韓国ピンチ? W杯予選に潜むアラブのワナ
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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サッカー北中米W杯アジア3次予選の組分けで、韓国が2大会連続で中東5か国と同居する結果となった。豪州・カタール、サウジアラビア・ウズベキスタンというポット2、ポット3の強豪国を避けられたため韓国内では楽勝ムードが漂うが、アラブの5か国の中に放り込まれたことは強豪国との対戦とは異なる難しさがあり、簡単にはいかないかもしれない。
◾️韓国メディアはB組入りを歓迎
3次予選は6チームが3つのグループに分かれ、各組上位2チームがW杯本選出場権を獲得し、3、4位の6チームはアジアプレーオフ(3チームずつに分かれ、各組1位が本選出場)へと進む。27日にマレーシア・クアラルンプールで行われた組合せ抽選では、日本は豪州・サウジという強豪と同組となり、韓国が入ったB組は、イラク、ヨルダン、オマーン、パレスチナ、クウェートという中東、それもアラブ諸国の5か国を含み、韓国のみ非中東、非アラブという偏った構成になった。
各国とも2位以内に入ってスンナリと本選出場を決めたいところで、その点を考えるとC組の日本は豪州、サウジアラビアという強敵が同居し、日本を含めた3チームのうち少なくとも1チームは2位以内での本選出条権を獲得できないという厳しい戦いとなった。
A組(イランがポット1)はアジア杯連覇中のカタール、パリ五輪出場を決めたウズベキスタン、さらにホームでは圧倒的な強さを誇る北朝鮮が入る、こちらも激戦である。
そう考えると韓国は比較的楽な組に入ったと言える。実際に各組のポット2~6の最新のFIFAランキングの平均値は、A組75.4、C組76.4に対し、韓国の入るB組は86.2となっている。数字が大きいほどランキングが下位であるから、その視点からは韓国は相手に恵まれたという主張は間違ってはいない。
こうした点から分析をした韓国メディアの記事は日本にも紹介された。
韓国のメディアは、最もいいグループに入ったと見ているようだ。『スポーツ朝鮮』は「組分けも実力のうちだ。『トップシード』の日本とイランは韓国が羨ましい。ビッグ3の中で断トツの『花道』に認定」と見出しを打った記事を掲載。次のように綴った。「ビッグ3の中で、断トツのグループ分けは韓国だった。イランは『死の組』で、日本も難しい2チームとまた対戦する」(サッカーダイジェスト・「組分けも実力のうち」「日本は韓国が羨ましい」W杯最終予選の抽選結果に韓国メディアは意気揚々!豪州&サウジと同組の森保Jは「快適でない」)
スポーツ朝鮮は韓国が前回のカタールW杯でも最終予選は中東勢5チームとの対戦であったが、それを無難に乗り越えた事実を報じて、今回もW杯出場への明るい見通しを語っている。
◾️2位以内でスンナリ出場権獲得なるか
個人的な見解であるが、韓国は最終的に今回のW杯に出場できるとは思う。出場国が32から48に増えてアジア枠も4.5から8.5に2倍近くになっていることを思えば、3次予選ポット1の3か国が本選出場権を逃すとは考えにくい。
しかし、2位以内に入ってスンナリと出場権を獲得できるかは微妙であるように思う。その理由は、中東・アラブ5か国の中で孤独な戦いをしなければならないことである。前回も中東5か国が相手ではあったが、非アラブのイランが入っており、多少、構図は異なる。
しかも、イランと韓国の2強が早々と抜け出し、最終的な勝ち点はイラン25、韓国23に対して、3位のUAEが12と大差をつけていた。残り4か国は雲の上の戦いを見るかの如くで、どうにもできない状況であった。
今回、もし、韓国とイラク、ヨルダンというポット1~3の上位チームが終盤までもつれる展開になったらどうなるか。最終節は韓国はクウェートと戦い、イラクとヨルダンは直接対決となる。その時点でイラクとヨルダンが韓国に対して勝ち点3上回っていたら、両国は引き分けに終わるのはほぼ確実。引き分ければともにW杯出場が決まるなら、無理に勝ちに行く必要はない。あるいは、イラクがすでに突破を決め、ヨルダンが最終節でイラクに勝てば2位以上が決まる、あるいはその逆パターンという展開であれば、突破を決めている国は、真剣には勝ちに行かないと思われる。そうなると韓国は最終節までに2位以内を確定させることが求められる。このミッションは簡単ではない。
ヨルダンはイラクとは異なるアラブ穏健派の1つであるがイラクの隣国であり、「隣国イラクとの経済関係はヨルダンにとって死活的に重要である。」(外務省・ヨルダン 1.ヨルダンの概要と開発課題)とされる。関係が悪化した時期もあったようではあるが、基本的には同じアラブ諸国、イラク難民も国内に多数抱えると言われるヨルダンはイラクとの関係は悪くないと思った方がいい。
◾️前回中東での2戦は中立地
韓国は前回のカタールW杯3次予選で中東遠征には実績があるから心配ないと同国メディアなどは言うが、その点が今回もあてはまるかは微妙。
確かに前回、韓国はホームで4勝1分とほぼ完璧な成績を残し、相手国主催ゲームでも3勝1分1敗と勝ち点10を稼いでいるが、イラクとシリアは敵地での対戦ではなく、中立地(カタール、UAE)での開催であった。
純粋に敵地で戦った3戦は1勝1分1敗で、メンバー中最弱(ポット6)のレバノンに1-0で辛勝したのが唯一の勝ち星であった。
今回、パレスチナは中立地での戦いとなるのは確実であるが、イラクは2次予選の段階で自国で開催しているため、韓国は中東での4つのアウェー戦をこなす必要がある。その4か国はイラク、ヨルダン、オマーン、クウェートである。前回のポット5、ポット6はシリア、レバノンであったが、今回はオマーン、クウェートとなる。
シリアは内戦状態にあり、レバノンは政情不安の国であるのに対して、オマーンとクウェートはGCC(Gulf Cooperation Council=湾岸協力理事会)の6か国の一角を占め、極めて抽象的に表現すれば金満アラブ諸国のグループである。
2023年のガルフカップでオマーンは準優勝(優勝したイラクと延長までもつれ込み2-3の惜敗)している。1次リーグではサウジアラビアに2-0と完勝しており、少なくとも前回のシリア、レバノンよりは遥かに手強い。イラクと大差ない実力と考えていい。
クウェートはそのガルフカップで最多の10度の優勝を誇る。上記のガルフカップでは1次リーグ敗退となったが、UAEに勝って勝ち点4を挙げた。オマーンほどではないにしても、少なくともレバノンより実績、現時点での実力ともに上回るのは間違いない。
このように韓国にとっては前回W杯3次予選と同じ中東5か国とはいえ、同組のポット5、6のレベルは今回の方が高く、しかもそれらの国と中立地ではなく敵地で戦わなくてはいけないから、簡単ではない。
◾️中東包囲網を甘く見るな
韓国メディアは日本が韓国の組み合わせを羨ましがっているという趣旨の記事も出ているようであるが、以上のような状況を考えれば、少なくとも日本人の1人として筆者は日本がグループBではなくて良かったと思う。
前述したように最終的には韓国は北中米W杯の出場権は掴むとは思う。とはいえ、3次予選で2位以内に入れない可能性はあるのではないか。筆者は特に韓国を応援していないし、逆に敗退を願うものではない。
基本的には無関心であるが、韓国のサッカーファンには(中東の包囲網はそれほど甘いものではなありませんよ)とだけ申し上げておくこととしよう。
>(韓国は)2位以内でスンナリ出場権獲得なるか
アウェー戦で、いわゆる『中東の笛』に苛立ち、“テコン•サッカー”発動、
レッドカード連発で数的不利で競り負けたり、
それどころか、
テコンドーラフプレーやりすぎで“没収試合”、得失点差で順位を不利にしたり。
んー記事にもある通り今回からアジア枠が爆増。
日韓双方とも最終的には本大会行けるでしょう。かつての2とか2.5なんて時代とは隔世の感があり、正直価値も下がったなあと感じます。逆に言えば欧州の強豪が本大会出場を逃すなんていう可能性もほぼ消えた。独伊なんかが出ないことは結構あり今まで8強はワンチャンありえたが、強豪国が予選で消える可能性がほぼ消滅し、本大会8強入りのチャンスはむしろ下がったように感じます。
↑などということは出場国が48にもなってしまった時点で決まりきっていて、正直予選への興味はほぼ消えましたね。
松田さんの分析ならばこのような正直言ってどうでも良いW杯予選よりも、都知事選の分析が読みたかったなあというのが本音ですすみません。百合子楽勝と大メディアは書き立ててますが本当にそうなのか、泡沫扱いして無視しきってる候補の1人を注目してる者からの感想でした。
それにしても東京と全く関係のない単なる地方の一首長が俄然注目されてたり、大企業の社長が営業妨害にあっても大メディアは全然報道しないなど、メディアの動きが際立って異常に感じる今回の都知事選です。