負けるなファミマ「お母さん食堂」守れ表現の自由
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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ファミリーマートの惣菜シリーズ「お母さん食堂」の名前を変更してほしいという署名活動を、関西の女子高生が開始した。「お母さんが食事をつくるのが当たり前」という無意識の偏見を助長しかねないというのが理由。企業の活動への妨害、表現の自由の制約を狙っていると思える行為には疑問が多い。そしてこの原点は1975年のある事件に遡れる。
■関西の女子高生3人が(「お母さん食堂」やめろ)
署名活動はオンライン署名収集を業務とするChange.orgで行われている。実行しているのは「食堂 プロジェクト」で、その紹介文を見ると「私たちは兵庫、京都、岡山の高校生です。ジェンダーの固定観念につながる問題を解決するために活動しています。」とある。
キャンペーンの名称は「ファミリーマートの『お母さん食堂』の名前を変えたい!!!」というもの。その趣旨として以下のような説明がされている。
このままでは、「お母さん=料理・家事」をするというイメージがついてしまい、そのうえ、男性が協力して家事をしようと思うことも少なくなってしまいます。…「お母さんが食事をつくるのが当たり前」という意識を植えつけてしまう「商品名」は、子どもをはじめすべての人に対し、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)を深刻にする原因にもなります。
該当ページにはイラストもあり「食事を作るのはお母さんだけですか? 性別によって役割を決めつけることがない社会いしたい!」という文言。この署名に対し、12月30日午前の段階で5,000人を超える賛同者が集まっている。
■お母さん食堂からイメージされる健やかな生活
3人の女子高生には(勝手にやってください)と言いたいところだが、そうも言えない。ファミリーマートの業務を妨害しているのではないかという点が気に掛かる。
ファミリーマート自身もビジネスインサイダーの竹下郁子氏の取材に答え「お母さん食堂は、家族の健やかな生活を想って作った、美味しくて安全・安心な食事と食材を提供するブランドです。お客様にとって一番身近で美味しくて安心できる食堂を目指しています。(以下略)」(ファミマ「お母さん食堂」の名前変えたいと女子高校生が署名活動、「料理するのは母親だけですか?」)。
「お母さん食堂」という名称からイメージされるのは、ファミリーマートが言うように「健やかな生活、美味しくて安全・安心」であるとか、単純に母親の子供に対する愛情などであろう。特に上京して一人暮らしの大学生、ビジネスマン(女性も含む)が思わず手に取ってしまうようなネーミングだと思う。そして、お母さん食堂のキャラクターはタレントの香取慎吾氏、男性である。
企業がそうしたイメージからネーミングしたものに対して政治目的で要求を突きつけることは業務妨害罪(刑法233条後段)とは言わないまでも、対応させられるファミリーマートにとってはいい迷惑。企業がこのような抗議を受けると「女性を連想させる商品名はクレームがつくから、やめよう」という萎縮効果に繋がり、表現活動そのものが目に見えない制約を受けることになりかねない。
女子高生3人にどのようなバックがついているのか分からないが、社会に対して問題提起するなら社会通念や、表現の自由という国民の重要な権利への影響も考慮に入れて判断した方がいい。自分たちが気に入らない表現をさせないように圧力をかけることの身勝手さ、表現の自由の軽視に思いを致さなかった不道徳さを省みるべき。社会通念に照らせば、「お母さん食堂」が性別による役割の固定化につながると考える人などほとんどいないと思われる。
■故市川房枝氏のラーメンのCMへの言いがかり
この類のクレームで有名なのは、1975年、市川房枝氏(故人)などによるハウス食品に対する抗議活動である。ハウス食品が発売したインスタントラーメン「ハウス シャンメン しょうゆ味」のテレビCMで、ラーメンが置かれたテーブルの前で、女性と女児が「わたし、作る人」と言い、続いて男性タレントの佐藤祐介氏(故人)が「ボク、食べる人」と言う、他愛のないものである。
これに対して市川房枝氏らが「男女の役割分担を固定化するものである」と抗議し、ハウス食品は放送中止を決めた。この経緯は「シリーズ20世紀の記憶 1969-1975なごり雪の季節」(毎日新聞社)の中でも写真付きで紹介されている。また、今でもYouTubeで実際のCMも見ることができる。
45年前の事件は当時、かなり話題になり、市川房枝氏らの行動に批判的な声も少なくなかった。結局のところ、今回の3人の女子高生も45年前と同じ場所に釣り糸を垂らしているに過ぎない。
■クレーマーに負けるなファミリーマート
こうした行為は、表現の自由を軽視するもので安易に受け入れてはいけないと考える。ネーミングが特定の団体や個人を貶めるようなもの、公序良俗に反するものであれば、表現を改めるように働きかけることは妥当性を持って社会に受け入れられるであろう。
しかし、ファミリーマート側も性別による役割の固定化など考えていないのは明らか。それを独善的で、社会通念から逸脱した解釈を根拠に変更を強いるものであれば、企業はそのような圧力に屈するべきではない。
45年前、ハウス食品はすぐにCMを打ち切った。これは(文句を言えば企業は引っ込む)という思いを市川房枝氏らのクレーマーに抱かせた点において、大きな間違いであったと思う。ファミリーマートには毅然とした態度で抗議に向き合ってほしいと願っている。
ファミマには、嫌がらせに負けずとことん頑張って頂きたいですね。
左派が子供を使うのは末期症状なのかもしれません。
紅衛兵しかり、ピオネールしかり、グレタなんとかさんしかり。
>>新田 永子様
コメントをありがとうございます。
>>ファミマには、嫌がらせに負けずとことん頑張って頂きたいですね。
本当にそう思います。中学生のころ、ハウス食品が市川房枝氏らの要求に屈したことが悔しくてたまりませんでした。クレーマーの圧力を跳ね除けて、国民の権利を守ってほしいと思います。
子供を利用するのは朝日新聞も得意ですね。背後にいる大人を叩くのが大事ですが、藁人形になっている子供にも容赦せずに筋を通すべきだと感じています。
こんな言い掛かりつけるからこんな反発が出る。
https://twitter.com/nipponkairagi/status/1344138960268750849
この飲食店などにクレームつけないと露骨なダブルスタンダードになる。
またまた分かり易く論理的な記事をありがとうございました。
このニュースを聞いた時、真っ先に思い出したのがタカラのダッコちゃん人形、カルピス社のロゴマーク、さらには童話「ちびくろサンボ」、さらにごく最近の食卓に座ってい食事している菅総理の写真等の問題(?)です。私には、今回のファミマの「お母さん食堂」、何がいけないのか私にはさっぱり分かりません。
私が生まれ育った家庭は母親が専業主婦でしたが、大人になってからいつも炊事、洗濯をありがとうと感謝の気持ちで一杯になりましたが、上記のように「お母さん=料理・家事」というイメージは全くありませんし、子どもの時も母親より父親の方が偉いなんて一切思ったこともありません。仮にその女子高生の主張する事が正しいのであれば、「お父さん食堂」だったらどう思うのか、是非聞いてみたいものです。
ちなみにこの「お母さん食堂」のイメージキャラは、元SMAPの香取慎吾さんと伺っております。
>>スッパまん様
コメントをありがとうございます。
1980年代後半ぐらいから、言葉狩りは問題になりました。今回の件も同じようなものだと思います。自分が気に入らない表現をさせないという、偏見に満ちた考えです。それに唯々諾々としたがってしまう団体があるから、抗議する側がつけあがるという状況があったのは否めないと思います。
これを機に、ファミリーマートには毅然とした態度で、クレーマーを突き放してほしいと思っています。
庶民な我が家に「台所」はありますが「食堂」はありません。
「食堂」から連想するのは「飲食店」です。
お母さんが一念発起して立ち上げた店舗。そんな印象を
「お母さん食堂」からは感じます。
経営者ですよね?どこが問題なんでしょうね。。。
それはそれとして、「調理」が苦役であるとか、
「食事を供する側の人間」が下賤だとか、
封建時代のような考え方をする人たちが
この令和の時代に存在している事実に驚愕しています。
グループ内で最も優れた技量を持つ者が、
喜ばれながら腕を振るえばいい、
調理が好きな人間が調理をすればいい、
嫌なら対価を払って楽をすればいい、
それだけの話ですね。
>>テトラスケリオン様
コメントをありがとうございます。
>>グループ内で最も優れた技量を持つ者が、
>>喜ばれながら腕を振るえばいい、
これです。これに尽きますね。
その意味で用いたネーミングを「性別で役割分担」と曲解するのが女子高生であり、竹下郁子氏であるという結論でいいのかと思います。
青山学院大学大学院法務研究科出身にもエセフェミがいるとは…たまげたなぁ