どのツラ下げて…K-1強行開催を後援の日刊スポーツ「首相夫人花見疑惑」報道

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 日刊スポーツ電子版が3月27日、安倍晋三首相の昭恵夫人が3月下旬に花見自粛要請が出される中、花見をしていたのではという参議院予算委員会の質疑を記事化し、批判的に論じている。日刊スポーツは埼玉県知事の再三の中止要請を無視して強行開催された3月22日の格闘技イベント「K-1」を後援していた。「モラルなき言論機関が、どのツラ下げて…」と誰しもが思うのではないか。

■杉尾秀哉議員「レストランならいいのか」…何が悪い?

中山知子記者の署名記事(日刊スポーツ電子版から)

 問題の記事は「安倍首相『レストランいけないのか』夫人花見疑惑に」という見出しで、中山知子記者の署名がある。27日の参議院予算委員会で立憲民主党の杉尾秀哉議員の質疑に関するやり取りを報じている。

 「NEWSポストセブン」が26日に昭恵夫人がアイドルグループNEWSの手越祐也やモデル藤井リナらと、桜の前で笑顔を見せる写真を掲載。これについて杉尾議員が「首相夫人の行動として適切か」と質問し、首相はレストランで知人と会合を持ち、敷地内の桜を背景に写真撮影を行ったと説明した。

 「NEWSポストセブン」は私的な桜を見る会としているが、実際は会合の後の記念撮影だけだったという。これに対して杉尾議員は「レストランならいいのか」と聞き、首相は「レストランに行ってはいけないのか」と答えた。

 こうした一連のやり取りを紹介した上で中山記者は「ネットでは、夫人の行動を批判する声も多く出ている」と締めた。

■自分で批判せずネットの力を借りて批判

桜をバックに記念撮影もダメと誰が言った?

 この一連のやり取りは杉尾議員の方に問題があるのは明らか。東京都は3月4日に都立公園や河川敷で開かれる宴会の自粛を求めることを発表した。そもそも強制力もなく、個人の判断に任されている。しかも宴会について自粛を求めたのであり、レストランで会合を持って最後に桜をバックに写真撮影をすること自体、何の問題もない。

 杉尾議員はレストランで食事をしてはいけないとでも言うのか。それは新型コロナウイルスで青息吐息の外食産業に、とどめを刺すような行為である。

 社会通念に沿って考えれば、杉尾議員の質問は言いがかり以外の何ものでもない。ところが中山知子記者はその最も重要なポイントを指摘することなく、「首相は、釈明に追われた」「『レストランに行ってはいけないのか』といらだちをみせた。」など、あたかも首相が何らかの不祥事を起こし、その釈明に追われているかのような印象の記事にしている。

 さすがに自分で「昭恵夫人の行動は不適切」と書けなかったのであろう、最後に(ネットでは昭恵夫人が批判されている)とネットの声を拾って批判する形にしている。

■K-1強行開催を後援したモラルハザードの新聞社

 何より日刊スポーツは3月22日、さいたまスーパーアリーナで行われた格闘技イベント「K-1 WORLD GP 2020 JAPAN ~K’SFESTA.3~」を後援している。埼玉県の大野元裕知事が再三、自粛の要請をしたのに、それを無視して6500人の観衆を集めて強行された。

 その経緯を考慮すると、もはや反社会的行為と呼んでもいい大会を後援したのである。中山記者に「主催者がK-1開催を強行したことは適切な行為だったか。そして、それを後援したことは報道機関として適切な行為だったか」と問いたい。

 反社会的な行為を後援しながら、一方で何ら責められるべきものではない行為を「ネットは批判している」とネットの力を借りて批判することで、良心の呵責に苛まれることはないのか不思議である。書いた文章を読み直し何の疑問も湧かないとしたら、新聞記者などやめた方がいい。

 スポーツ新聞の記者のレベルはこんなものと言ってしまえばそれまでだが、あまりの節操のなさに日刊スポーツOBとして悲しくなった。

    "どのツラ下げて…K-1強行開催を後援の日刊スポーツ「首相夫人花見疑惑」報道"に6件のコメントがあります

    1. 通りすがりの高橋 より:

      松田さんってジャーナリストだったんですね!
      自分の感情しか書いてないので、一般人だと思ってました。
      でもスポーツ誌出身なら納得です。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 matsuda より:

        >>通りすがりの高橋様

        僕はジャーナリスト、ライターですが一般人です。

        >>自分の感情しか書いてないので、

        感情は書いたつもりはありません。何を読みました? 

        >>スポーツ誌出身

         雑誌社に務めた経験はありません。

         もう少し事実を正確に把握してからコメントしてください。
         通りすがりなら、もう結構ですから、来ないでいただけるとありがたいですね。できれば、このまま通り過ぎてください。
         よろしくお願いいたします。

    2. 山口 秀明 より:

      おはようございます。
      土曜日は頑張ってる従業員達と「牛角」に行きました。少し心配も有りましたが、佐渡はまだ感染者が居ません。多分ですが、居酒屋も行きます。カウンターで2,3人で呑みます。佐渡はまだ桜は咲いていませんが、咲いていれば記念撮影だってします、普通の事です。安部さんも大変ですね。
      しかし、松田さんの古巣ですが、酷いですね。日刊スポーツがあのK-1強行開催の後援していたとはびっくりです。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 matsuda より:

        >>山口 秀明様
         コメントをありがとうございます。

         日刊スポーツのモラルハザードは今に始まったことではありませんが、離れてみると特にその酷さを感じます。
         これで志村けんさんが亡くなったことを「残念だ」「どうにかならなかったか」「ありがとう志村さん」などと報じるのでしょう。自分たちがやったことを棚に上げて。

         こういうことがあると「辞めてよかった」と心から思います。

    3. 市民の逆襲 より:

      松田様
      サイトリニューアルおめでとうございます。

      こんなタイミングですが、古巣の日刊スポーツがフェイクニュースで炎上していますね。

      https://twitter.com/asozan_daifunka/status/1247658639982125057

      このようなフェイクは何故止まらないのか。

      日本だけでなく海外でもフェイク疑惑は多く囁かれます。
      https://youtu.be/HDADonD2bAU
      メディアはフェイクで市民を不安に陥れる目的はなんなのでしょうか。
      内部を知る者として告発にも期待します。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

        >>市民の逆襲様

         ありがとうございます。新サイトはなかなか評判が良くて、PVも旧サイトに比べると多くなったなと感じます。

         ニュースに付いたコメントを見る限り、フェイクっぽいですね。電話取材して現場に行ってないのかもしれませんね。チケットだけは売れていて(それなら混んでいるだろう)と思い込んで書いたのか…。

         何れにせよ読者・ユーザーの不信感を募らせる記事だと思います。記者はまず現場、が鉄則をあらためて思います。

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