さようなら夕刊フジ 来年1月末で休刊
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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夕刊フジが来年2025年1月末で休刊することが10月1日、同紙及び関連する媒体で一斉に報じられた。同時に電子版も更新を止めるといい、事実上の廃刊と言える。既にデイリー新潮によって今年7月に休刊することが報じられており、いよいよスポーツ新聞・夕刊紙の本格淘汰が始まると見られる。
◾️休刊のお知らせを掲載
1日発行(2日付)の夕刊フジは1面左下に「夕刊フジ休刊のお知らせ」という見出しが掲げられ、3面で休刊に至った理由を明らかにしている。それによると、2025年1月31日発行(2月1日付)を最後に休刊として公式サイトzakzakも更新を休止。さらに健康情報紙「健活手帖」も2024年11月を最終号とするという。
休刊の理由としては「デジタル端末の普及、コロナ禍に伴う帰宅時等の購読機会の減少、新聞用紙をはじめとする原材料費、輸送コストの上昇など、取り巻く環境は年々厳しさを増しました。」と経営環境の悪化であることを明かし、「経営合理化や経費の削減に取り組み、発行継続に向け努力を続けてまいりましたが、創刊55周年の節目に、夕刊紙としての一定の役割を終えた、という判断に至りました。」と続けた。
今年7月にデイリー新潮が夕刊フジ休刊の報道を行い、その時は発行する産経新聞社は取材に対して「お答えすることはありません」(広報部)と、木で鼻をくくるような回答をしていたが、休刊の時期まで正確に報じられているのであるから、非常に正確な報道であったと言うしかない(デイリー新潮・夕刊フジが来年1月で休刊か 「引き金はトラック運送費の値上げ?」ライバル紙が「むしろ大ピンチ」と戦々恐々するワケ)。
なお、9月23日にJRA(日本中央競馬会)が2025年度の開催日程を発表、3月1日のG3夕刊フジ賞オーシャンステークスが、「夕刊フジ賞」が取れてG3オーシャンステークスに変更となっていた(JRA・2025年度の重賞競走の主な変更点について)。
このことで夕刊フジの休刊は確実との憶測は出ていた。実際にJRAに来年度のG3オーシャンステークスから夕刊フジ賞がなくなった理由について聞くと「産経新聞社より来年度は賞を出せないという連絡があったからです」(同会広報部)とのことであった。
◾️野茂英雄氏の時代は良かった…
夕刊フジは1969年の創刊で、野茂英雄選手がMLBで活躍していた当時は首都圏で100万部を超える発行部数であったとされる(前出のデイリー新潮記事)。スマートフォンの普及前は、MLBの結果は最初に夕刊フジや東スポなどの夕刊紙に掲載されるため、人気を集めていた。しかし、ネットの普及で部数が減少、ボディブローのように効いているところにコロナ禍でトドメを刺されたというところであろう。
筆者が中央競馬の現場に出ていた1980年代後半から1990年代半ばまで、夕刊フジの記者とは毎日のように顔を合わせていた。当時、産経グループは、サンスポ・夕刊フジ・競馬エイトのスタッフが美浦・栗東の両トレセンに取材に出ており、さらに週刊ギャロップも出していたから、どう見てもスタッフの数は過剰であった。(もう少し効率よく取材すればいいのに)と思っていたが、当時は会社にも余力があったものと思われる。
しかも、夕刊フジの記者は東スポや日刊ゲンダイの記者に比べてガツガツしたところがなく、マイペースで仕事をする人が多い印象であった。競馬に限って言えば、東スポやゲンダイは現場取材がかなり緻密で、内容では夕刊フジは2つの夕刊紙に圧倒されていたと言っていい。そうしたことも東スポ・ゲンダイより先に消える理由になっているように感じられる。
コロナ後、スポーツ紙の本格的な淘汰が進み、2022年11月末に道新スポーツ(北海道新聞社)、2023年3月末に西日本スポーツ(西日本新聞社)が休刊(電子版のみに切り替え)している。それに続くのが今回の夕刊フジであるが、電子版のzakzakも更新を止めるというのであるから、前2社とは決定的に異なる。
道新スポーツと西日本スポーツは紙面の発行はやめたがインターネットでの情報発信を続けており、そのことは取材・出稿体制は維持されていることになる。一方、夕刊フジは媒体としての情報発信を全てやめることになる。当然、従業員は辞めるか、産経グループの中で振り分けられるかのいずれかになると思われる。
休刊を伝える夕刊フジをコンビニエンスストアで購入したが、間違えて2部買おうとしてレジに出してしまった。あまりの薄さに2部掴んでも違和感がなかったということである。この日は全24ページだから、紙としてはわずかに6枚しかない。40ページほどあった肉厚の紙面建てを知る世代としては信じられないような情報量の少なさである。ネットを見れば出ている情報ばかりのこの新聞を180円払って買う人は少ないと思われる。
広告の少なさも特筆もので、1面から5面までで、広告は二段の突き出し広告が1つだけ。単価の安そうなもので、おそらく10万円にもなっていないのではないか。なくなる新聞はこんなもの、というのを体現しているかのような”金欠”紙面である。
◾️次はどこが休刊に?
今年いっぱいで東京中日スポーツも事実上の廃刊になると報じられている(デイリー新潮・「東京中日スポーツ」事実上の“廃刊”か 「紙媒体をやめるということは“トーチュウ”ブランドが消えることに…」)。
結局、コロナ禍後に休刊、休刊が噂される媒体の発行本社は、北海道新聞、西日本新聞、産経新聞、中日新聞と、最弱の全国紙(産経)とブロック紙3紙で、要は親会社の体力がこれ以上もたないところから撤退が始まっていると見ることができる。
ちなみに中央競馬の2025年度、11月15日のG3東京中日スポーツ杯武蔵野ステークスは、「東京中日スポーツ杯」はつけられたまま。夕刊フジ賞がなくなっていることからすれば、トーチュウはまだ発行が続くのではないかとも思われるが、このような場合は年度が変わってから外すように要請すればいい話であるし、夕刊フジ休刊が報じられたのが7月、トーチュウ休刊報道は8月であり、JRAへの通告時期の関係で東京中日スポーツ杯が残ってしまった可能性はある。
当サイトでは2025年にスポーツ新聞の廃刊ラッシュが始まるのではないかと書いたが、それが現実のものとなってきたように思う(参照・スポーツ新聞廃刊ラッシュ 2025年から?)。
次はどこの新聞が休刊になるのか、来年は1紙だけで済みそうにない。
私も休みの日とかに駅の売店やコンビニで夕刊フジを買っていましたが、残念な事になりましたね。
週刊新潮の記事はデイリー新潮で見ましたが、この時点では様子見としていました。
しかし、JRAの重賞日程を見て「夕刊フジ」の社杯が消えていたことから、私の中では確定のランプがつきました。
夕刊フジは元々、水野成夫氏が産経新聞社社長時代に温めていた企画でありました。
水野氏が病に倒れ、ニッポン放送とフジテレビの社長を兼任していた鹿内信隆氏が昭和43年10月に産経新聞社社長に就任し、そのわずか4ヶ月後の昭和44年2月に夕刊フジを創刊させました。
当時は相当受けたらしく、これがフジサンケイグループのお荷物的存在だった産経新聞社の業績を回復させ、産経新聞社の社員の士気を高めたと言います。
夕刊フジの公式サイト「ZAKZAK」では様々な企画があり、特に「ZAK THE QUEEN」や「夕刊フジ子」というアイドルオーディションなどをしていました。
特に「ZAK THE QUEEN」は、2ちゃんねる(現・5ちゃねる)でも局地的な話題となっていた事は、私の記憶に確りと残っています。
夕刊フジ、懐かしいな。私が学生時代に創刊。斬新で面白かった。コラムが充実していたな。中でも吉行淳之介や野坂昭如、遠藤周作などのエッセーが秀逸だった。
バリバリのサラリーマンだった1980年頃、自宅で朝日と日経を取り日経は電車の中で読んだ。帰りは夕刊フジ。文春、現代、ポストも毎号買っていた。
引退して2年、新聞は読売朝刊だけで、週刊誌も買ったことがない。息子は現役サラリーマンだが、新聞はとらず日経の電子版だけで十分とか。
まあ時代の流れで仕方がないですな。
次は日刊ゲンダイでお願いします。
う〜ん、そこまで紙が売れなくなっているとは・・・。ここのところスポーツ新聞や週刊べースボールなどと某アエラや某ゲンダイのようなタブロイド境界線が無くなって、東スポがスキマ狙って唯一マトモな記事を書いてる時すらあると、なんとも不思議に思う事がありましたが、腑に落ちるというか。
どこも同じですが、例えばスポーツ報知であれば、原監督が小林君に期待しまくって4年契約結んだら怪我して守備に影響が出ちゃったとか、菅野君の復調は彼自身の取り組みの結果であって前回V字回復した2020年はキャッチャー大城君だったとか、今年は岸田君が頑張ったとか、率先して書くべきところで、捏造レベルで小林君を神格化して大城君を叩くとネット上でアクセス稼げることに明らかに頼っている、みたいな。
ネット社会の功罪の罪の部分というか、野球に限らずスポーツに限らずアクセス稼げるかが全てで、ネット番長度が世界有数らしい我が国にもマッチしてしまっているというか。
夕刊フジの「休刊」を聞いて、考えごとをしていて駅の売店で買い忘れ、帰宅後に思い出して、出直して3軒ほどコンビニを回ったものの完売。4軒目で残1部を見つけて、やっと確保しました。
もっとも、火曜日でしたのでコンビニの入荷部数も少ないのでしょう。
少ないといえば、ご指摘の面数。タブロイドで24面は薄いです。競馬のある週末ではないとはいえ。
そして、薄いのが紙面。寄稿文(コラム)ばっかりで、まったく読み応えがありません。これじゃあ、売れないわな。
新潮の報道があり、さらに、来年の競馬の「オーシャンS」へのレース名変更がありましたので「休刊は本当なのかな」という気持ちでしたが、夕刊フジの愛読者ではないとはいえ、いざなくなると思うと、寂しい思いはあります。
飛鳥新社の夕刊紙「日刊アスカ」の創刊時、
夕刊フジと日刊ゲンダイがJR東日本キヨスクに対して
「日刊アスカ」を扱うな、と要請し、
販路を奪われたアスカは長く保たず休刊、という話があったが、
もう30年前か…まさか新聞が消える時代が来るとは予想できなかった。