村上春樹氏が日本下げ ノルウェイの森で寝てろ

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 作家の村上春樹氏(71)がインタビューで「日本の政治家は最悪」と発言した。理由は新型コロナウイルス禍で、日本の政治家は自分の言葉で語ることができなかったからだという。政治家は言葉より結果が求められる職業だと思うが、ノーベル賞候補作家の考えは異なるようである。

■「自分の言葉で語れなかったことが最悪」

写真はイメージ

 問題のインタビューはダイヤモンドオンラインが12月27日に公開した「村上春樹氏インタビュー、首相が紙に書いたことを読むだけの日本は最悪」。

 村上氏が何を言おうと勝手だが、現代の日本で最高の人気を誇る作家だけにその影響力は強く、多くの人に影響力を及ぼすので、おかしな点はおかしいとしっかりと指摘しておきたい。

 村上氏はインタビューの中で新型コロナウイルス禍は初めてのことなので政治家は失敗を避けられないとし、その上で「そういう失敗を、各国の政治家がどのように処理したかを見比べたら、日本の政治家が最悪だったと思います。」と断じている。

 その理由については「自分の言葉で語ることができなかった。政治家自身のメッセージを発することができなかった。それが最悪だったと思います。」としているのである。

 この村上氏の言葉に納得する人は多いのかもしれない。政治家は実現したい政策、創り上げたい国家象を具体的に話せることは重要であると思う。しかし、政治家にとって重要なのは表現ではなく国益に適う政策の立案、遂行である。なぜなら、それは国民の生命や財産に直結するからである。言葉より実行こそが求められるのであり、言葉遊びでお金を稼ぐ文筆業とは根本的に異なる。そして国民もそれを求めて、具体的な投票行動に至るのである。小学生でも分かる理屈だが、村上氏は理解できないのであろうか。

■雄弁に語って国民を3万人死なせたメルケル独首相

 新型コロナウイルス禍で自分の言葉で語った政治家としてまず、頭に浮かぶのはアンゲラ・メルケル独首相であろう。12月9日の連邦議会で「クリスマス前に多くの人と接触し、その結果、祖父母と過ごす最後のクリスマスになってしまうようなことはあってはなりません」と演説したことは世界中で報じられ、日本でもそれを賞賛する声が少なくなかった。

 村上氏は具体的にはこれを念頭に置いたのかもしれないし、また、メルケル首相は自分の言葉で語ったと言っていい。しかし、国民に「祖父母に会いに行くな」という事態にまでした政治家の責任をまず問われる。

 ドイツの新型コロナウイルスの感染者は164万6240人、死者は2万9666人。これに対して日本は感染者が21万8453人と、独のおよそ8分の1、死者はおよそ10分の1の3052人にすぎない(12月27日現在、日本経済新聞「新型コロナウイルス感染 世界マップ」から)。しかも日独の人口比は概ね日:独=3:2である。

■その言葉、ドイツ人の遺族の前で言えるのか

 メルケル首相は3万人の国民を死亡させているのに、3000人にとどめている安倍・菅首相を最悪とする理由を、村上氏は「政治家自身のメッセージを発することができなかった」点に求めているようである。日本の政治家を「最悪」と呼ぶのであるから、少なくともメルケル独首相はワーストではないという判断なのだろう。

 その上で、村上氏は言う。

「『アベノマスクなんて配ったのはばかげたことでした』『Go Toを今やるのは間違っていました』ときちんと言葉で認めればよいのです。国民も『間違うことは仕方がないよ、これからちゃんとやってくれればいいよ』と思うはずです。」

 村上氏はメルケル首相が「3万人も殺してしまってばかげたことでした」「ドイツの政策は間違っていました」と言えば独国民は納得するとでも思っているのだろうか。政治家がそのようなことを言えば、身内を亡くした人々は「何と無責任な」「家族を殺したのはお前だ」と激昂すると思う。

 村上氏が自分の意見があくまでも正しいというのであれば、ドイツ人の新型コロナウイルスの感染症で死亡した人の遺族の前で同じことを言ってほしい。それが言えないなら、ノルウェイの森で一人で寝ているがいい。

■我々は村上春樹ワールドに生きていない

 村上氏が「日本の政治家が自分の言葉で語っていないのは残念」と言うのであれば、まだ理解はできる。それを最悪、世界でワーストであるとすることが合理性を欠くことが理解できないのであろうか。所詮はフィクションの中で生きている人、自分が信じる価値観が現実の世界でも通用すると思い込んでいるのかもしれない。村上氏に言いたいのは「我々が生きている世界は、村上春樹ワールドではない」ということである。

 ちなみに、日本の政治家が自分の言葉で喋れないのは、発言の一部を切り取って政権批判をしたり、揚げ足を取ったりするメディアと、それに賛同する一部の勢力がいることと無縁ではない。

 村上氏がこのような合理性が欠缺したことしか言えないのであれば、この先、文学だけを語ったらいかがか。そして、一ファンとして、初期作品のような輝きのある小説をもう一度書いてほしいと願っている。

    "村上春樹氏が日本下げ ノルウェイの森で寝てろ"に4件のコメントがあります

    1. MR.CB より:

      》》ジャーナリスト松田様

      小生も今回の村上氏の発言には、違和感というか疑問を持ってしまいました。この人がこのタイミングで、どうして?…と。詳しいことはよく分かりませんが、村上氏は普段から政治についてコメントされているのでしょうか。
      松田さんがおっしゃる通り、政治家が「自分の言葉で国民に、有権者にわかりやすく語りかける」スキルは大切だと思います。
      日本のメディアや有識者と呼ばれる方々が、単純に他国と比較したり、他国をエビデンスもあやふやに褒め称える姿勢には納得できません。
      未だに欧米諸国に対して、劣等感を持つ国民性なのでしょうけどね。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

        >>MR.CB様

         コメントをありがとうございます。
         村上春樹氏は比較的政治的なコメントは多いように感じます。特にイスラエルから「エルサレム賞」をもらった時は、理解し難い理屈を振り回していたのを覚えています。

         欧米に対して劣等感を持つ、昭和の時代の文化人の特徴が入っていると感じます。MR.CB様もご経験でしょうが「だから、日本はダメなんだよ」という類の発言をする人がいましたよね? その要素が入っているように感じます。

         政治家が自国民に自分の言葉で語るのは大事だと思います。日本でも橋下徹氏などはそれをしっかりと実行していたと思います。彼のように弁が立つなら、メディアの揚げ足取りにも対抗できますが、なかなかそうはいかないので、官僚のつくった答弁を読むことが多くなるのではないでしょうか。

         自分の言葉で語るのと、政治家として結果を出す、の両方が備わっていればいいですが、どちらか一方と言われると結果を出すの方じゃないかと思います。それを村上氏は結果を出せなくても、謝れば分かってもらえると全く重要性を認めない発言をしているわけで、「それをコロナで死んだ人の遺族の前で言ってこい」と言いたくなります。

         それがこの文章を書いた一番の理由です。

    2. 山口 秀明 より:

      中学生の時、当時ニクソン大統領で、アメリカの方が日本に交流で来られて、質問をした事が有ります。当時、日本ではニクソン大統領は評判が悪かった、多分ウオーターゲート事件の事だったと思います。それで、大統領についてどう思うか質問しました。私は悪い人だと云うのではないかと、思ってたのですが彼女は「我が国の大統領を悪くは云えません」と答えたのです。私は恥ずかしくなりました。愛国心というか。当時、自民党は悪い政党で総理は悪い人と思っていました。日本人同士で言う事と、外国人と話す時は「愛国心を忘れてはいけない」と自らの体験で学びました。私は日本は良くやってると思います。インフルエンザが昨年の今頃は5万人の感染に対し、40人くらいしか居ません。やはり、マスク着用や消毒、手荒い等で抑え込んでいると思います。未曾有の国難に対し、感染や経済を動かす事を最善で行っていると思います。今は平気で(日本の魂を売る輩)が増えた気がします。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

        >>山口秀明様

         コメントをありがとうございます。
         野党の人間も他国に行ったら、自国の総理の悪口は控えるのが普通だと思いますが、それができないのが日本の野党で悲しい限りです。民主的な手続きで選出された首相を貶めることは、自国民を貶めることになります。そのあたりが理解できない議員が多いのが残念です。

         個人的に村上春樹さん、大江健三郎さん、作品はともかく人間性は全く尊敬できません。

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