台灣隊前進東京 ”12強賽” 初の4強に熱狂
葛西 健二🇯🇵 @台北 Taipei🇹🇼
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2024年11月10日から24日にかけて、日本・台湾・メキシコで世界野球ソフトボール連盟(WBSC)主催の国際試合「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」が行われています。今大会はWBSC世界野球ランキング上位12カ国が参加、2グループ(A・B各6チーム)に分かれ総当たり戦を行います(オープニングラウンド)。
◾️日本戦チケット5分で売り切れ
プレミア12はA・B各グループ上位2チームが東京ドームに集い、4チーム総当たり戦を行います(スーパーラウンド)。1位と2位のチームはプレミア12優勝決定戦に進み、11月24日の決勝戦に臨みます。なお、第2回プレミア12は日本の優勝で幕を閉じました。
今大会のグループBは日本、韓国、キューバ、ドミニカ共和国、オーストラリア、そして台湾(チャイニーズタイペイ・中華台北 参照・中華台北も青天白日満地紅旗も『何だかなぁ…』)が参加、オープニングラウンドの各試合は、名古屋バンテリンドームで行われた開幕戦(日本対豪州)を除き、台北市内にある台北ドームと天母球場の2会場で行われました。
台湾代表の試合は、台湾初のドーム球場として2023年12月に完成した台北ドームで全て行われることになりました。中でも注目のカードである韓国戦(13日)、そして最も人気のカードの日本戦(16日)では、各試合前売りチケットはすぐに売り切れ、日本戦に関しては発売僅か5分で完売となりました。
◾️台湾惜敗も感動の試合後の光景
そして迎えた16日の台湾対日本の一戦には3万4882人の観客が集いました。これは台湾で行われた国際試合の公式戦として過去最多の観客数となり(ETtoday新聞雲 2024年11月16日・快訊/大巨蛋台日大戰34,882人進場!國際賽史上最多)、前回世界王者である侍ジャパンの胸を借りるホームでの戦いは、大いに盛り上がりました。
私も試合前日から、複数の人に「日本台湾戦観る?」「どちらが勝つと思う?」といった質問を投げかけられたり、また当日は近所のスーパーで「今日は日本戦があるから早く家に帰らないと」と興奮気味に話す人々を多々目にしたりすることで、注目の一戦に対する期待の高まりを感じ取りました。
私はテレビでの観戦でしたが、台湾プロ野球6球団の選抜チア「CT AMAZE」が軽快なダンスとコールで観客を盛り上げ、熱狂的な台湾サポーターの大声援が球場を包み込む様に、会場の尋常ではない興奮と熱気がモニター越しに伝わりました。
試合は台湾1-3日本。台湾は手に汗握る接戦の末、惜しくも敗れましたが、感動的だったのは試合終了後マウンドで全観客に向かって深々と一礼したその姿と、会場が万雷の拍手で彼らを労っていたことです。また台湾メディアは台湾の「惜敗」、「苦戰」しながらも戴培峰のホームランで日本の快勝を「絆一下 (つまずかせた)」とし、台湾代表の健闘を評価しています(自由時報2024年11月17日・12強》惜敗日本後 日媒觀察到台灣球迷令人動容一幕:雖然輸了但…、戴培峰絆一下 無損日本連勝霸業)。
◾️豪州に快勝し4強進出
ファンの熱い声援に応えるように、台湾代表は迎えた17日のオーストラリア戦、林立(楽天モンキーズ)の3ランホームラン等の活躍でオーストラリアを11-3で下し、グループBで2位でのスーパーラウンド進出、四強が決定しました。台湾がプレミア12でスーパーラウンドに進出するのは初めてとなります。この快挙に台湾では喜びの声が湧き上がっています(コメントはYahoo!台湾、YouTube、facebook参照)。
今天真的超棒呀 (今日は最高だ)
這不是在做夢,台灣真的做到了 (夢を見ているんじゃない、台湾は本当にやってのけたんだ)
東京我們真的來了 (東京 俺たちは本当に来たぞ)
看了快40年的棒球,能用這樣舒爽的方式進入四強 (40年近く野球を追ってきたが、こんなに気持ちよくベスト4に進出できるとは)
台湾メディアでもこのビッグニュースを「台灣隊前進東京續寫歷史 (台湾代表東京へ前進 歴史を作り続ける)」といったドラマチックな見出しで大きく報じています(民視新聞網 2024年11月18日・12強賽/台灣隊前進東京續寫歷史!4強賽程出爐「球員奪冠獎金」曝光)。
また「台、日攜手晉級前進 (台湾と日本、手を携えて次のステージへ)」と、接戦を演じた日本のスーパーラウンド進出を歓迎するような内容の記事や(三立新聞網 2024年11月18日・12強/台、日攜手晉級前進東京! 複賽賽程出爐)、11月23日の日本戦「台日大戰」に対する分析を行うメディアも見受けられました(今日新聞2024年11月18日・12強賽/什麼是超級循環賽?中華隊賽程有優勢嗎?晉級規則一次看)。
さらに、複数のニュースサイトにてスーパーラウンドチケット入手指南の記事が掲載されるなど(※8聯合新聞網 2024年11月18日・12強賽/在東京巨蛋高唱「台灣尚勇」!挺中華隊門票怎麼買看過來、風傳媒 2024年11月18日・東京巨蛋12強棒球賽門票怎麼買?6大購買步驟、取票方式一文看懂!)、台湾代表の活躍を後押ししようとする動きも見られます。
◾️自国戦以外でも盛り上げてくれた台湾の人々
台北開催のプレミア12オープニングラウンドに関しては私も台北ドームでの台湾対日本の試合観戦を希望していたのですが、ドーム開業後初の大規模国際試合ということもあるのでしょうか、チケットも台湾プロ野球シーズン戦の内野一般席通常800元(日本円約3800円)のところが、今回のドーム開催分は台湾戦2200元(約1万500円)、台湾戦以外でも1500元(約7100円)と、 通常の倍近くまたはそれ以上の価格となっていました。
「主催者も強気だな」「これではなかなか捌けないだろう」と高を括っていたのですが、蓋を開ければチケットはあっという間に完売してしまい、勿論入手することはできませんでした。
そのため内野一般席が500元(約2400円)と良心的な天母球場での日本対キューバ戦チケットを購入しました。当日は小雨模様のためスタンドも空席が目立つ少々寂しい風景となりましたが、台湾戦ではないにも関わらず台湾チア「CT AMAZE」が登場し会場を盛り上げてくれました。
観戦する台湾の人々の日本を応援する声が多かったのは、印象的でした。日本が7-6で勝利した際には、台湾ファンからも大きな歓声と拍手が湧き起こっていました。
◾️いざ東京へ
2015年の第1回プレミア12では自国での開催にも関わらずオープニングラウンドで敗退、そして第2回大会では総合成績第5位と辛酸をなめてきた台湾代表の、初のベスト4進出。舞台を東京に移し台湾代表の更なる躍進に、人々の熱い視線が注がれています。