「表現者を萎縮させろ」と迫る記者

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 川崎市の福田紀彦市長が7月17日、記者会見し、一部記者から政治団体主催者の思想改造をすべきという趣旨の質問が出された。本来、表現の自由を守らなくてはならない記者の、信じ難い質問である。

■神奈川新聞の記者か?

会見する福田紀彦市長(YouTube画面から)

 記者会見では7月12日にJR川崎駅前で行われた政治団体による街宣についての質問があった。質問者は、声や、その後の質問者の指摘などから神奈川新聞の石橋学記者と思われる。ヘイトスピーチに対して罰金刑を科す「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」が7月1日の施行後、初めての街宣とあって全国的に注目を集めた件で聞いている。

記者:…(ヘイトスピーチを禁じる条例)12条にあたらないからといって、それが必ずしも許容されるものではないんだ、と。12条にあたらないからといって、問題がなかったわけではないんだ、ヘイトスピーチはなかったというわけではないんだと、そういう判断はしていないんだということを、変な誤解を生まないために(川崎市が)表現していくことが大切かと思うがいかがでしょう。

 この質問には驚かされた。条例12条はヘイトスピーチを直接禁ずるものであるが、それに抵触しなくても「問題あるぞ」と脅しをかけて表現者を萎縮させろと市長に言っているに等しい。

【川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例12条】

何人も…公共の場所において、拡声機(携帯用のものを含む。)を使用し、看板、プラカードその他これらに類する物を掲示し、又はビラ、パンフレットその他これらに類する物を配布することにより、本邦の域外にある国又は地域を特定し、当該国又は地域の出身であることを理由として…不当な差別的言動を行い、又は行わせてはならない。(以下略)

 これに対して福田市長は、さすがに表現の自由の重要性を口にした。

福田市長:今回の報告は12条に抵触しないと報告を受けている。そのことを過度に広げるのは条例の趣旨にも合っていないし、表現の自由をしっかりと担保しなければならないと思っている。…

 この中では、いわゆるカウンターデモをした集団のヤジが激しく、集会の自由を侵害しているのではないかという趣旨の発言も行った。

■暴走が止まらない 条例20条をよく読め

 しかし、記者の暴走は止まらない。

記者:…条例の趣旨、差別を許さないという趣旨に照らせば、そういうことは許されない、差別は許されないということを発信していくことが、条例が求めていることではないのか。そこ(集会)で言っていたことは、条例に反対している、憲法違反の条例なんだ、あるいは日本人を差別するということを言っていて、それはまさに、一番啓発をしていかなければいけない人たちだと思うんですね…

 つまり、法に反しないが、脅しをかけて主催団体者の思想を改造し、記者が考えるまともな人間にしろという、質問に名を借りた主張である。

 さすがに市長も「憲法上許されない条例だとかいうことを発言されることは、政治活動として十分ありうる話です。そんなことまで取り締まったらですね…」と答えている。

 この記者は条例を全部読んでいるのか疑問に思う。20条では以下のように規定されている。

【川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例20条】

この章の規定の適用に当たっては、表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。

■報道関係者を名乗る政治活動家か、法律を全く知らないバ●か

 この川崎市の条例は表現の自由について相当強度な制約をしている。公の場で、特定の主張内容について表現を禁じる表現内容規制であり、それは「安易に許せば政府によるほしいままの思想統制・情報操作へとつながる危険がある」(基本講義憲法 市川正人 新世社 p142)とされる。つまり、そう簡単には許してはいけない制約なのである。

 条例20条は行政の暴走を防ぐための極めて重要な条文。この記者は、その点を全く理解していないのではないか。「条例に抵触しなくても、脅しをかけて表現者を萎縮させろ」と市長にけしかけているのだから、新聞記者などではなく報道関係者を名乗る政治活動家・ファシストか、そうでなければ、法律を全く知らないバ●か、そのどちらかであろう。

 結局、この記者は「自分の気に入らない表現者の表現の自由を徹底的に潰せ、条例で定めたからできるはず」と言いたいだけなのであろう。このレベルの記者が会見に出ていること自体が、メディアに対する国民の信頼を失わせている原因になっていると思う。

3 thoughts on “「表現者を萎縮させろ」と迫る記者

  1. アバター 野崎 より:

    こんにちは

    ファシストが本性を現したということですね。

    石橋記者とその仲間、彼らは何者達か、以前、松田さんは左翼という言葉では一括りにできないと、私は、古い?表現で、反対制的人間達と、

    彼らは広義にアメリカのANTIFAと同じ類の人間、仲間であり、暴力性が特徴です。

    渋谷にもANTIFAを標榜する日本人達が現れた、クルド人に対する警察官の行為はアメリカのそれと同じだと

    立憲民主党の石垣のり子は、中国共産党のチベット、ウィグル、香港に対する圧政は問題
    であるが、日本の人権状況の方が問題であり、

    そして、私は喜んでANTIFAと呼ばれたい!と、

    彼らは何としても日本は差別がある社会としたいのでしょう。

    偽クリスチャン 奥田知志牧師は 相模やまゆり園事件の植松聖を時代の子であるとする、つまり日本社会には差別がある、そして社会を変えなければならないと主張する。

    精神科医、香山リカ氏は植松聖を異常者ではない、正常であるとする、一般人の中に差別があるとしたいのでしょう。

    川崎では条例という形で現れましたが、彼らは、空気、今言うところの同調圧力、社会に目に見えぬ形で、いわゆる差別はいけない、差別という言葉で自分達の価値観に反するものを封じ込める、事実上抹殺する、できる、その空気を作りたいのでしょう。

    石橋記者の主張はまさにそれ、
    ポリティカルコレクトネスというやつですね。

    何としても彼らの目的を粉砕し、血の歴史をもって築き上げた近代国家の自由を守らねばなりません。

    ニューズウィーク日本版 2014年6月24日
    「反差別」という差別が暴走する、の記事は彼らの存在をあぶり出した出色の記事であり、
    ジャーナリズムの矜持が見て取れます。

    ジャーナリスト、松田隆氏に大いに期待するものです。

    御返信は不要です。

  2. アバター 野崎 より:

    追伸

    伊藤詩織氏も彼らの仲間です。

    プロレスラー木村花さんの自殺をもって、誹謗、中傷を許さぬ社会にしたいと、そのために漫画家、はすみとしこ氏を名誉棄損で提訴すると記者会見した。

    しかし、はすみ氏への提訴は行われないと思っています。

    何故なら、自己の矛盾が露呈することになる、 記者会見そのものが目的だったのかも。

    御返信は不要です。

  3. アバター 野崎 より:

    追伸~2!

    香山リカ女史の、中指立てて、桜井! ブタ野郎! 死ね!

    これはヘイトスピーチか? 石橋記者に聞きたいものです。

    石橋記者のお仲間達によると、ヘイトではないそうです、差別者に対する怒りだと。

    ヘイトスピーチ、誰が言い出したのか? 広範に用いられるようになり、してやったりとほくそ笑んでいる?

    私はすぐにアングリースピーチだと、周囲の若い人達に言いました。
    アングリーの中にヘイトは含まれているが相手の対応によりすぐ消滅し場合によっては昇華すると。

    差別も定義があいまいなまま、レッテル張りとして、武器として使用されていますね。
    香山リカ女史に差別の定義を聞くと、それはすでに語られている、として答えない ソースはユーチューブ。

    私は差別ではなく評価だと、人は行いによって評価されると、

    キング牧師は言いました。

    ●私には夢がある、いつの日か私の4人の小さな子供たちが、肌の色ではなく人格で評価される国で暮らすことを、

    人も国家も同じだ、と若い人達に言っています。結構納得してくれます。

    比較文化論や文化人類学は差別ではなく評価ですね。

    ヘイトスピーチに対してはアングリースピーチ
    人種差別に対しては人種評価

    この言葉をカウンターとして流布させたかったのですが、、

    あるサイトでこのことをコメントしたら、
    いや、それは差別につながるからダメだ!! と、

    大丈夫、おたくの様な人たちが大勢いいるから、と返しておきました。

    効果はどうあれカウンタープロパガンダを発することは必要と考えています。

    御返信は不要です。

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