青山学院大5度目の総合V 駅伝超高速化と30年の興亡
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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第96回東京箱根間往復大学駅伝競走の復路が1月3日に行われ、青山学院大学が往路と合わせて10時間45分23秒の大会新記録で優勝した。6区から10区まで先頭を譲らず、2位の東海大学に3分2秒差をつけ、2018年以来2年ぶり5度目の総合優勝を果たした。なお、復路優勝は5時間23分47秒の東海大学。
■10時間45分台の超高速化 10位までが10時間台
青学大は前日の往路の4区でトップに立ち、その後は先頭を譲らず安定した試合運びで快勝した。復路優勝は東海大に譲ったが、これは総合優勝を考えての安全運転という面もあるだろう。選手が頑張ったのが最大の勝因ではあるだろうが、連覇を逃してからチームを立て直した原晋監督の手腕も大きいと思う。
青学大の優勝タイムは10時間45分23秒、超高速駅伝を示す大会新記録には驚かされるが、10位の東洋大までが11時間を切るタイムだったことには、もっと驚かされる。10年前の2010年の東洋大の優勝タイムは11時間10分13秒。このタイムだと、今年は17位でシード権すら遥か彼方となる。
20年前の2000年の優勝校・駒沢大は11時間3分17秒とかなり速いタイムではあったが、それでも今年だと12位でしかない。
今年は気温があまり上がらず絶好のコンディションだったことや、厚底のシューズの影響が言われており、それも確かに好記録の要因であろう。しかし、何より選手全体のレベルアップは見逃せない。
■各大学の強化が超高速化に寄与
各大学による強化の結果、この超高速駅伝が実現したのだと思う。視聴率が20%以上、2日間で11時間も学校名を連呼されれば、これ以上ない宣伝。私学が箱根駅伝をイメージアップに使うのは当然と言えば当然なのだろう。
そのあたりの事情を探るため、今年のトップ10の大学が、1990年から5年刻みでどのような順位になっているかを調べてみた(表参照)。今から30年前、1990年に今年のトップ10の大学は4校しか出場していない。30年前の人に、今年のトップ10を教えても信じてもらえないのではないか。
この流れは20年前も変わることがない。変化が見えるのは2005年。この年は2020年のトップ10が6校出場している。2010年には7校に増え、この時の1・2位(東洋・駒沢)が今年もトップ10入りしている。5年前の2015年は青学大の初優勝の年だが、今年のトップ10のうち9校が出場し、2015年で6位までの学校が今年もトップ10入りを果たした。2015年には大体、今の勢力図が固まったと見ていい。
今年の上位6校のうち、20年前に出場していたのはわずかに1校(帝京)のみ。新しく顔を出してきた学校は、まさに大学を挙げて強化をしているところであろう。そうした大学がこの超高速化に寄与したのは間違いないと思う。