女に狙われた女性 恐怖と怒りの記憶 (1)
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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モデルのラブリさん(31)が知人女性に対する強制わいせつの容疑で書類送検されたとする事件は、社会に衝撃を与えた。レズビアンに襲われた女性の恐怖と怒りはいかばかりだったか。当サイトでは3年以上、女性につけ狙われた女性に話を聞くことができた。女性の同性愛者からの性的な被害はあまり表に出てこないが、同性であることを利用するなど卑劣で許し難い実態が明らかになった。連載でお伝えする。
■小柄で童顔 キュートな女性がターゲットに
被害を告白してくれたのは首都圏に住む40代後半のVさん。既婚で身長は152cm程度。小柄、童顔で年齢より若く見える。男性から見てキュートで魅力的な女性と言える。実際にこれまでセクシャルハラスメントに遭うことも少なくなかったとのことである。
そのVさんがノイローゼ寸前にまで追い込まれるきっかけになったのは、30代後半だった2011年、主宰する東日本大震災関連のボランティア活動にある女性が参加を申し出てきたことにある。後にVさんを付け狙うことになるAさんは2011年11月、友人とともにボランティアに参加したいと申し出てきた。2歳下の既婚者、身長は157cm程度、写真を見る限り多少肉付きがいいことを除けばごく普通の女性である。”ごく普通”とは、Vさんのようにキュートではないという意味である。
後にAさんはネットで自身について「私はバリタチ」と書き込む。「タチ」とはレズビアンで能動的な性行為を行う者のことである。「バリ」は「バリバリ」、つまり精力的に、エネルギッシュに男性役をこなすレズビアンということであろう。しかし、やってきた当初はそうした素振りは見せなかったという。
Vさんは、Aさんが有名私大を出ており、ボランティアでも中心的な活躍ができるとみていた。そのため、ボランティア終了後、2人で近所のファミリーレストランで打ち合わせをすることがが多くなった。いずれは代表の肩書をAさんに譲り、自身は支援団体を維持するためのマニュアル作成や資金調達、広報などバックアップをする側になることを考えていた。
しかし、そのAさんに対し、徐々に不信感を持つようになっていく。(何かおかしい)。そう思わせる言動が目についてきたのである。以下、Vさんの独白である。
■いきなりされたキス「口にちゅーされたことあるんだよ(^^) 」
2012年の8月のことです。ファミレスで打ち合わせをしたのですが、その時はパスタなどをつまみながらお酒を飲みました。飲んだ席ということもあって雑談が多くなり、Aさんは「好きな人はいますか、女性の同性愛の友人がいるのですが、どう思いますか」などと聞いてきました。
私は自身の周囲に女性の同性愛者がいないので何もイメージができないこと、また同性愛をいい、悪い等で区別するのもおかしいという考えを伝えました。彼女はそれ以上、何も言ってきませんでした。
その時は、同性愛をいちいちラベリングしてジャッジするのは違和感があるというのを伝えたかったのだろうと思いました。
店を出てから、Aさんに手を繋がれました。同性ですし、邪険にするのも不自然ですから、そのままにしていると手を引っ張るようにされたため、躓いてしまいました。それで顔を上げると、いきなりAさんの顔とガンという感じでぶつかったのです。唇と唇も触れたのですが、それよりも顔がぶつかった感じでした。
数日後、ボランティアの作業場に来た彼女は「あの時、私、何かしませんでしたか? 大丈夫でしたか?」と何度も聞いてきました。その後、2年以上してですが、彼女のブログには「あたしVさんに口にちゅーされたことあるんだよ(^^) …女の人ってこんなにやわらかいんだなぁ~と思った記憶がある。ポッて感じだった(^^)」と書かれました。そのブログも私を悩ませることになるのですが、それは後で触れます。
実際は、彼女が、躓いた私を心配するフリをしてキスをしてきたのです。その時の印象は「この人気持ち悪いな」というものでしたが、当時はまさかレズビアンだとは思いませんでした。ただ単純に「気を抜くと甘えてくる面倒な人」という感じで、ボランティア活動をする上で、多少のやりにくさを感じてはいました。
■メールの末尾に「好きなんです」
実はそれ以前にも、彼女に悩まされるようなことがありました。同年6月、ボランティアのリーダー(指導的立場の人たち)で東北の現地視察を行いました。視察から戻ると彼女から「団体と距離を置きたい」という連絡がありました。無償のボランティアですから引き止めるわけにもいかず「ご自身のタイミングで負担なく」と伝えると、長文のメールがきました。内容はともかく、末尾に「好きなんです、気持ち悪いですよね」との言葉があるのには驚かされました。
その後、メールで「会ってほしい」というメッセージがきましたが、無視していると、Aさんの夫から電話が入ったのです。その内容は「お慕いしているのに想いが返ってこないとウチのが泣いています」というもの。その背後で夫に文句を言うAさんの喚き声が聞こえます。
それからも電話やメールは続きましたが、やがてAさんからリーダー全員のメーリングリストに「個人の感情を持ち出して申し訳ない。原点に戻り東北のために尽くしたい」という反省のメッセージが送られました。非常識にもほどがあると思いますが、こんな感じで、私たちのボランティアは彼女にペースを狂わされていました。
■「レズビアンの可能性があるよ」
Aさんとの間で多少のやりにくさを感じているとともに、彼女の行動に違和感を覚えるようになっていました。例えば参加者の女性スタッフのことを「あの人ノーマークだった」と嬉しそうに言ったり、いつもジーンズをはいている私がワンピースを着ていった時に顔を真っ赤にして視線を合わせなかったり、私がこれまで経験したことがないような言動をするのです。何かおかしい、という思いは徐々に強くなっていきました。
2012年10月、宮城県のある町でイベントを実施することになりました。そのため仙台のホテルに宿泊することにしたのですが、そのホテルは温泉やサウナがついています。
出発の2、3週間前でしょうか、友人(女性)と2人で食事をする機会があり、その時にボランティアのことをあれこれ話しました。「ちょっと困っている人がいる」ということを話し、これまであったことを説明しました。その友人はネットで検索すると、レズビアンがカミングアウトするときのマニュアルのようなものを見つけ、その中に「自分の知人にレズビアンがいる」「好きな人がいますか」と聞くというのを見つけてくれました。
友人はスマホを操作する手を止めて、こう言いました。
「その人、レズビアンの可能性があるよ。とにかくお風呂だけは避けた方がいい」
■「お風呂だけは気をつけよう」警戒しつつ被災地へ
友人の話を聞き、(まさか)という思いと(やっぱり)という思いが交錯しました。私は女子高出身ですが女性の同性愛者には会ったことがありませんし、女性が私を性欲の対象として見るはずがないという思いがありました。そう考えると(まさか)と思う気持ちはあります。
しかし、Aさんの実家が現場の近くにあるのに、同じホテルを予約していることを考えると、(やっぱり)という思いが強くなる自分がいました。
お風呂には十分気をつけよう、という思いで私はスタッフとともに仙台に向かいました。しかし、その悪い予感は的中することになります。
(第2回へつづく)
誰しも性犯罪被害者にならないよう注意をしているでしょうが、その対象は異性であって
、同性間の性被害は想定外ではないでしょうか。被害体験の声は、説得力がありますね。
社会に燻っている闇のテーマを掘り起こしてこそのジャーナリスト。こちらのサイトを知ったのは昨秋で、時間が取れた時に過去記事を読んでいますが、大変勉強になります。
松田さん、私へのお気遣いは不要ですよ。
コメントは、良い記事へのお礼であって、お返事を期待しているわけではないので。
貴重な時間は、取材に使って下さいませ
>>月の桂様
コメントをありがとうございます。
今回、僕も話を聞いて衝撃を受けました。同性であることを利用したアプローチ、とても卑怯です。LGBTの人権は大事ですが、そこで被害を受けている非LGBTの存在はそれほど世間で認識されていません。
そうしたことで困っている人がいるということを少しでも多くの方に知っていただきたいと思っています。
過去記事をご覧になっていただいているとのこと、大変、光栄です。もう800本前後アップしているので、どうかお楽しみいただければと思います。これからも当サイトをよろしくお願いいたします。