写真改変し無断使用『日本すごい系』Chの動画削除
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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YouTubeのチャンネル「世界が愛したJAPAN」が、当サイトの写真を無断使用していたことが14日までに明らかになった。ワールドベースボールクラシック(WBC)2026に応援のため訪れた台湾の男女ペアの写真を、顔にペインティングを施す改変を加えて、あたかも熱烈なサポーターであるかのように動画で紹介するという視聴者を欺く内容。当サイトでは同日、YouTubeに当該動画の削除を申し出たところ、即座に認められた。
◾️台湾のテレビ局記者の話題
『世界が愛したJAPAN』は、チャンネル登録者は14日時点で約1万2700人、最も古い動画が2025年12月21日公開という開設して間もないチャンネルである。問題の動画は3月13日に公開された「10年越しの夢が叶いました」台湾人女性記者がWBCで手を挙げて質問した瞬間…あまりにも流暢な日本語に会場中が驚愕!女性記者の10年越しの夢と日本へのリスペクトに日本中が感動」というタイトルが付されていた(既に削除)。
動画の内容はWBCに出場中の大谷翔平選手に記者会見で日本語で質問した張辰嬿記者に関する話題であった。学生時代から大谷選手のファンであった張氏が大学で日本語を専攻し、卒業後に台湾のテレビ局の記者となり、今回の記者会見で流暢な日本語で質問したというストーリーを描いたものである。全編26分45秒の動画の中で16分過ぎの約8秒間、当サイトが著作権を有する写真を無断で使用していた。
無断使用された写真は、中華民国(台湾)の国旗である青天白日満地紅旗を手にした男女が、東京ドームを背に笑顔を見せている様子を撮影したもので、当サイトが3月8日に公開した記事の中で使用したものである(参照・WBCでの台湾国旗 東京ドーム内で制約の可能性)。記事では、五輪やアジア大会では会場に持ち込むことができない青天白日満地紅旗を堂々と場内で使用できることについて台湾のファンに聞き、2人の許可を得て撮影した。
『世界が愛したJAPAN』は当該写真を無断で使用しただけでなく、男女の頬に青天白日満地紅旗をペイントしてあるように加工し、「手には台湾の旗、頬には台湾国旗のフェイスペイント」とナレーションを入れている。
もっとも、加工したフェイスペイントは青天白日満地紅旗と使用している色は同じだが、上が青、下が赤の上下に分かれて、青地の中央に白い円が描かれているという粗雑な代物で本物とは異なる。AIで生成してうまくいかなかったものと想像できる。
◾️著作権に対する『甘い考え』
当該チャンネルは、YouTubeにはよくある「日本すごい!」と称える動画を多く公開している。独自取材をしている様子はなく、素材をネットから集めてきて編集しただけの動画ばかりのようであるが、昨年12月25日に公開した動画は150万回以上視聴されている。
この種の動画には一定の需要があるのは明らかで、こうした「バズり」を狙ってこのタイプのチャンネルは次々と出てきている。
制作や著作権に関する考え方も稚拙と言うほかない。当該チャンネルの紹介では以下のように書かれている。
【制作について】
視聴者の皆様により楽しんでいただくため、一部にフィクションや脚色を含む場合がございます。そのため、なるべく事実を元にして再現いたしますが、登場人物の会話等が運営者の創作となる場合がありますことを、あらかじめご了承ください。
【著作権について】
動画で使用している画像や映像は、著作権フリーの素材を使用しているか、引用として利用しております。
(世界が愛したJAPAN チャンネル紹介から)
これによると、当サイトの写真は引用として使用したと言いたいのであろう。もっとも、著作権法は引用での利用の際は「複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。」と定めている(同法48条1項)。本件であれば、令和電子瓦版の中の記事から引用したことを明示しなければならないが、全くそのようなことはなされていない。
また、写真に勝手に改変を加えることは、著作権者の「同一性保持権」を侵害することになる。同一性保持権とは「著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。」(同20条1項)と規定されている。
こうしたことから、当サイトでは看過できない著作権侵害と判断し、YouTubeに対して当該動画の削除を申し立てた。数分後には申し立てが認められて、動画は削除となった。
◾️つばさの党も写真を無断使用
YouTubeにおける動画による当サイトに対する著作権侵害事例は枚挙にいとまがない。昨年は日本在住のクルド人のリーダー的存在の人物の写真が100件以上使用され、当サイトで認識したすべての動画を削除依頼を行い削除させた。
その中には、つばさの党(黒川敦彦代表)の「チャンネルつばさ」による侵害例も確認されている(参照・つばさの党また迷惑行為 著作権侵害で動画削除)。
また、インターネット番組の「文化人放送局」(代表・屋代雄三氏ら)による侵害例も含まれており、現在、それに対する損害賠償請求訴訟が東京地方裁判所に係属している(参照・文化人放送局を提訴 著作権侵害で損害賠償請求)。
当サイトは取材に基づいて記事を書き、写真を掲載するニュース&オピニオンサイトであり、その性格上、多くのオリジナル写真を保有している。それはサイトにとっての貴重な財産であって、他者がそれを無断で使用する行為は許されない。
世界が愛したJAPANに対しては、今後、法的な措置を含めた対応を検討していく。







