「ひろゆき、もう止めとけ」電磁波兵器問題
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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自民党総裁候補の高市早苗氏が敵基地の無力化のために電磁波兵器の保有に前向きな姿勢を示したことに、実業家のひろゆき(西村博之)氏がツイッターで攻撃を仕掛けている。しかし、兵器問題や日本の防衛に関する政府答弁などについてほとんど知識がないように思える。フランス語の専門家である”F爺”に論戦で完膚なきまでに敗れても、あまり学ぶことがないように見える。
■高市氏の敵基地無力化構想を嘲笑
高市氏は10日放送のテレビ朝日で電磁波や人工衛星を用いて敵基地を無力化する持論を述べた。東スポWebでは「敵基地を一刻も早く無力化した方が勝ちだ。使えるツールは電磁波や衛星ということになる」と紹介し、「強い電磁波などいろいろな方法でまず相手の基地を無力化する。一歩遅れたら日本は悲惨なことになる」という主張を紹介している(ひろゆきが〝電磁波兵器〟推奨の高市早苗氏をチクリ「中学生以下の知識」「日本人に被害」)。
これに対し、ひろゆき氏は共同通信の記事(高市氏「電磁波で敵基地無力化」)を引用する形でツイート。
「電磁波は発生させた場所が、一番大きな被害を受けます。日本国内で電磁波を発生させると、被害を受けるのは日本人です。
敵地に電磁波を発生させる機械を持ち込んで、高圧電源を繋げるおつもりですかね?
マンガ好きの中学生以下の知識、、」(2021年9月11日午前1時51分投稿)
ツイートを見る限り、ひろゆき氏は、電磁波兵器を日本国内から相手国に向けて発射することを想定しているように読める。しかし、高市氏は以前から電磁波兵器の使用について論じており、おそらく高市氏は知識量でひろゆき氏を凌駕しているように思える。
■ひろゆき氏は令和2年版防衛白書を読んだのか
この電磁波兵器については令和2年版防衛白書で取り上げられている(第3章第4節 電磁波領域をめぐる動向❶電磁波領域と安全保障)。「電子戦の手段や方法は一般的に、『電子攻撃』、『電子防護』及び『電子戦支援』の3つに分類される。」とし、防衛分野における電磁波領域の使用(図表Ⅰ-3-4-1)では、航空機や人工衛星を利用した手段が示されている。
どれも国内の基地から相手国に向けて電子攻撃をするなどとは示されていない。高市氏自身も衛星について言及しており、ひろゆき氏も分かっていると思う。それなのに、なぜか高市氏が日本国内から電磁波を出す武器を使用すると発言しているかのように、それを前提にした批判を行っている。
高市氏のこれまでの電磁波兵器による敵基地無力化の主張について、どう聞けば国内から電磁波兵器で相手国に向けて発射することを前提にしていると考えることができるのか、その根拠を示していただきたい。
僕自身、電磁波兵器については報道で伝えられる程度の知識しかないが、そのレベルでも令和2年版防衛白書を見れば、ひろゆき氏の指摘は前提を間違っていると判断できる。
■敵基地攻撃に有効な電磁波兵器
もう1つ言えば、憲法と防衛に関するこれまでの経緯をひろゆき氏は理解しているのか疑問に感じる。1956年2月29日、鳩山一郎内閣での国会答弁で船田中防衛庁長官が「たとえば誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能であるというべきものと思います。」と首相答弁を代読したことが、現在も政府見解として引き継がれている。
つまり、敵基地攻撃は現行憲法でも可能。そうすると、敵基地からミサイルが今、まさに発射されようとしている時に、電子攻撃で「相手の通信機器やレーダーに対して、より強力な電波や相手の電波をよそおった電波を発射することなどにより、通信機器やレーダーから発せられる電波を妨害し、相手の通信や捜索といった能力を低減、無効化」(前出の令和2年版防衛白書から)することは、空爆やミサイルを使った先制攻撃など物理的な敵基地攻撃よりもハードルは低いと考えるのが通常の思考であろう。
北朝鮮が2020年3月21日、迎撃困難な弾道ミサイルを発射した際に、日本は抑止力を高めるべきと当サイトは主張した(参照:北朝鮮が迎撃困難な弾道ミサイル発射 敵基地攻撃のハードル下げ抑止力に)。実際に敵基地攻撃に関しては政府部内でも検討されており、そのことに菅義偉首相はあまり積極的ではなかったと、9月12日付けの産経新聞は報じている。
高市氏の電磁波兵器の話はその延長線上にあることは容易に想像がつき、高市氏はこうした法的な根拠や国内・国際情勢を踏まえて発言したものと思われる。
■ホリエモン”餃子騒動”でのひろゆき氏
ひろゆき氏は電磁波兵器の技術的な側面に多少なりとも知識があるのかもしれないが、法的な根拠や国際情勢についてはどこまで知っているのかは疑問が残る。いずれにせよ、この問題について専門家ではないのは間違いない。それならばせめて多少なりとも調べてから相手を批判すべき。
個人的にひろゆき氏に恨みはない。それどころか、ホリエモン(堀江貴文氏)の”餃子騒動”で、閉店を余儀なくされた店主にクラウドファンディングを勧め、ビジネス再開に繋げさせたこともあり(根は悪い人ではないのだろう)と思っている。実際に当該餃子店に取材をした時、店主はひろゆき氏への感謝を口にしていた(参照・Foodist Media:ホリエモン騒動の『四一餃子』に支援1,400万円。店主と家族を救った「命の手紙」)。
世界で最も物知りだという顔をして話すのを嫌う人も少なくないようであるが、(このスタンスでお金を稼いでいるんだな)と思えば(好きにやってくれ)程度にしか思えない。
ジャーナリストの池上彰氏も似たようなスタンスでビジネスをしているが、ひろゆき氏は池上氏をカジュアルに、かつ、攻撃的にした感じと言えよう。
■F爺に完敗の傷がそうさせるのか
ひろゆき氏にも考えがあるとは思うが、フランス語の「putain」という単語の解釈をめぐって、フランス語の専門家であるF爺こと小島剛一氏に完膚なきまでに論破されたのはネットで大きな話題となった(参照・デイリー新潮:ひろゆき氏を論破した言語学者 在仏50年超の“F爺”小島剛一氏が語る日本人差別)。
結局、専門的な知識もないのに相手を批判すると、思わぬ反撃を受けて自らの知識の浅さを露呈することになる。もしかするとF爺に”ボコボコ”にされたことがトラウマになり、将来の首相になるかもしれない人にマウントを取りにいったのかもしれない。
それが芸風とはいえ、もうネットの世界の住民は底の浅さを見抜かれているのではないか。今、彼にかける言葉はたった一つ。
「ひろゆき、もう止めとけ」
最近、それなりのメディアまでもが西村氏を論壇の重鎮のごとく崇め、何でもかんでもご意見お伺いする様子に辟易しています。西村氏っていつの間にそんなに偉くなったんですか?
この記事に出て来ます、『フランス語の専門家であるF爺こと小島剛一氏』が、中々“香ばしい”事になっている様です。
【「頑張ってください」はNG…「四国遍路」への誤解、そのせいで起きているトラブルの数々を反骨の言語学者”F爺”が解説】
https://news.yahoo.co.jp/articles/51cfea6318af7c43d68e118a91e93e4e90c94799
宗教学にも造詣が深いと言いたかったのか、要約すれば、
「オレ様は、“四国八十八ヶ所参り”は歩きのみで3回も回ったが、クルマとか乗って回る奴は“ニワカ”だな!それ以前に四国の奴らウザい!!」
というトンデモな主張w
案の定、コメント欄ではボコボコにされています。
それに対して、当人も反応、
【『デイリー新潮』に寄稿した記事へのコメント群】
https://www.google.com/url?q=https://fjii.blog.fc2.com/blog-entry-4683.html&sa=U&ved=2ahUKEwiOl6qblo-CAxXXU94KHXrVCAQQFnoECAkQAQ&usg=AOvVaw1Vcjnq91ySqnSuOcj_o4g-
元記事で『本来「遍路は歩くもの」なのだが、』と主張しておきながら、
『〈お遍路は、こうでなければならない〉〈ああであってはならない〉(中略)そんな主張はしていません』とか書いてますww