安倍元首相は「火事場泥棒」鳥越俊太郎氏

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(81)が自身が発行する有料のテキスト(マガジン)の中で、安倍晋三元首相を「火事場泥棒」と表現した。同元首相が核共有の議論の必要性を論じたことに対し、ウクライナ侵攻の混乱時に紛れて、自らの政治主張を通そうという趣旨で用いている。批判は当然としても、これは誹謗中傷、罵詈雑言の類。報道に携わる人間として最低限のモラルを持ち合わせていないと言うしかない。

■有料のコンテンツで元首相に罵詈雑言

「週刊‼️鳥越俊太郎イチオシ速報」画面から

 鳥越俊太郎氏は「週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!」という有料のコンテンツの発行者となっており、株式会社フーミーが販売事業を行なっている。その最新号はウクライナの問題を取り上げている。タイトルは「超上っ面、お涙頂戴式のニュースしか流さない/ウクライナ戦争報道──日本の新聞、テレビの/歴史観の無さを撃つ!」(3月7日配信)。

 これについて鳥越氏は自らのツイッターで以下のように紹介している。

さぁ!今週の「週刊‼️鳥越俊太郎イチオ(ママ)速報」ですよ!今週はずばりウクライナです。私は1962年キューバ危機、1989年マルタ冷戦終結、2003年米軍のイラク侵攻を思い出しました。歴史観を持ってニュースをみてみましよう!テレビのニュースの薄っぺらさが一目瞭然‼️3月7日午前9時58分投稿)

 有料コンテンツのため内容には触れないが、安倍晋三元首相に対する誹謗中傷は見逃すことができず、その点は当サイトが報道目的で明らかにしておく。

 鳥越氏はコンテンツ内で安倍元首相が核共有について言及した報道を引用し、「火事場泥棒」「トンデモナイ輩」と表現。そのような人が総理に選ばれたことを恥じるべきとしている。これは名誉毀損の成立は難しいと思うが、侮辱罪(刑法231条)に該当するのではないか。「公然」と言えるかが問題になるが、公然は「不特定又は多数人が認識できる状態」(最判昭和36年10月13日)であるから、コンテンツを買った多数人が認識できるので、クリアできると思われる。

■TBSの世論調査 8割が安倍発言支持

 鳥越氏もジャーナリストであれば、対立する安倍元首相の意見に対し、正面から批判をしたらいかがかと思う。

 核共有の議論については、TBSの世論調査で「議論をするべき」が78%を占め、「核共有の議論はするべきではない」の18%を大きく上回っている(JNN世論調査・「核共有」を議論することについて?)。この調査自体は、選択肢が①「核共有に向けて議論するべき」(18%)、②「核共有はするべきではないが議論はするべき」(60%)、③「核共有の議論はするべきではない」(18%)、④「答えない・わからない」(4%)、以上の4つになっている。単純に「議論するべき」「議論すべきでない」に分ければいいと思うのだが、そうするとTBSにとって都合の悪い結果になってしまうのかもしれない。

 そうした思惑があったのかどうか分からないが、図らずもTBSが安倍元首相の発言への国民の支持を示してしまう結果となったのではないか。これが世論である。ジャーナリストであれば、そうした世論に「必要以上に不安になることはない」「核共有しなくても日本の安全は守れる」と代案を提示するなどで自らの考えを社会に問うべきと思うが、鳥越氏はそのような手法は採用しなかった。

 真っ当な批判はせず、ただ、「火事場泥棒」「トンデモナイ輩」と罵詈雑言を浴びせるのみ。それが鳥越氏のジャーナリズムであるとしたら、一体、この人は長年、報道、ジャーナリズムの世界で何をしてきたのか。

 当サイトでは「お前は戦争を望んでいるのか」「反ロシアの右翼」などという声が起きるのも覚悟した上で、ウクライナの国民の命を救うために「NATOはウクライナに飛行禁止空域を設定すべき」と主張した(参照・誰も言わないなら僕が言う「飛行禁止空域設定」)。鳥越氏にジャーナリストの矜持があるなら、堂々と、そして論理的に、自らの信ずるところを主張することをお勧めする。

 記事の入り口がこのレベルなので、以下の内容は推して知るべし。興味のある方は一回の記事なら220円で購入できるのでどうぞ。

■鳥越氏8年前の発言

 鳥越氏がウクライナ侵攻について論じたので、いい機会であるから、かつての鳥越氏の発言についてここで指摘しておく。

 2014年8月15日、NHKスペシャルで「シリーズ日本新生 戦後68年 いま、”ニッポンの平和”を考える」が放送された。ここに出演した鳥越氏は、日本の安全保障について持論を主張している。その際に、日本に侵攻する国などないと強調した。今でもYouTubeで見ることができるので、興味のある方はご覧になっていただきたい(素晴らしきブログ案内板・鳥越俊太郎が論破されまくり、可哀想に見えてくる動画)。

鳥越俊太郎氏(NHK画面から)

鳥越:前提として日本の平和が侵されるような状況に、今、なっているというのを大前提でお話になっていますが、そんなことは虚構です。そんなものはありませんよ。どこの国が攻めるんですか。確かに空気としてね、尖閣諸島が何となく危ないとかね、中国が近くまで来てるなとかね、北朝鮮がミサイル撃ってるなとかいうのはありますよ。しかし、すぐ日本がそれで攻められるのか。日本の国民の命が危ないのか。そんなことはないですよ、全く。

 これに対して岩田温氏(拓殖大学客員研究員)がクリミア半島がロシアに侵攻された事実を持ち出し反論すると、鳥越氏は以下のように話した。

鳥越:ウクライナと日本は全然事情が違いますよ。ウクライナというのは元々ね、ソビエト連邦という一つの国、同じ国だったんですよ。それが今ね、ソ連邦が崩壊した今、ウクライナとロシアという風に分けたわけでしょ。だから当然、そこ、民族が入り混じっている。だからああいうのが起きている訳で、日本はそういうことないじゃないですか。どこから攻められるんですか。

 今、ロシア軍はウクライナ全土に対して侵攻を行なっている。鳥越氏の見解ではクリミア半島への侵攻とそれによる自国への編入と、今回のウクライナ侵攻は同じなのか、異なるのか。それをまずはっきりさせていただきたい。

 もし、両者が異なるのであれば、クリミア半島のようなことは日本では起きないと言ったが、ウクライナ侵攻のようなことも日本には起きないと断言できるのか、断言できるとしたら、どのような理由によるのかをはっきりさせるべきである。

■鳥越氏を教え諭した故岡本行夫氏

故岡本行夫氏(右、NHK画面から)

 上記の番組では、鳥越氏は万が一中国が攻めてきても、米軍は不要であり自衛隊が守るとした。それに対して故岡本行夫氏が「そのためには核兵器が必要になりますよ。」と指摘している。

 核保有国に対して、非保有国がまともには対抗し得ないことは、ウクライナ侵攻ではっきりと証明された。故岡本氏はその当たり前の事実を8年前に鳥越氏に教え諭すように話している。

 鳥越氏はそれに対して「いや、そんなことはない。核なんか使ったら終わりです。」と根拠もなく否定するだけであった。しかし、今回のTBSの世論調査を見れば、8割の国民がその事実に気付いたと言っていい。

 鳥越氏に言いたい。有料で一般公開されていないテキスト上でのことなので、自らに反対の意見を持つ人は読んでいないと軽く考えていたのかもしれないが、「お天道様は見ている」と思った方がいい。そしてジャーナリストとしての矜持があるなら、誹謗中傷ではなく正当な批判をすること、そして、自らの主張が誤っていたことを悟ったら、その不明を詫びるべきである。

    "安倍元首相は「火事場泥棒」鳥越俊太郎氏"に5件のコメントがあります

    1. 名無しの子 より:

      はっきり言います。220円の価値無し‼️なぜお金払ってまで、人の悪口を聞かなきゃならないんでしょう。
      安倍さんだって、本当は言いたくなかったと思いますよ。反対派からの攻撃を受けるのは、目に見えてますからね。でもこのままではいけないと思ったからこそ、意を決して発言したのでしょう。日本を守るために。
      一生懸命話している相手に対して、ただの悪口で言い返すなんて、ジャーナリストである前に、大人だとさえ思えません。いい歳して、今まで何を学んできたのと言いたくなります。
      本物の政治家は、ただの人気取りになってはいけないと思います。時には嫌われ者になることも必要でしょう。でも本物のジャーナリストならば、そんな政治家の苦しみを理解し、見せかけの綺麗事だけにとらわれず、真実を真摯な態度で報道すべきだと思います。
      人の悪口を聞いてもらいたいなら、お金をもらって言うものじゃありません。お酒を飲みながら友人に聞いてもらうか、お金を払ってプロのカウンセラーに聞いてもらうかです。もっと内容を充実させてから、お金を取れと思います。
      松田さんなんて、いつも充実した記事を提供してくださるにも関わらず、無料だというのに(松田さん、いつも申し訳ありません。日頃から、感謝しております)

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

        おっしゃる通りですね。

        >>人の悪口を聞いてもらいたいなら、お金をもらって言うものじゃありません。

        スナックのママさんに聞いてもらうのがいいかもしれません。「嫌な客」と思われるのを覚悟で。

        鳥越氏の有料テキストを見て、僕も少しショックを受けました。「この程度でお金を取れるの?」という感じです。自慢とか、自惚れとかでなく、「僕の書いている物の方が、合理性があると思うけどなぁ」というのが正直な感想です。

        コメントをありがとうございました。

    2. 通りすがり より:

      鳥越チュン太郎は元々こういう人間で、もはや修正不能。
      こういう人間性を多くの都民が見抜いていた結果が2016年の都知事選。
      淫行疑惑など醜聞も多く、政治的知識は鳩山由紀夫と同レベルの稚拙さ。
      (あちら界隈の人間の下半身の無節操さには呆れるばかりである)

      チラシの裏にでも書いて自己満足しておけばよいものを、わざわざWEB上に有料会員を募って公開しているが、これに幾許かでもお金を支払う人間が存在することに戦慄を禁じ得ない。

      息女の鳥越さやかもかつてサンデーモーニングに出演していた。血は争えない。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

        すみません。220円支払ってしまいました(笑)

        >>これに幾許かでもお金を支払う人間が存在することに戦慄を禁じ得ない。

        公共の利益に反する支払いであると認識しておりますが、報道目的ということでご容赦いただければと思います(笑)

        1. 通りすがり より:

          >すみません。220円支払ってしまいました(笑)

          すみません、つい笑ってしまいました。
          松田さんは取材目的ですから、仕方ないですね。
          批判や指摘、反論のために敢えて相手にお金を払う行為は潔いとすら思います。

          鳥越にお金を支払う目的も人それぞれということで、十把一絡げにしないという意味で今回引用された一文を以下のように修正します。

          「これに嬉々として同調し、幾許かでもお金を支払う人間が存在することに戦慄を禁じ得ない。」

          最初からこうしておくべきでした。

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