れいわ幹事長NHKでデマ連発 元”キャバクラ”議員
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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れいわ新選組の高井崇志幹事長が21日、NHKの日曜討論に出演し、事実と異なる発言を次々と行った。政治主張をするのは自由とはいえ、虚偽の事実を述べて国民をミスリードするのは公党の幹事長がすべきことではなく、強い非難に値する。
◾️リーダーは4日以内に被災地入り?
れいわ新選組の山本太郎代表は能登半島地震後に2度、被災地を訪れている。これに対してSNSを中心に渋滞の原因になる、行っても何もできないなら救援の邪魔、政治的パフォーマンスなどの非難の声が起きたが、高井幹事長は当然、現地入りした自党の代表を絶賛し、政権批判に結びつけた。以下、発言を紹介する。
「とにかく遅い、遅すぎます。岸田総理が被災地に入ったのが1月14日、発災から2週間後です。世界中の災害調べましたけど、トップが現地に入るのは翌日か翌々日、遅くとも4日後です。2週間後なんて例がありません。…リーダーが現地行かないでどうするんですか。」
「我々は被災地で聞いた声をれいわビジョンとしてまとめて総理に提案しています。具体的には全国に2000隻以上あるフェリーを避難所にすること、あるいは20万台近くあるキャンピングカーを国が借り上げて仮設住宅にする。そして大阪万博、辺野古埋め立ては中止して被災地にリソースを回す。」
高井幹事長は東大経済学部卒業の元総務官僚であるが、1つ1つの提案にしっかりとした論理的裏付けやエビデンスがないのは残念と言うしかない。
「世界中の災害調べました」と言うが、現代に限っても世界で災害は多数発生しており、その1つ1つを丹念に調べて、国のリーダーが発災から2週間、現地に入ることはなかったというのであろうか。世界中の災害を調べたと言うのであれば、2022年のエチオピアの東部などで発生した旱魃の際にエチオピアのゼウデ大統領は、いつ現地に入ったのか、同じ年の3月にアルゼンチンのコリエンテス州で発生した山火事の時、当時のフェルナンデス大統領はどうだったかを答えられるはず。どうか示していただきたい。
ちなみに2023年8月8日に発生した米ハワイ諸島のマウイ島で発生した山火事で、バイデン大統領が現地に入ったのは13日後の8月21日である。現地入りしない理由を問われたバイデン大統領は以下のように述べている。
“I don’t want to get in the way. I’ve been to too many disaster areas,” Mr Biden said. “I want to be sure we don’t disrupt ongoing recovery efforts.”(BBC NEWS・Hawaii wildfires: Joe Biden vows to visit soon amid criticism)
「私は邪魔になりたくない。私はこれまであまりにも多くの災害現場を訪れてきた。私たちが進行中の復旧作業を妨げないようにしたい。」
災害時に国のリーダーが現地を訪れ、被災者を勇気付けるのは大事なことではある。しかし、発災直後は国のリーダーよりも、救援活動を迅速に確実に行える自衛隊員や救急隊員などの方が被災者の役に立つ。役に立たないリーダーが発災翌日に出向いたところで瓦礫に埋もれている人を救い出せるわけでもなく、「総理に来てもらっても対応に人が取られるから、かえって邪魔」と言われるだけであろう。
バイデン大統領の発災から13日後の現地入りにも、それなりの理由はある。それを無視し、世界中の災害を調べてトップの現地入りを翌日か翌々日、遅くとも4日後と根拠のない決めつけをすることに何の意味があるというのか。おそらく山本太郎氏が訪れたのが4日後なので、そこをデッドラインと勝手に設定したのであろう。その上で昨年のマウイ島の山火事の例を(おそらく)意図的に隠すのは手前味噌な言い分と言うしかない。
◾️フェリー2000隻もありませんが…
後のセリフも意味不明の内容。2000隻以上あるフェリーを避難所にするというが、そもそも日本に2000隻もフェリーがあるのかが疑問。国土交通省海事局が公開した資料ではフェリー航路事業に用いられているフェリーの隻数は2022年で278隻しかない(数字で見る海事2022・各航路事業の業種別概要数から)。
どこから2000隻という数字が出たのかわからないが、もしかすると、国内の航路事業で用いられているフェリーを含む旅客船の数と間違えているのかもしれない。そうであれば2022年で2193隻(同)である。
代案を出すなら最低限、データは正確に出すべき。日本に存在しない「フェリー2000隻」と言われても主張そのものが架空の産物と言われて終わりである。仮に2000隻の船舶を避難所にした場合、定期航路で運航されている船舶まで避難所にするのであるから、海上交通網は完全に麻痺してしまう。そもそも民間の財産である船舶を国家が勝手に避難所にすることは財産権を保障した憲法29条に反することが理解できないのであろうか。総務官僚だった高井氏がそこに気付かないはずがない。
キャンピングカー20万台近くを借り上げも同様。個人の財産を「能登半島地震だから、国に貸しなさい」と言われて素直に頷く人がどれだけいるのか考えてから主張した方がいい。また、国内のキャンピングカーの保有台数は2022年で14万5000台でしかない(日本RV協会・【キャンピングカー白書2023 発行】2022年キャンピングカー販売総額が過去最高の762億超え!)。「20万台近くある」というデータはどこから持ってきたのか示していただきたいものである。
◾️元セクシーキャバクラ議員の話を誰が聞く
公共放送の討論番組で公党の幹事長の主張が、このような虚偽の事実、データに基づくものでいいのか、我々は真剣に考えなくてはならない。SNSの発達でフェイクニュースの多発が現代的な問題として取り上げられることが多いが、公共の電波でこうしたフェイクニュースが拡散されるのは由々しき問題である。
こうした場合、発言者の資質に触れるのはフェアーではないのかもしれないが、あえて書いておこう。高井幹事長はかつて立憲民主党に所属し、衆議院議員だった2020年4月に新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言の発令後に新宿・歌舞伎町の飲食店(セクシーキャバクラ)で遊興していたことが報じられ党を除籍されている(NHK・立民 高井議員「セクシーキャバクラ」利用で除籍処分)。その後、2度落選し、流れ流れて議員の身分がないまま、れいわ新選組の幹事長に就任した。
モラルもルール遵守の意識も持ち得ない元議員という意識を持つ人は少なくないと思われる。そのような人間が幹事長となってNHKの番組で政権批判、控えめに言って電波の無駄遣いである。
れいわ新選組が誰が何を主張するのも勝手であるが、事実と異なることを公共の電波を使って撒き散らす行為は許されないことぐらいは理解していただきたい。