ストライプ石川康晴氏の私信を公開した朝日新聞 プライバシー侵害の疑い

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

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青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 「アースミュージック&エコロジー」などを展開するストライプインターナショナルの石川康晴元社長(49)がセクハラ行為などをしたとされる問題で、朝日新聞は3月6日付け朝刊で石川氏の私信を公開した。LINEでの生々しいやりとりのうち、石川氏の発信部分を公にしている。2018年の同社の臨時査問会での資料として提出されたものとはいえ、個人の私信を勝手に公開することなど許されるのか。朝日新聞のプライバシー侵害が疑われる事案である。

■石川氏のLINEの画面を勝手に公開

朝日新聞3月6日付け朝刊から

 石川氏は過去に4件のセクハラ行為があったとして、2018年12月に同社の臨時査問委員会から厳重注意を受けたとされる。週刊新潮と朝日新聞が報じており、朝日新聞は臨時査問委員会で示された資料として、石川氏が利用したSNSの画面などを入手したという。

 その4件は、①店舗スタッフを朝、ホテルに呼び出してわいせつ行為をした、②宿泊研修中にLINEで部屋に来るように迫った。③深夜のホテルのバーに来るように誘った、④地方在住者に東京に来てデートするよう誘った、というもの。

 朝日新聞はその中で①の件と思われる事案について、臨時査問会での資料として提出されたLINEの画面の画像を入手したとして公開している。石川氏の発信内容を見ることができるようになっており、真実を伝えるために、そのまま転載する。

<相手からの送信>

石川:●● 、何時に寝る?🙂

石川:このLINE 内緒だよ😀

<相手からの送信>

石川:1時半に15分だけ、抜けてくる? 話、する? 危険かな?😀 ●●号室

(※●●の部分は画像が加工され見えなくなっている)

■ストライプインターナショナル社「セクハラの事実は認められなかった」

 ストライプインターナショナル社は5日、「臨時査問会では、石川(社長)によるセクハラの事実は認められず、処分はありませんでした」と発表した。その後、朝日新聞が取材したところ、同社の広報担当者は「LINEなどのやり取りでは上司と部下として誤解を招く表現があった」「食事やホテルに誘ったことは認める」と答えたとしている。

 石川氏は臨時査問会でセクハラの事実は認められなかったことを同社が明言していることが重要である。厳重注意を受けたとされるが、それは処分とは見なされていないのであろう。仮にハラスメントと認められたとしても私信の勝手な公開は許されないと思うが、ハラスメントが認められない状況では尚更である。

 確かに臨時査問会に示された資料であるのかもしれないが、それは真実追求のために提出されたもので、もともと公にされることなど予定していない。一報道機関が、勝手に公開していいはずがない。

 その上、このLINEのやり取りは一部分を切り取ったものに過ぎない。文言だけを見れば社長という立場を利用して女性社員に私的関係を迫るような、不快感を催しかねないものかもしれない。しかし、前後のやり取りが隠されており、女性社員もこのような発信を誘発するような発信をしていた可能性はある。そうした諸々の事情を踏まえ、臨時査問会はセクハラの事実は認められないとしたのであろう。

 朝日新聞としては、石川氏は男女共同参画会議の議員でもあったことから公開には公益性があるという考えだったのかもしれない。しかし、男女共同参画会議と石川氏の私信は全く関連性がない。そのようなことは公開を正当化する理由にならない。

■人権尊重の朝日新聞が一転してプライバシー侵害

 日頃、人権の保護について厳しい論調の朝日新聞が、こうした問題になると一転して、平然と人権侵害をする厚かましさ。この二重基準が信頼を損ねていることに気付かないのであろうか。

 石川氏には朝日新聞社に対し、不法行為に基づく損害賠償請求を提起することをお勧めしたい。

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