河野太郎発言の真意は「男系男子維持を最優先」

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

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青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。
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 河野太郎防衛相が23日にインターネット動画サイトのライブ配信で女系天皇容認論を語ったと報道されている。「河野防衛相が女系天皇容認論 次の天皇『内親王のお子さまも』」(産経新聞電子版)という見出しも出ているが、発言を聞く限り伝統の男系男子の維持を最優先で考えていることがわかる。それが困難な状況になった場合の旧宮家復活という手法に疑義を投げかけたもので、さらにその奥には内親王と旧宮家男性のご結婚の場合を考慮した深遠な思いが読み取れる。

■大前提は「男系でやるのが一番いい」

皇位継承問題について語る河野防衛相(【河野太郎のLIVE配信】河野太郎と語ろうの画面から)

 問題の動画は「【河野太郎のLIVE配信】河野太郎と語ろう」で全編1時間9分45秒。ユーザーから寄せられた質問に防衛相が答えていく形式をとっている。皇位継承に関する話題は44分28秒あたりから「河野さんは女系天皇をどう思ってるんですか」という質問に対して答えたものである。

 防衛相はこの点について、冒頭で以下のように明言した。

 「女系天皇…今の天皇家はずっと男系できてますから、それは男系が続くんだったら男系で、もう1000年以上来てるわけですから、それは男系でやるのがいいと思ってます」。

 つまり、男系男子が皇位を継承する現在の皇室典範第1条の規定を基本的には変更すべきではないという点を明言している。その上で旧宮家は600年前に現天皇家から分かれているため、遺伝子を調べて微妙に違いがあったらどうなるのかなどとして旧宮家復活に疑問を呈し、それならば女系天皇を容認すべきではないかという持論を展開している。

 産経新聞電子版は「女系天皇容認論」という刺激的な見出しを掲げているが、本文ではその点を「皇位継承のあり方について『1000年以上続く男系が続くなら男系がいい』と断った上で…」と書いてあり、見出しがミスリードするようになっている。この見出しであれば、河野防衛相は次期天皇に愛子内親王、その次は内親王のお子さまということを主張しているようにも見えてしまう。それで騒ぎが大きくなっているのであろう。

■旧宮家復活に慎重な姿勢

 河野発言は旧宮家復活に慎重な態度を示したことは疑いなく、それは既に長期間、民間人になっており、民間人をいきなり「次の天皇陛下です」と言っても多くの国民は納得できないという点にある。

 さらに、遺伝子、男系天皇であれば男子が持つY染色体こそが問題になるが、その点について「600年間、Y染色体が続いている保証はありません。また、Y染色体というのは突然変異しやすい、まあ、確率の問題ですよ。…回文構造という、同じものがこう、たくさん出るという意味で、Y染色体は突然変異しやすい」と慎重な姿勢を示した。

 そうであれば、現在、国民から敬愛されている女性皇族に、ご結婚されても皇族に残っていただくことを優先し男系男子が途切れるという万が一の場合に備えるべきという趣旨である。

■一番の狙いは内親王と旧宮家男性のご結婚の場合か

 ここから先は個人的な見解なので、そのつもりで読んでいただきたい。

 僕個人も、皇位継承資格者を男系男子に限った現在の皇室典範第1条の規定を支持する。日本の伝統に忠実な方法であるというのが、その理由。もちろん、歴史上、女性天皇は存在したが男系の女性天皇であり、1代限りの特例にすぎない。代々の天皇家が有したY染色体は連綿として維持されている。

 河野発言の一番の狙いは、現在の内親王が旧宮家である天皇家のY染色体を有する男性と結婚された場合に、宮家を創設することにあると思う。そうであれば男系維持を主張する人々は納得できるであろう。仮に旧宮家復活を単純に認めた場合、現在の皇室典範を維持する限り、復活した宮家の男子が、現皇室の内親王はもちろん、内親王がY染色体を持つ旧宮家出身の方と結婚され、生まれたお子さまに対しても皇位継承で優先することになってしまう。

 Y染色体を持っているからと言って生まれた時から民間人だった人を、内親王とY染色体を有するそのお子様に優先させて国民が納得するかと言われると、意見は様々であろう。

 そこで、可能性としてY染色体が突然変異していることもあるから、旧宮家の復活は慎重に構える。しかし、内親王と結婚される場合には、そのY染色体を調べることもできる上、内親王の皇族として国民の敬愛を受けているという状況、そして生まれたお子様は生まれた時から皇族であるという事情から、国民感情としても受け入れやすいということであろう。

 仮に内親王が即位されるような状況になった場合でも、歴史上存在した男系の女性天皇であるから問題ない。そして、そのお子様が旧宮家を通じたY染色体を持っていれば、男系は維持される。歴史上では女性天皇の資格をお持ちの内親王のお子さまが、男系男子の皇子と同じY染色体を持つパターンであるから問題ないというロジックである。形の上で女性宮家創設となるため、その男子が即位する場合は国民の間に違和感を覚える者もいるであろうから、①受け継がれたY染色体、②内親王が有している皇族としての信頼、この2つの切り札で天皇という地位を担保しようというのであろう。もちろん、悠仁親王を通じた男系男子の維持が最も好ましいのが前提である。考えようによっては国民から敬愛される皇室を維持しようという思いの強さが示された発言である。

 以上の点を考えると、河野防衛相の真意は旧宮家復活は認めないのは明らか。その上でY染色体を持つ人と、内親王がご結婚された場合に限り宮家を創設するが、あくまでも男系男子の伝統は維持していくということにあると思う。

■河野発言は慎重に読み解く必要性あり

 上記のような考えは、様々な問題を含んでいるため、閣僚であれば言えない点もあるはず。特に内親王が旧宮家の男性と結婚することは現段階では全く話が出ておらず、それを前提に話すことは、僕のような市井の民なら言えても、閣僚であればすべきではない。

 「女系天皇容認」発言は間違っていないのだが、河野防衛相の真意は「男系男子を維持しつつ、万が一の場合には、男系女性天皇の皇子でも天皇家のY染色体を持っていれば皇位継承者として認める」にあると、僕は思う。

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