トランプ銃撃に膳場アナ「プラスのアピールにも…」

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 ドナルド・トランプ前大統領(78)が13日(日本時間14日)、選挙集会で銃撃され負傷した。ペンシルベニア州バトラーで演説中に右耳付近を撃たれたもようで顔面に血が流れた。命に別状はないもよう。この事件を伝えたフリーアナウンサーの膳場貴子氏(49)は今秋の大統領選を見据えて「プラスのアピールにもなりかねない」と発言。許し難い犯罪に対する怒りより、事件がトランプ氏に有利に働くことを懸念するかのような表現に違和感を覚えた人は少なくないようである。

◾️元外務事務次官とのやり取り

サンデーモーニングで事件を伝える膳場貴子氏(TBS画面から)

 映像で確認する限り、トランプ前大統領は銃撃音と思われる音が響いた後、右耳を手で押さえながら地面に伏せた。その瞬間、SPが次々と周囲を取り囲み安全を確保したが、その間も銃撃音が数発続いた。

 最初の銃弾が右耳に当たったと思われるが、数センチずれていたら致命傷になった可能性はあり、また、床に伏せなかったら、それに続く被弾をしていた可能性はありそう。いずれにせよ間一髪、命に関わることだけは避けたという事態のように思える。

 この衝撃的な事件について、膳場貴子氏がメインキャスターを務めるサンデーモーニング(TBS系)でも速報で伝え、同氏と元外務省事務次官の藪中三十二氏の間で以下のようなやり取りがあった。

膳場:選挙戦中にこういうことが起きた、まあ、民主主義の根幹である選挙を暴力で妨害してくる、許せないことではありますけれども、どういった影響がこの後に考えられますかね。

藪中:衝撃的なニュースですけどね、衝撃の映像ですけども、もちろん、何事もないことというかね、むしろ、拳をあげてやってましたから、命に別状はないってことは間違い無いと思いますけども。これからの影響ですけどもね、本来皮肉なことなんですよ。銃規制に反対というね、トランプさんの立場で。むしろ、バイデンさんは銃規制必要だとか言ってましたけどね、そこでこういう事件が起きたと。ただこうやって拳をあげて見せてる姿っていうのは「おれは元気だぞ」。むしろ、選挙戦から言うと変な話ですけどもね、有利に働く可能性はありますよね。

膳場:すごく、こう、プラスのアピールにもなりかねないという感じがしますね。

藪中:何回も、これ(映像)は…

膳場:流れるでしょうね。共和党、トランプ陣営、これで結束していくきっかけにもなる可能性もある。

 銃撃を受けて流血した後も右拳を突き上げて支援者に自らが無事であることを示したことは強いアメリカ、暴力に屈しないアメリカを象徴するシーンであり、それに感動した有権者もいるであろうことは容易に想像がつく。その意味では藪中氏と膳場氏のやり取りは間違ってはいないし、おそらく多くの人もそのように考えるものと思われる。

◾️膳場氏はトランプ氏当選を望まない?

 ただし、膳場氏の発言からは(これでトランプ有利になってしまう)という危惧が感じ取れる。最初にこうした暴力が許されないことであるとしながらも、その言い方は「許せないことではありますけれども」という逆接の形で表現している。銃撃は許せないが…、それとは異なる、あるいは反対の事柄がそれに続くことになる。

 藪中氏は「有利に働く可能性はありますよね」と客観的に分析しているが、それに対する膳場氏の応答は「プラスのアピールにもなりかねない」である。この「なりかねない」という言葉を聞いた視聴者はどのように受け取るか。

 「かねない(兼ねない)」を辞書で調べると「(上の動詞を受けて)…しないとは言えない。…しそうだ。」となっており、例文として「戦争になりかねない」が示されている(以上、広辞苑第7版 新村出編 岩波書店 p593)。

 一般の日本人なら「なりかねない」と聞くと(期待していないこと、望んでいないことが起こり得る)と解釈する。平和を望む人は「戦争になりかねない」と言っても「和平交渉が成立しかねない」と言わないことを思えば、それは容易に理解できるであろう。

 そうすると、膳場氏は銃撃がトランプ候補のプラスのアピールになってほしくないと思っていると考えられるし、実際に膳場氏の言葉を聞き、そう感じた人は多いと考えられる。もし、フラットな立場から言うのであれば「プラスのアピールになるかもしれない」と表現するのが普通である。

◾️安倍元首相の時にも…

 サンデーモーニングは前任の関口宏氏の時代からそうであったが、特定の政治思想に偏っているのではないかという指摘をネットなどから何度も受けてきた。出演者の選択を含めリベラルと言えば聞こえはいいが、ラディカルと言っていい姿勢が目立つ。関口氏から膳場氏にMCが代わっても、その姿勢には大きな変化がないのかもしれない。

安倍元首相の国葬で周辺を警備する警察官(撮影・松田隆)

 2年前の2022年に安倍晋三元首相が凶弾に斃れた。この時に法政大学の島田雅彦教授はインターネット番組で「暗殺が成功して良かったな」と発言している(参照・法政大教授正気か?「暗殺が成功して良かった」)。

 また、漫画家の石坂啓氏はトークライブで「事件を知った時は思わず『でかした!』と叫びました」と発言したとされる(参照・安倍氏暗殺は「世直し」の宮台氏 襲撃され何思う)。安倍元首相の国葬の際にも死者を弔うべき時に激しいデモ行進をして勢力が多数存在した(参照・葬儀で騒ぐ反対派 日本人の死生観どこへ)。

 このように、リベラル、あるいは左翼系とされる人たちには「死ねば皆、仏になる」という、日本人であればほとんどの人が持ち合わせていると思われる良識、社会通念が通用しないように思う。その言動からして(政治的に対立する相手が殺されたらラッキー)と考えているのではないか。

 膳場氏がどのような政治信条を有するのかは知らないが、もう少し社会常識を弁えたらいかがと思う。トランプ氏が大統領になることを望まないのは自由であるが、現場では客観的な報道姿勢に徹するのがプロ。その点を肝に銘じてカメラの前に立ってほしい。

    "トランプ銃撃に膳場アナ「プラスのアピールにも…」"に2件のコメントがあります

    1. nanashi より:

      日本の左翼勢力の死生観は、支那や朝鮮の死生観に通ずるものがあると思いますね。
      それは正に「死屍に鞭打つ」行為であり、自分達と敵対する人物に対しては、死して尚も叩き続けなければいけないのです。
      安倍晋三元総理暗殺事件での左翼勢力の発言や行動を見ていれば分かりますし、今回のドナルド・トランプ前大統領の暗殺未遂事件でも、自分達が望まない人物の台頭を許さないという考えが全面に出てしまったから、あのような発言を平然としたのだと思います。
      局側の指示だったとしてもその言い訳は通用しませんし、ここまで酷い偏向報道を繰り返してきたのですから、やはりサンデーモーニングは放送打切が妥当ではないかと思いますね。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

        膳場貴子さんという方は組織の中でどのような役割を期待されているかを素早く察知し、期待に応えて振る舞うという能力に長けているように感じます。そうした優秀なサラリーマンがフリーランスになれば、なおさら仕事のために周囲に合わせるのだろうと、勝手に思っています。

        TBSの中でもサンデーモーニングは特に左に偏った番組ですから、そのあたりは阿吽の呼吸でやっており、それが今回の発言の下地になっているように思います。

        膳場さんは女子学院から東大経由NHKというルートで、和久田麻由子アナの直接の先輩になりますが、東京五輪の開会式で「台湾です!」と実況して台湾の人々を喜ばせた和久田さんの方がそのバランス感覚などで1枚も2枚も上という印象を持っています。

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