山本太郎氏が出馬に踏み切る3つの理由

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 れいわ新選組の山本太郎代表(45)が7月5日投開票の東京都知事選に出馬する可能性が出てきた。個人的な予想を言えば、かなり高い確率で出馬するように思う。その理由は3つある。

■出馬やめれば「所詮は立憲民主の別動部隊」

都庁の新たな主は誰なのか

 山本太郎氏は6月11日のれいわ新選組の会合の後、報道陣に出馬の可能性について「フィフティー(50%、五分五分の意か)」と語った。既に10日の時点で「立候補の検討を始める」と報じられており、本人はかなり前向きと思われる。

 結論から言えば、山本太郎氏は出馬すると思う。詳細な事情は取材していないので分からないが、3つの点で出馬は確実と見ている。

①反体制のポジションを明確に示すため

②小池百合子氏という強大な相手がいるため

③党内の支持を取り付けたため

 ①については、「山本太郎」という政治的なムーブメントの正体を考えれば、必然的に出馬に向かうということである。もし、今回、出馬しなければ、れいわ新選組としては元日弁連会長の宇都宮健児氏を推薦すると思われるが、それでは支持者は納得しないはず。なぜなら宇都宮氏推薦は、れいわ新選組が野党共闘の中の1つの枠の中に収まることを意味するからである。

 れいわ新選組の支持者は、山本太郎氏の既成の政治・政治家の枠にとらわれない、破天荒な部分に惹かれているのだと思う。反自民の受け皿というより、さらに大きな、野党も含めた現在の政治体制そのものへの批判の受け皿として機能しているから、異例とも言える高い支持を受けていると考えるのが通常の思考であろう。

 それなのに他の野党との関係を慮って出馬を断念し従来の政治の枠組みの中で小さくまとまってしまったら、「偉そうなことを言っても、所詮は立民の別働隊か」と評価されかねない。それはれいわ新選組の政党としての死を意味する。

■21世紀の「ドン・キホーテ」山本太郎氏

 ②については、破天荒なキャラが受けて支持を広げた山本太郎氏にとって、今回の選挙は、格好のアピールの舞台ということである。どう戦っても勝ち目がない強大な相手にも怯まず立ち向かっていく姿こそが、山本太郎氏の支持を高めた理由。おそらく得票が300万票を超えてくるであろう現職の小池百合子氏、これ以上の相手はない。学歴詐称しているのではないかと疑われる強大な権力者に立ち向かう山本太郎氏に、少なくない人々が「現代のドン・キホーテ」の姿を見るに違いない。

 都知事選に出て、遅くとも来秋までにある総選挙で一気に多数議席獲得へという計算はするであろうし、出なければ総選挙への見通しが立たない状況に陥りかねない。

 ③については、党内から「本人一任」を取り付けたのだから、もはや後には引けないということである。党内を「あなたにどこまでもついていきます」という声でまとめておいて、ここで辞めたら「小池百合子が怖くて逃げたのか」「他の野党に忖度するような政治家だったのか」「敵前逃亡」という声も覚悟しなければならない。

 引き金に手をかけるのは、引き金を引くため

それぐらいのことは山本太郎氏も心得ていると思う。

■宇都宮健児氏は100万票割れか、小池百合子氏は300万超へ

 以上の点を考えれば、山本太郎氏の出馬の可能性は極めて高いと思う。要は出馬するメリットが大きく、デメリットがほとんどない、ということである。

 前回の都知事選で野党統一候補の鳥越俊太郎氏の得票は134万6103票であった。一方、昨年の参院選で、れいわ新選組の東京都での得票(名簿登載者+政党)は45万8151票(端数はカット)。この45万票の多くは鳥越氏の130万票に含まれていたと考えると、山本太郎氏が出馬した場合、宇都宮健児氏は100万票割れが見込まれる。

 逆に山本太郎氏は基礎票の45万票に浮動票を吸収すれば100万票近くまで行くのも夢ではない。特に今回、自民党が自主投票に回っており、小池圧勝を嫌う自民党支持者からも票が流れてくることも考えられる。山本太郎氏が野党統一候補を上回る票数を獲得すれば、今後、れいわ新選組は野党共闘の1つのコマに収まることはなくなるであろう。

 なお、小池百合子氏は前回290万票以上を獲得し、自民党推薦の増田寛也候補(179万票余)に大差をつけて当選した。今回、自民党が自主投票であるから300万超えは確実、350万も可能性があるだろうし、400万という数字も夢ではないと思う。

    "山本太郎氏が出馬に踏み切る3つの理由"に2件のコメントがあります

    1. MR.CB より:

      》》ジャーナリスト松田様

      先日、日本大学危機管理学部の先崎教授が、モイセス・ナイムの著書「権力の終焉」を解説しながら気になる事を言っていました。

      21世紀は、「豊かになった多くの人々が、広範囲を移動するようになった。これまでは知り得なかったことを知り、人の意識も大きく変わった」。結果として格差は拡大するが、同時に中国や新興国などで富を得た人々も増えた。

      これからの世界は20世紀までの様な巨大な権力は成立しにくくなり、権力は分散していくというものでした。
      そして危惧すべきことは、世界が分断し自国主義化すると、ポピュリズムを煽る者たちが現れると。

      最後に、このいわゆる【ミニ権力者】は権力の持つ本当の恐ろしさを知らないことを、私たちは最も注意すべきであると結論付けています。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

        >>MR.CB様

         コメントをありがとうございます。

         僕だけの感触かもしれませんが、いわゆる左翼系の政治家を見ていると「政権を握ったら、スターリンのようになるのだろうな」と感じることが多くあります。民主主義の手続きよりも、「自分の言ってることが正しく、全てに優先する」みたいな感じの人が多いので。福島瑞穂氏など護憲が最優先で、憲法に定められた国民投票のための国民投票法制定にすら反対していました。憲法を守ろうとしていないのは自分自身ではないかという普通の人の声など、まるで無視しているのを見て、「恐ろしい人だ」と思ったのを覚えています。

         山本太郎氏にもその危うさを感じます。それに迎合する民衆が多いのも(怖い時代だな)という思いを強くします。

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