1か月前の記事に注目 中居正広さん案件

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 1か月以上前に公開した記事に15日、突如、アクセスが集中してサーバー障害が発生した。芸能界を引退した中居正広さんに関する記事で、Xで拡散されて多くの人が訪れたものと思われる。週刊文春の報道を受けて中居さんバッシングが激しい時期に「冷静になりましょう」と呼びかける内容がここに来て再評価された形である。

◾️14日夜からアクセス増

写真はイメージ

 14日の夜から当サイトへのアクセスが徐々に増えていることを、管理画面を通じて把握できた。Xであるユーザーが1月11日公開の記事「冷静になろう中居正広氏案件 伝聞証拠と守秘義務」(以下、当該記事)を引用付きで紹介してくれたことがきっかけとなったようである。午後7時前に最初の投稿があり、その記事を同じユーザーが引用して紹介したことで徐々に拡散されていったようである。

 当該記事は中居氏が、女性に対して女性が望まない性行為を行ったとするもの。その決め手となる証拠は刑事訴訟法上、原則的に証拠からは排除される伝聞証拠(概ね又聞きによる証拠と考えてよい)であることを指摘した。その上で、中居氏サイド、フジテレビのコメントからフジテレビの関与はないのではないか、中居氏は相手の女性が同意していると誤信していたのではないかという推理をしている。

 また、密室での出来事で男女の証言が食い違い、男性が悪者にされた例をいくつか取材した経験があることを示し、その場合、事実と全く異なることをあたかも真実であるかのように言う女性は全て精神的に問題を抱えて治療を受けていた、あるいは確実に受けた過去があるとされていたという経験を付言した。

 中居氏の刑事責任を声高に叫ぶ人々からは都合の悪い記事である上、最後の精神的な問題の部分は差別や偏見であるという反発が予想されるため、ある程度、炎上を覚悟の上で公開したという経緯がある。

 ところが、蓋を開けてみれば「いいね」が20ぐらい、「よくないね」は1つか2つ程度と、それなりの支持を受けた。もちろん、炎上するほどPVがなかったというのはあるが、(世間には比較的好意的に受け止められた)という印象を持っていた。

◾️翌朝にはサーバー障害

 それから1か月。14日午後7時過ぎから伸び始めたアクセス数は深夜になってもとどまらず、日付が変わるころには「いいね」は200を超えた。

 15日早朝にはページが重くなり、午前9時前にはサイトにアクセスできない状態が生じた。そのため、やむなく午前10時過ぎにXに「申し訳ありませんが、しばらくしてからアクセスし直してください。」とのメッセージを掲載した。

 これでアクセスが落ち着いたのか、徐々にアクセスできる時間帯が出現するようになった。夕方頃まではスマートフォンからはアクセスできるが、PCからはできないなど不安定な状態が続いたが、夜になる頃にはほぼ通常の状態に戻った。あくまでも「ほぼ」であり、たとえば管理画面になかなかアクセスできないなどの影響は残っている。

 結果的に最初は20程度の「いいね」が15日夜には1300近くまで上昇した。「よくないね」も45と、これも少なくない数字となっている。

 批判の多くは、前述のラストの部分に引っ掛かりを感じた人が多かったのではないかと想像している。「事実と全く異なることをあたかも真実であるかのように言う女性は全て精神的に問題を抱えて治療を受けていた、あるいは確実に受けた過去があるとされていたという経験」を語った部分である。

 この点は実は記述する際には多少、迷いがあった。このようなことを書くと、精神的に問題を抱えている方や、そのご家族などから差別的である、偏見に満ちているという抗議が予想されたからである。確かにこの種の問題は非常にセンシティブで、筆者が日刊スポーツに在籍していた頃も特に注意を要する表現という扱いであった。

 それでもその部分をあえて入れたのは、この種の問題ではそうした精神的に問題を抱えた女性が病的な虚言癖を有していたり、自らが考えたストーリーを後から真実と思い込み、虚偽の意識がないまま主張したり、と思われるパターンが多かったという経験が多くあったことによる。差別や偏見は許されないが、そのことへの保護が、真実追求を妨げる場合にまで及ぶとは考えられない。差別や偏見をなくすこと・しないことと、真実追求は全く別次元の問題である。

◾️世論の熱狂の前には無力

 事案の真相は、当事者間で和解が成立し、守秘義務を相互に科されている現状では明らかになることはないと思われる。仮に中居氏が相手の女性が同意していると思って性的行為に及んでしまった場合、不法行為は成立する可能性はあり、その責任を問われるかもしれないが、少なくとも故意がない以上、刑事責任を問われることはない。真相がどうなのか不明なまま厳しい批判を浴びて芸能界引退という、社会的に抹殺されるほどの制裁を受けなければいけないのか疑問が残る。

上は週刊文春2025年1月23日号

 守秘義務は当事者間での決着には寄与したが、このような事態になった場合は、それが真相を覆い隠す方向へと働くのはある程度予測がついたはず。そうであれば、双方の弁護士はメディアで報じられた場合には、守秘義務の点は見直すなどの条項をつけておけば良かったのではないかと思う。

 真相が明らかにされず、真実を語る機会を与えられないまま一人のタレント(才能)が消えていったのは、結局、マスメディアが煽る報道をしてネット世論を沸騰させたことに原因があるのではないか。少し考えれば、当該記事が指摘したようにマスメディアの報道も信憑性が薄いことは理解できる上、週刊文春は途中で事実上記事を修正しているのであるから、そこでヒートアップした頭を冷やす時間があったはず。

 しかし、世論の熱狂の前には、無名のライターの「冷静になろうよ」という話は無力に等しい。その意味では脱力感を覚える、ここまでの経緯である。

    "1か月前の記事に注目 中居正広さん案件"に5件のコメントがあります

    1. 匿名 より:

      フジの会見では中居氏を犯罪者とまで言った記者がいたので松田さんのように週刊誌の内容を冷静に分析される方がいて良かったです。松田さんの見解に同意します。精神疾患を抱えた人との付き合いは体験した人にしか分からないでしょう。それを差別だと言う人はそういう人に接したことがないのだと思います。

    2. 鈴木 より:

      自分の会社にも居ます。
      しかも私のお仕事を全てその子にやらせる。
      だから私が教えてる状態ですが
      何だか嘘八百上司に報告してるようで。
      専門的に詳しい人に聞いた所、自己肯定感がとても高くて被害妄想しか持ってないのが精神疾患がある人らしいです。
      今は私が苛めを受けてる、その精神疾患の子からのパワハラを受けてる状態だと言われました。

    3. チコ より:

      勝手な妄想が世間を覆い尽くした今、冷静になろうと呼びかけていただいたことは、とても嬉しかったです。ただ、一つ気になったのは、性加害があったというようなニュアンスが感じ取れたことです。性加害かあったというのも、記事を読んだ人たちが想像した内容の一つです。なにも明らかにされていないのです。

    4. 匿名 より:

      今回の中居さんの事案の被害者は精神疾患を
      元から持っていた方なんですか?
      被害者とされているのは女子アナの方なので精神疾患がある方だとは記載されてないしその証拠もないですよ 中居さんが引退した後この女子アナの方を酷く誹謗中傷されてる方がいます
      その方々が賛同されているだけではないですか

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

        >>今回の中居さんの事案の被害者は精神疾患を
        元から持っていた方なんですか?

        それは知りません。知っていても言いません。

        ただ、密室で行われた男女で言い分が食い違う性的行為に関する争いを多く取材する中、私的な経験から例外なくそういう場合であったという単なる経験を話しているに過ぎません。

        真実追求が求められる中、差別や偏見に繋がるから、その部分は考えないようにしよう、触れるのはよそうということになると、もし、そうであった場合真実追求に成功しないということになりかねません。そうしたことから、全てをタブー視することなく真実に迫れればいいですねという話です。誤解なきよう。

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