であれば男は入れないのは当然という事実を指摘するに過ぎず、法案成立で反対派の言う不安が現実化する可能性があることを示す結果となってしまった(参照・LGBT団体「男が女湯に入るはデマ」こそデマ)。

 こうした事実は、インフルエンサーの言っていることはデマだと主張するよりも、インフルエンサーのアカウントを凍結して喋らせない方が、賛成派・推進派にとって政治的な効果は大きいという一種の証明となり得ることは、覚えておくべき。

 以上を踏まえて、当サイトでは、同連合会に対して質問状を送付、書面で回答するように求めた。5つの質問を投げかけており、それを以下に示す。

Q01:貴連合会においては、3月16日の記者会見でSNS上でデマが広がっているとおっしゃっていたようですが、具体的にどのSNSのどのアカウントがそのようなデマを広めているかを把握されているのでしょうか

Q02:貴連合会が言われるデマを広めていると思われるインフルエンサーに対して、上記の「フォロ爆」が行われた事実を、貴連合会では把握されていましたでしょうか

Q03:対立する言論の相手に対して攻撃をしかけてアカウントを凍結させる方法は、正当化される場合があるとお考えでしょうか

Q04:フォロ爆のような攻撃について、どのような感想をお持ちでしょうか

Q05:貴連合会に加わっている団体は、上記のフォロ爆について全く関与していないと考えてよろしいでしょうか

以上

 質問には回答期限を設け、期限内に回答が難しい場合は、いつまでなら回答できるのかを教えてほしいと要望した。

 しかし、回答期限を過ぎても、同連合会から何のリアクションもなかった。

 「ノーコメント」すら口にしない沈黙。それが現時点での彼らの答えである。

    "失敗したフォロ爆と「女湯デマ」会見のタイミング"に1件のコメントがあります

    1. 野崎 より:

      女湯における問題のみにあらずして。

      ●LGBT法案めぐり経団連会長が苦言 欧米への遅れ「恥ずかしい」

      朝日新聞デジタル 3・20・2023
      >経団連の十倉雅和会長は~~
      2月の訪米時に米政府の要人2人から状況を問われたと明かし、「国会で議論されようとしていると答えるのも恥ずかしいくらいだった」とした。そのうえで、世界では「理解増進ではなくて差別を禁じ、同性婚を認める流れにある」と指摘。

      同性婚主張の次元が変わり始めた。

      以前より、えらそうにLGBT法案はファシストの多面波状攻撃の一攻撃ポイントであるとコメントして来た、同性婚 夫婦別姓 中絶容認 ジェンダーフリー 移民賛成 多様性等々とリンクしていると。

      >十倉氏は記者会見で「多様性こそ社会の活性化の源だ」と強調した。

      ★それはいかなる社会となるのか?

      ●差別は許されない!
      LGBT法案において問題となった、差別は許されないの文言こそ、
      ニューズウィーク日本語版が看破した、反差別という名の差別だ。
      多様性といいつつファシスト共の価値観が支配する社会だ。

      日本がいずれいかなる社会に成るかは、現実にそうある米国在住の日本人企業家、米人同性愛者の書籍2冊を紹介させていただいた。
      日本はその後を日本である日本文化を踏まえ追っている。

      ●大衆の狂気  ジェンダー・人種・アイデンティティ (原題)THE MADNESS OF CROWDS』ダグラス・マレー著(同性愛者) 徳間書店

      以下、読売書評 会田弘継(関西大客員教授)より一部引用。
      矛盾を指摘すること自体が差別主義者のレッテルを貼られる危険性と紙一重だ。その行き着く先は、社会のさらなる細分化と怒りや暴力だ。
      引用ここまで。

      上記の指摘は以下に同じだ。
      ↓↓
      自民党の西田昌司政調会長代理のLGBT法案に関し 差別禁止は逆効果
       「差別は許されない」という文言を拡大解釈することで「訴訟乱発を招きかねない」

      ●アメリカの崩壊 方丈社 (2022/3/22)
      著者 山中 泉
      1958年生まれ 滞米35年の企業経営者
      以下アマゾンの書籍紹介より一部引用。
      狂気に近いポリコレで~~~「議論の自由」も「衆知を集めて検討しようとする民主主義」もそこにはない。完全に全体主義国家の手法だ。

      故三島由紀夫は70年代に文化防衛論を上梓した、しかしながら日本がどうなるか予想をもした。
      ●無機質な、からつぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、或る経済大国、と、、
      しかし故三島由紀夫の予想をはるかに超え変容した社会が現れようとしている。

      同性愛は生理的に受け入れられないと発言すると首を取られる。
      それは女性差別だ!との指摘で首が取られる。

      荒井元秘書官の首と吉野屋元常務の首を取った者は仲間同士である。

      とりわけ吉野屋元常務の首を取った若きファシストの女戦士は見事であった。
      ファシスト連合、伊藤詩織氏の女性弁護士と共に行った華々しい記者会見、勝利宣言、この成功体験はこの若い女性ファシスト戦士のこれよりの戦闘意欲をいやがうえにも高めたことであろう。
      若いセミファシスト達(洗脳中含む)は陸続として誕生している。

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