野党の主張は子供騙し 日本学術会議
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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日本学術会議の新会員候補6人の任命が拒否された問題で、野党や一部メディアは「学問の自由の侵害」として追及すると報じられている。菅義偉首相は「学問の自由の侵害は全く関係がない」と否定している。一体、どちらが正しいのか。
■日本学術会議は「特別の機関」
日本学術会議は1949年に「政府から独立して職務を行う『特別の機関』として設立」(日本学術会議HPから)された。その職務と役割について、同HPでは以下のように説明している。
<日本学術会議の職務>
・科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること。
・科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること。
<日本学術会議の役割>
・政府に対する政策提言
・国際的な活動
・科学者間ネットワークの構築
・科学の役割についての世論啓発
※(日本学術会議HP「日本学術会議とは」から)
学者の国会と呼ばれているようであるが、大事なことは日本学術会議は大学などの教育機関ではなく、学者による社会に貢献するための機関、まさに特別の機関と言っていい。
■学問の自由の侵害例と日本学術会議
メディアは訳が分からないまま「学問の自由の侵害」と言っているように見える。例えばテレビ朝日はANNニュースで「野党『学問の自由を侵害』 政府を徹底追及の構え」という記事を放送(配信)している。
そもそも「学問の自由」とは何か。その直接の根拠となる条文は憲法23条である。
日本国憲法第23条【学問の自由】
学問の自由は、これを保障する。
句読点を入れてわずか15文字の文言が、日本の学問の自由の保障をしているわけだが、これは学問に対して政治権力が一切口出しをしてはいけないということを意味するものではない。案外、狭い範囲の保障に止まっていると感じる人は多いと思う。現立憲民主党の小西洋之参議院議員は憲法の故芦部信喜氏をずいぶんと気に入っていたようなので、その著書から紹介しよう。芦部氏は憲法23条の保障内容について2つを挙げている。
①「国家権力が、学問研究、研究発表、学説内容などの学問的活動とその成果について、それを弾圧し、あるいは禁止することは許されないことを意味する」
②「学問の自由の実質的裏づけとして、教育機関において学問に従事する研究者に職務上の独立を認め、その身分を保障することを意味する」
(憲法第4版 芦部信喜 岩波書店 p161)
上記の芦部氏の著書を見れば、菅義偉首相の任命拒否が、①と②にいずれにも抵触していないのは明らかであろう。
首相は特別の機関である日本学術会議の会員に任命することを拒否したに過ぎず、その学問的活動と成果について弾圧もしていなければ、禁止もしていない。拒否された6人は引き続き大学で研究を続け、成果を発表することができるのであるから、①を侵害していないのは明らかである。
また、教育機関における6人の職務上の独立を侵害していないし、身分保障を侵害していない。特別の機関の会員になることを拒否しただけである。②にも抵触していない。
■子供騙しの政府批判はやめたらどうか
そもそも学問の自由は、戦前、政府による学問への干渉があったことの反省を踏まえて規定されたものとされる。前出の芦部氏の著書では「学問の自由ないしは学説の内容が、直接に国家権力によって侵害された歴史を踏まえて、とくに規定されたものである」(憲法第4版 芦部信喜 岩波書店 p159)。
この政府による侵害は「京大滝川事件」であり「天皇機関説事件」が代表例である。前者では京都大学の滝川幸辰教授に対して文部大臣が休職を命じ、後者では美濃部達吉氏が公職追放され、その著書が発禁処分とされた(基本講義憲法 市川正人 新世社 p132)。
まさに上記の①、②に抵触する露骨な学問の自由に対する侵害が行われた事例であり、それと今回の日本学術会議の問題を同一視し、学問の自由の侵害と同列で扱うことがいかに非科学的なことか、野党や一部メディアは理解できているのか疑問である。
憲法を少しでも勉強した人間なら、野党や一部メディアの主張が全く的外れであることはすぐに理解できる。子供騙しのような政府批判はいい加減、やめたらどうかと思う。
日本学術何チャラは例の飯塚幸三氏が委員長だったという時点で詰みな気がしますが。
静岡県知事の看過できない発言や中国との関係が次々取り沙汰されてることなどもありますし。
税金の不透明な流れの際たるものという気がしています。
これを機に全廃が望ましいと強く感じます。
>>学術会議解散を様
コメントをありがとうございます。
全廃しても、多くの国民は何も困らないのではないでしょうか。偏った考えにとらわれている学者の既得権を守る場でしかないのであれば、廃止でもいいと思います。
2017年の学術会議が出した、日本の「軍事研究」は行わないとする声明が問題だと思います。軍事研究でインタネットやGPSが開発されました。北大で泡で船舶の航行がスムーズになる研究(流体科学)を学術会議が乗り込んで中止させた事実。誰もが自由で好きな研究をする事が大事で、制約されたりしたら萎縮してしまします。若手の研究者や学術会議と関係ない研究者はこの声明に依って学問を侵害せれています。これが学術会議の実態ではないでしょうか。
>>山口 秀明様
コメントをありがとうございます。
北大の件は、学術会議こそが学問の自由を制約しているという、よい例ですね。頭のいい人が集まっているのですが、そういった基本的なこともわからない人が多いというのは困ったものです。
これを機に解体してもいいのではないでしょうか。