ChatGPTで口コミ書き放題?グルメサイトに聞く

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 対話型AIのChatGPTの登場はグルメサイトに深刻な影響を与えることが予想される。顧客の貴重な経験が記されるべきコメントが、ChatGPTによって自動生成される可能性がある。自店舗の宣伝や、宣伝を有料で請け負う者が出てくれば、コメントの信頼性は大きく毀損されかねない。このような事態にグルメサイトはどのように考えているのか、業界の大手2社(ぐるなび、カカクコム)に聞いた。

◾️諸刃の剣となるChatGPT

提供写真(株式会社ぐるなび)

 ChatGPTは対話できるだけでなく、文章の作成や要約もできるだけに、さまざまな分野での応用が考えられる。グルメサイトの業界では、食べログを運営する株式会社カカクコム(本社・東京都渋谷区)では、5月6日にChatGPT向けの機能拡張ツール「ChatGPTプラグイン」の提供を開始。食べログで予約が可能な店舗の空席情報を、指定した条件で簡単に検索できるようにした(カカクコム・食べログ、ChatGPTプラグインの提供を開始)。

 このように積極的に機能を利用する一方、悩ましい問題もある。それがコメント、口コミ(以下、コメントで統一)に関するもの。グルメサイトで店舗選びをする際には、場所(アクセス)や価格帯、メニューや外観、内観の写真などを参考にする人は多いと思われるが、実際に店舗に入った人のコメントは重要な決定要因となり得る。このコメントをChatGPTが生成するようになったらどうなるのか。

 もちろん、実際に行った人が文章をうまく書けないためにChatGPTの力を借りて本文を書くのであれば、問題にならない。しかし、自店舗をPRしたり、そのようなPRのためにChatGPTを使用してコメントを生成したりする個人や業者が出てきた場合、グルメサイトのコメントの信頼性が大きく傷つくのは間違いない。

◾️ChatGPTでコメントを生成

 実際にChatGPTを使用して、ある店舗のコメントを生成してみよう。

【問】●●の▲▲▲▲のおすすめ料理2つと、その具体的な良さを詳しく教えてください。飲み物との相性についても触れてください。また、内装や店の雰囲気の良さを具体的に教えてください。

【ChatGPT生成の文章】1つ目のおすすめ料理は「麻婆豆腐」です。▲▲▲▲の麻婆豆腐は、四川風のピリ辛味で、豆腐の食感と合わせて食べると、辛さとコクがあってとても美味しいです。豆腐は、しっかりと味が染み込んでおり、肉の旨味もしっかりと感じられます。この麻婆豆腐は、ライスと合わせるととても相性が良く、また、ビールや焼酎などのお酒にも合います。2つ目のおすすめ料理は「担々麺」です。▲▲▲▲の担々麺は、スパイシーな味わいが特徴で、食べると口の中に広がるコクと旨味がたまらない美味しさです。麺はストレートの中細麺で、ピリ辛のスープとの相性が抜群です。この担々麺は、ビールやお茶などとの相性が良く、また、ライスと一緒に食べると、スープがライスに絡んで更に美味しくなります。店内の雰囲気は、緑を基調としたナチュラルな雰囲気で、落ち着いた空間が広がっています。また、店員さんの接客も丁寧で、居心地が良いです。おしゃれな空間なので、デートや女子会にもおすすめです。ドリンクメニューには、◆◆のドリンクである「パールミルクティー」や「◆◆ビール」もありますので、食事と一緒に楽しめます。

 実際に店舗に行っていなくても、ChatGPTがこれだけの文章を作ってくれる。いまひとつ、自店舗の業績が上がらない経営者が、売り上げアップのために自分たちに都合のいいコメントを生成して投稿する誘惑に常に打ち勝てる保障などない。

◾️過去に対話型AI生成のコメントは?

 こうした点について当のグルメサイトはどう考えているのか。当サイトの質問に対して回答を寄せてくれた。

 まず、現時点で対話型AIを使用して生成されたと思われるコメントはありますか、という問いに対しては以下のような回答であった。

 「当社では、飲食店を応援し送客につなげる目的でユーザーによるコメント機能を備えていますが、現状は対話型AIによって生成されたと思われるコメントの判別が難しく、当該コメントがあるかは不明です。」(ぐるなび)

 「食べログでは、ユーザーの皆さまが口コミ投稿の際に使用するツールに制限は特段設けておりません。そのため、ユーザーの方が対話型AIを活用し口コミのコメントを作成されることには問題はありませんし、対話型AIによって作成されたコメントか否かという観点での確認は行っておりません。」(カカクコム)

 食べログは対話型AIが生成したかどうかは問題にならないために、そのような観点では見ていないということである。一方、ぐるなびでは人間と対話型AIの生成したコメントを見分けることは難しいとする。「そのような観点で見ない」と「判別が難しい」という回答の違いは、そのまま対話型AIへの許容度の違いと言っていいように見える。その点は以下のカカクコムの回答を見れば分かりやすい。

 「食べログはあくまで、お店選びの際に参考となる情報を皆さまに提供できるよう、お店で実際にお食事されたユーザーによる主観的な感想を掲載するサイトとして運営しています。そして、口コミを投稿する際のガイドラインを定め、ユーザーの皆さまには遵守をお願いしております。」(カカクコム)

 カカクコムの考えは至ってシンプル。食べログのコメントは実際に食事をしたユーザーの主観的な感想を書くという大原則がある。それが守られるのであれば、書くことを支援するツールとして対話型AIを使用しても、ユーザーが1から10まで書いても、ユーザーの経験に基づくコメントであることに変わり無いという考えに立っている。そのため、以下のような考えになるのは当然と言える。

 「食べログでは…『お店で実際にお食事されたユーザーによる主観的な感想』であるかどうかを基準として口コミを取り扱っておりますので、例えばNGとしているステマや事実と異なる口コミなどについては、対話型AIの介在の有無を問わず、削除や修正依頼などを行うこととなります。また、長文の口コミの場合、作成に時間や労力がかかる場合もあるため、その際の補助ツールとして対話型AIが使用される場合はあるかとは考えております。」(カカクコム)

 一方、ぐるなびも基本的には同じ考えに立っているように思えるが、具体的な対応となると微妙に異なっているように見える。

 「飲食店、ユーザー双方に信頼してご利用いただけるサービスとして、飲食店の応援につながるユーザーの生の声のみを反映し共有することを目的に今後は応援コメント投稿に関する規程を改定するなど、対策を検討していく予定です。」(ぐるなび)

 同社では投稿に関する規程の改定の可能性を示した。人間と対話型AIの作ったコメントの判別がつかないという状況であれば、不正使用(実際には食事をしていない店の応援コメントを書く等)されても分からない。

 ぐるなびの「ご利用ルール」の6条(禁止行為)の(3)では「噂話、伝聞その他のぐるなび会員自身の実体験と判断できない内容」を禁止しているが、対話型AIが会員自身の実体験ではないコメントを生成しても判断がつかず、その結果、第7条(投稿の非公開、削除等)の「会員自身の実体験ではないという判断」をした上での、当該コメントの非公開や削除の手続きが取れないということになる。対話型AIの使い方次第では無法地帯になりかねないという危機感を抱いているのかもしれない。

◾️取り入れつつも不正利用を防ぐ

写真はイメージ

 対話型AIの今後について、両社は以下のように大きな方向性を示した。

 「対話型AIそのものが発展途上の技術であり今後の展開を予測しづらいため、対話型AIによる口コミに関して弊社としてどのように対処していくかについては、引き続き検討してまいります。」(カカクコム)

 「先進技術の適用・活用は、飲食店DXの推進・トータルサポート化に向けて非常に重要なポイントであることから当社のサービスに対するAI技術の適応、AIを活用した新しいサービスの創出について、積極的に取り組んでいます。ChatGPT他、現在利用可能なAIサービスを利用したエンハンス開発にすでに着手しており、近い将来ぐるなびの提供するサービス内でご利用いただけるようになる予定です。」(ぐるなび)

 両社とも優れた技術は積極的に取り入れる姿勢を示しつつ、不正利用は許さない点では一致している。業界をリードする両社が危険な武器ともなりかねない先進技術に対し、難しい局面に向き合っているのは間違いない。

    "ChatGPTで口コミ書き放題?グルメサイトに聞く"に4件のコメントがあります

    1. BAD チューニング より:

      『グルメサイトという“営業形態”が成り立たなくなる』という話で、『グルメサイトは“有用”か?』ではないwのだが、
      そもそも、
      ChatGPTの登場以前から、いわゆる『グルメサイト』は「“提灯”だらけww」であり、ほぼほぼ参考にはならない。
      (参考になるのは“営業時間”くらいかwww)

      また、
      対話型AI「の様なもの」も、コンピュータが一般にも使われ始めた頃よりほぼ同じくして登場しており(ELIZA / イライザ、1964年〜、開発:MITのジョセフ•ワイゼンバウム教授)、そのワイゼンバウム教授ご自身が「AIの“ I ”って、本当に“ Intelligence ”(=知能)なのか?」と言ったという……

    2. 野崎 より:

      宗教

      以前、日本沈没のSF作家、小松左京展へ行った事をコメントしました。

      小松ファンとして小松左京ならChatGPTなどが台頭する現況から未来をどう考察するかな? などと思ってしまいます。
      小松作品には科学を超越し究極、神が現れる、その次元へ至る作品があります。

      すべからく人文、社会、自然科学全ては究極、宗教次元へ至らざるを得ないということだと考えます。

      ファシストを連呼していますがファシズムとは何なのか?政治思想とは何なのか? LGBT問題とあ何なのか?
      その究極は宗教の次元、領域でしょう。

      記事はグルメサイトの問題のみならずこれよりの社会変化を示唆する意味としてでしょう。
      AIなど大したものではない的なとらえ方は違うと思います。

      今後新たな支配構造が形成されて行くことは孫正義氏と女性エコノミストとのNHKにおける対談でも共に認める事であり、孫氏においてはそれは心配無用とのこと(彼にしてみればその主張で当然と)

      これより将来はどうなるのか、、ファシスト共の勝利か、、

      別な切り口から
      イスラムによる世界支配の指摘があります。

      ●イスラム教徒、2100年には最大勢力 世界の宗教人口予測
      日本経済新聞 2015年4月6日
      2070年にはイスラム教徒とキリスト教徒がほぼ同数になり、2100年になるとイスラム教徒が最大勢力になるとの予測を米調査機関ピュー・リサーチ・センターがまとめた。両者の勢力が伯仲するのは人類史上初めてだとしている。


      単に比率の問題ではなく
      ハンチントンの文明の衝突的、イスラム教の価値観の支配の問題。

      左翼、リベラルのファシズムとイスラム教は相容れず、左翼ファシストが支配するであろう電脳世界、その支配構造との対峙はいかなるものとなるのか、、

      イスラム教の危険性は飯山陽氏が指摘されていますが、それよりはるか以前、イスラム教徒と結婚していたエジプト考古学者の吉村作治氏も指摘しています。
      つき合い方によっては命の危険があると、
      イスラム教徒の頭の中 吉村作治著 CCCメディアハウス

      LGBTに理解を!は、同性婚を実現させ結婚、家庭、男女関係を破壊するためのファシストの戦略であり、日本のキリスト教界が対峙することを思いもしたが、これが全くダメであり、
      同性愛者にもイエス、キリストの愛を~ とか何とか、すでに日本のキリスト教界は左翼に侵食されている、、

      ここは一つ、イスラム教にお出まし願いファシストと対決して頂きたい。
      毒を持って毒を制する、、
      イスラム教を毒といったならテロられるであろうか、、

      間違いなくテロられる。

      ご返信は不要です。

    3. 野崎 より:

      追記

      余談ですが、
      AIのみならず社会変化を及ぼすであろうテクノロジー (今ウェブデザインなどををお勉強しているわたくしなどはテクノロ爺~)

      翻訳機について、
      さらに革新されているであろうことを踏まえ、英会話不要論がありますね。
      人生は持ち時間、もはや英会話学習は時間、エネルギー、お金の無駄と、
      ある程度の英会話力と翻訳機を活用すればよいと(スマホに標準搭載されるであろうと)

      でも日本人が英会話力を欲するのは別な要素があるのではとも思います。

      白色人種コンプレックス、、憧れ、、今はどうなのか、、

      トランプ大統領夫人、メラニア夫人の発音がおかしい、ミスユニバースにおける外国人の発音がおかしいと米国人から揶揄された、、、
      逆説的に白人コンプレックスの存在があることの証左であり今もなお白色人種優位性の価値観があることの証左、、

      私など世代的に今もなお感じます。

      より高度な翻訳機の台頭で翻訳の世界、同時通訳の世界に変化が起こることは事実でしょうね、、
      翻訳と同時にテキストデーターが作成されるのは常識的に、、

      ご返信は不要です。

    4. 匿名 より:

      グルメサイトじゃないですが、毎日利用している口コミサイトがあります。しかし最近、このサイトの規制基準が急に厳しくなったように思います。
      しかしそんな時、chatGPTで口コミを量産しているグループがあると聞き、もしやと思いました。似たような混乱は、しばらく色々なサイトで続くのかもしれません。

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