強制わいせつに関する最高裁判決「超過的内心傾向」

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

強制わいせつに関する最高裁判決が出た。ざっとしか読んでないので、細かい部分での理解が十分ではないかもしれないが、そこはご容赦を。

最高裁は強制わいせつ罪(刑法176条)が成立するためには「犯人の性欲を刺激興奮させ又は満足させるという性的意図のもとに行われることを要する」とした昭和45年の判決を変更した。

最高裁が、ようやく判例変更

このような性的意図を「超過的内心傾向」と呼んだりする。昭和45年の事案は、若い女性を専ら報復の目的で裸にして、写真を撮影したという事案で性的意図がなかったから強制わいせつは成立しないというものだった。

この昭和45年判決は批判が強く、司法試験でもその判例を批判して書くのが普通だったように思う。判例通りに考えれば「相手にわいせつな行為をしている」という認識があっても、わいせつ目的でなければ強制わいせつは成立しない。

極めて抽象的に表現すれば、「いやらしい目で見て」相手にいやらしいことをしたら強制わいせつ、「いやらしい目で見ずに」いやらしいことをしたら暴行罪、強要罪程度で済んでしまう。それはないでしょうって。

最高裁は理由の中で「被害者の受けた性的な被害の有無やその内容、程度にこそ目を向けるべきであって、行為者の性的意図を同罪の成立要件とする昭和45年判例の解釈は、その正当性を支える実質的な根拠を見出すことが一層難しくなっている」としているが、妥当だと思いますね。

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