蓮舫氏vsコミュノーの戦い 衣塑子記者の影も

The following two tabs change content below.
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 東京都知事選挙(7月7日投開票)を前に、X上で蓮舫候補とコミュニティノートの静かな戦いが進んでいるように見える。7日の投開票を前に候補者やその支持者と思われる人々によるX上での情報発信が活発になり、その動きに合わせるようにコミュニティノートにもこれまでにない動きが見られる。東京新聞の望月衣塑子記者を擁護するコミュニティノート作成者も加わっており、何やらきな臭さが漂う。

◾️望月衣塑子記者のポスト擁護する協力者

蓮舫候補のポストにはコミュニティノートが付けられた(同氏アカウントから)

 X上で蓮舫候補は頻繁に情報発信をしている。この中で現職の小池百合子候補を攻撃するポストに対しては、コミュニティノート(以下、ノート)が付くことが多い。直近では以下のポストにノートがついている。

生きた税金の使い方をしましょう。プロジェクションマッピングの予算は、関連事業を含めて2年間で48億円。たとえば、住民税非課税世帯で子どもが3人以上いる家庭にひと月2万円の家賃補助をしたら年間で48億円。どちらに都税を使いますか。(7月1日午後9:21

 これに対しては2023年度のプロジェクションマッピングの予算は7億円で、2024年度は9億5000万円とされていることが報じられていること、また、住民税非課税世帯への支援金は2024年度は子1人つき5万円等があるなどを指摘するノートがつけられた。これは2日23時の時点で表示されておらず、多様な人々から評価されれば一般に表示されることになる。

 筆者(当サイトの松田隆)はノートの協力者のため、表示される前のノートを見ることができ、これを表示させるべきか、させるべきでないかの評価をすることができる(参照・コミュニティノート作成してます Xの”ご意見番”)。

望月記者のポストに付いたノート

 蓮舫氏のポストにノートを付けた協力者のコードネームはAdventurous Marmalade Cardinal。プロフィールを見ると作成ポイント0、評価ポイント7と低く、最近、協力者として活動を始めたばかりと思われる。作成ポイントが0だと1日に作成できるノートは5つまでと限定される。要は素人に毛が生えた程度の協力者である。

 このノートを受け、追加の背景情報が必要ない理由を説明するノートがつけられた。プロジェクションマッピングの予算は合計48億5000万円、すなわち蓮舫候補の主張は正しいことを主張し、主張が正しいからノートは不要とするものである。

 こちらの協力者のコードネームはInformative Avocado Parrotで作成ポイント36、評価ポイント229。この協力者の過去の作成したノートを見ると、東京新聞の望月衣塑子記者のポストについた批判的なノートに対して、同記者を擁護する立場でのノートを立て続けに4つ作成している(いずれも非表示、5連続のうち4つ作成)。

 また、望月記者も参加していた旧ジャニーズ事務所の会見でのNGリストに関する産経新聞のニュースへのノートも作成しており、実は望月記者本人ではないかという疑いもかけられるような協力者である。もちろん、それは想像でしかないが、そうでなくても社民党大椿ゆうこ副党首などのポストを擁護する立場でのノートも作成しており、もとから”左翼臭”のする協力者ではある。

◾️ほとんどが作成ポイント0

 もう少し蓮舫氏のポストを見てみる。神宮外苑の開発について新たな提案をしたポスト(6月29日午後1:33)には2日23時の時点で合計7(ノート不要とするもの1を含む)のノートが付けられている(どれも非表示)。

協力者は以下の通り。

Resilient Blueberry Puffleg 作成0、評価9

Committed Aspen Kingbird 作成0、評価2

Winning Freshwater Kingfisher 作成0、評価52

Miraculous Blossom Turkey 作成23、評価128

Temperate Flower Kestrel 作成0、評価213

Magnificent Lumber Skylark 作成0、評価25

Brawny Wind Crane 作成0、評価11(ノート不要とするノート作成者)

 ご覧のように、7人中6人が作成ポイント0である。ほとんどの作成者がつい最近、協力者の資格を得たと思って間違いない。作成ポイントを得るためには作成したノートがさまざまな考えの人から一定評価を受け、表示されなければならない。1つ表示されて1ポイント。筆者も最初の作成ポイントを得るためには結構苦労をした。

 筆者の経験則からして、特定の思想に偏ったことが明らかなノートは表示されることはない。上記の協力者は1人を除き、最近、協力者として登録され、作成ポイントを稼げないまま1日5つまでしか作成できない状況で、蓮舫氏のポストを結果として批判するノート、または、結果として擁護するノートを作成しているのである。どういう人たちなのかは想像がつく。

◾️サイバー空間の戦い

 全国的な注目を集める都知事選挙は、現代の選挙らしくSNSが最大限に利用されている。都内で演説を行えば、その様子はXで報告され、YouTubeでは候補が自らのチャンネルで直接、視聴者に話しかけられる。

 小池百合子候補のXのアカウントはフォロワーが91.1万と100万に迫る勢い。蓮舫候補は56.5万、石丸伸二候補も49.5万と50万まであと一歩のところまで来ている。いずれも自らが何らかの情報を発信すれば、その支援者・支持者がすぐにリポストをして情報は一気にサイバー空間を駆け回る。

 こうしたSNS上の情報発信は候補者には大きな武器になるが、他陣営も同様に使ってくると自らを攻撃するツールとなり、下手をすれば致命傷ともなりかねない。各陣営ともSNSは諸刃の剣であることは十分に意識しているはず。

 こうした他陣営からのネガティブキャンペーンに対抗するには、リプライをつけて反論することが考えられるが、各候補のポストには投稿と同時に多くの支援者コメントがつくため反論のリプライをしたところで、そうした”支援の大波”のようなリプライに飲み込まれてほとんど人目につくことはない。そうなると他陣営からのネガティブキャンペーンに効果的な反論というのはしにくい。政策重視の候補と、他者への攻撃を中心に考える候補とでは、Xというシステムは後者に有利に働くようになってしまう。

◾️コミュニティノートの有用さ

 ここでネガティブキャンペーンへの有効な対抗策となり得るのがコミュニティノートである。もはや説明の必要もないと思うが、ノートは「ポストの背景情報を、多様な視点を持つ広範な人々に役立つ方法で提供することを目的」としており、投稿されたポストを補足する情報として、当該ポストの直下に付けられる。

 ノートは客観的な立場から情報を補足するため、ポストの客観的な誤りが指摘されることが少なくない。他陣営の自分を攻撃してくるポストを客観的に批判してくれるのであるから、攻撃を受けた陣営にとっては実にありがたい。そうすると、その支援者たちが選挙戦の前あたりからノートの協力者として登録を始めたのではないかという予測は立つ。あるいは、以前から協力者であった者が、支援する候補のために擁護するノートを作成することも考えられなくもない。

候補者の演説を聞くために集まった聴衆(撮影・松田隆)

 現代の選挙戦はSNSが主戦場と言ってもよく、その中で他候補者を利するポストに補足する情報を付けられるノートは効果的な反撃のツールとされている。

 現代社会は多くの人が情報をサイバー空間から入手することが多く、SNSは新聞やテレビを上回る影響力を持つと考えられる。その中で表示されるノートも候補者の主張に対する影響力を有するのは間違いない。さらに言えば、相手陣営のSNS上の事実に基づかない攻撃から身を守るにはノートの力を借りるしかない。

 筆者は協力者として、特定の候補者に有利不利にならないようにノートを(役に立たなかった、を含め)評価していこうと考えている。

 なお、今回の都知事選には上記で紹介した候補以外に元航空幕僚長の田母神俊雄氏、政治団体職員の桜井誠氏、タレントの清水国明氏らを含め、計56人が立候補している。

    "蓮舫氏vsコミュノーの戦い 衣塑子記者の影も"に1件のコメントがあります。

    1. 野崎 より:

      ●新トリックスターの登場 (記事とは異なり失礼します。)

      山本太郎とは異質のトリックススターの登場である。
      パートナーシップ条例導入、LGBT推進、移民賛成の人物である。
      その名は石丸伸二。

      石丸元市長はYouTube、切り取り動画を駆使した演技演出印象操作(すり替え詭弁)劇場型プロパガンダにより注目を集める戦術により台頭し、しかして安芸高田市を見捨て(利用し)都知事選へと打って出た。その戦略であった。

      これに類した手法は政治家を志す者にはあることだろう。
      しかし石丸元市長はその資質が他とは異なる、それは山本太郎に共通したサイコパス的要素を持つトリックスターであり、山本太郎に同じく他者が通常行わないあざむきを行なう、その大衆操作、人心収攬術はそれなりの効果があり今般の人気拡大の所以だ。

      上記の資質に関しては吾輩の評価であり石丸伸二をよしとする支持者数は今や蓮舫をしのぐ勢いだとか。

      だが文頭に帰した以下の点は明確である。

      山本太郎には立脚する明確なる価値観はなく(高市早苗氏の言う何よりもまず理念)思想性も無い。
      石丸伸二は明確にリベラル左翼、若い頃より上野千鶴子を師と仰ぎ安芸高田市で上野千鶴子の講演を行なわせたLGBT推進,パートナーシップ条例導入、移民賛成のラジカルファシストである。

      石丸伸二の当落は別にして新たなファシストトリックスターの登場に対処せねばならない。
      今後の若い衆達への洗脳工作を粉砕せねばならない。

      その意味において今後の地道なるカウンタープロパガンダは重要である。

      御返信は不要です。

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です