ドウデュースの相手は愛ダービー馬とオネスト

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 第101回G1凱旋門賞(芝2400m)が2日午後(日本時間同日深夜)、行われる。日本から4頭が挑戦し、日本競馬界悲願の優勝を目指す。G1東京優駿を制したドウデュースが有力候補の1頭で、G1愛ダービー馬ウエストオーヴァーと、G1パリ大賞優勝のオネストと3頭の3歳馬の争いが見込まれる。

■日本競馬界悲願の優勝は目前

調整するドウデュース(キーファーズサロン画面から)

 大一番の凱旋門賞は日本時間2日午後11時5分に発走する。日本からは過去最多の4頭が出走する。武豊騎手騎乗のドウデュースが競馬サークルの長年の思いを達成する可能性があると見たい。

 フランスギャロ発表の2日のパリロンシャン競馬場の馬場は「TRES SOUPLE」。直訳すると「非常に柔軟(Very Soft)」。フランスの馬場は10段階で区別されるが、これは4番目に悪い。日本では重馬場に分類される。一般に日本の競走馬はスピード優先で、欧州のパワーが必要な深い芝は苦手で、かつ、道悪だと持ち味のスピードが殺されるために不利と言われる。

 その意味ではドウデュースにとっては厳しい状況となった。それでもチャンスがあると見るのは前哨戦の走りから、今回の馬場はこなせると見るから。9月11日のG2ニエル賞は4着と敗れたが、直線では馬なりで前に取り付き一時は楽勝と思われる手応えだった。その後、全く伸びなかったが、それは「本番に向けての追い切りを兼ねたスクーリングという意味合いもあり、まだ全力を出せる状態ではなかったと思います。体重計がないので正確にはわかりませんが、ダービーとの比較で40キロ近く太い感じでしたからね。」と武豊騎手が語ったことが全てであろう(Take a Chance!・凱旋門賞につなげたいですね)。

 日本の競馬であれば競馬施行規程に抵触しかねない緩い仕上げができたのも、日本での馬券発売がない海外競馬を前哨戦に選んだからこそ。本番だけを見据えての仕上げに陣営の思い切りの良さがうかがえる。前哨戦を勝って中2週で本番というタイムスケジュールを考えた時には、前哨戦を捨てるのは悪くない。勝つためにはこれぐらいの思い切りの良さが必要と思われる。

■重馬場での前哨戦

 問題は馬場状態。以前、「良馬場は期待できないが、稍重馬場でできるのではないか。」(参照・ドウデュースが勝ちそうな凱旋門賞)と書いたが、その点は重馬場ということでネガティブな要素が増えた。

 しかし、思い出していただきたいのは、ニエル賞も道悪だったということ。この時の馬場状態は「SOUPLE」で、本番のTRES SOUPLEより一段階、良かったが、それでも日本の競馬では重馬場に属する。そのニエル賞で直線に入って馬なりで上昇した脚を見れば、ドウデュースはSOUPLEレベルの道悪ならこなせると考えることもできる。

 中間の調整で手前を替える練習を施し、直線を向いて左手前で走るようにできたという(JRA-VAN Ver.World・ドウデュースは追い切りで手前替えの課題クリア、武騎手は騎乗せず)。このあたり、前哨戦を使って修正すべきポイントが明らかになったのはポジティブな材料。これだけ材料が揃えば、勝機は十分にあると思われる。

 なお、昨年の凱旋門賞の馬場は10段階で3番目に悪いCOLLANT(日本の重馬場に相当)、一昨年は2番目に悪いLOURD(日本の不良馬場に相当)だった。

■ドウデュースの相手は3歳2騎

 ドウデュースの強敵となるのは3歳馬2騎と考える。まずは愛ダービー馬ウエストオーヴァー。6月4日のG1英ダービーは直線で前が詰まり、先に抜け出したデザートクラウンを捕まえられずに3着に終わったが、不利がなければ差し切るぐらいの脚いろに見えた。

 続くG1愛ダービーでは2番手から楽々抜け出し快勝、2着に7馬身差をつける圧勝だった。G1英オークス馬のチューズデーが4着だけに、相手が弱すぎるということもない。

 問題は前走7月23日のG1KジョージⅥ世&QエリザベスSで6頭立ての5着という惨敗。この時は単勝1番人気に推されたが、少頭数で先行馬不在の中、かかり気味に逃げる形になり直線で糸の切れた凧状態になってしまった。折り合いに難点のある馬のようで、英ダービーでは馬群に包まれるようにしていたのは、その対策だったのかもしれない。愛ダービーのように2番手で折り合えれば怖い。

 その意味では7番枠というのはどうか。ステイフーリッシュが大外20番枠となり、今回は逃げることはなさそう。タイトルホルダーが10番枠から前に行くとは思うが、行けなかった、あるいは控えた場合には、押し出されるようにウエストオーヴァーが先頭に立つ可能性があり、その点は不安材料ではある。

■一発逆転を狙うオネスト

写真はイメージ

 オネストが一発逆転の可能性を秘めているように思う。7月15日のG1パリ大賞を優勝、パリロンシャンの2400mのG1を勝っているのは心強い。

 この時の2着は後にG2ニエル賞を勝つシムカミル、3着エルボデゴンはG1仏ダービー2着馬、4着エルダーエルダロフは後にG1英セントレジャーを優勝、6着ピズバディールはG1愛ダービー2着馬と、それなりにハイレベルのメンバーだった。

 陣営ではパリ大賞優勝後に凱旋門賞を意識する発言をしており、地元勢で距離・コース適性を考えれば大仕事をやってのけるかもしれない。

 以上、ドウデュース、ウエストオーヴァー、オネストの争いと見る。昨年の優勝馬トルカータータッソ、そのトルカータータッソをG1バーデン大賞で破ったメンドシーノのドイツ勢も侮れない。

■ルクセンブルクは初距離が不安材料

写真はイメージ

 前売り1番人気のルクセンブルクは2400mが初距離というのが不安材料。ハイレベルなG1愛チャンピオンSを勝ったのは評価できるが、2000mを越えたらバッタリ止まる可能性もあり、人気ほどは信頼できない。

 G1を5連勝中のアルピニスタは、馬場状態のいいレースを勝ち続けており、それにしては勝ちタイムは平凡。前走8月18日のG1ヨークシャーオークスは、英オークス馬チューズデーに1馬身差に迫られている。そのチューズデーを物差しにすれば、愛ダービーでウエストオーヴァーはその10馬身以上前にいたわけで、アルピニスタは人気ほどは走れないように思う。

 日本馬3頭はどうか。ディープボンド、ステイフーリッシュは能力面で足りないと思う。タイトルホルダーはG1宝塚記念以来の実戦というローテーションでは厳しい。前哨戦を捨てて本番に向けた足慣らしとしたドウデュースとの差はレース結果で示されると思う。

    "ドウデュースの相手は愛ダービー馬とオネスト"に2件のコメントがあります

    1. MR.CB より:

      》》ジャーナリスト松田様

      毎年、この日は還暦過ぎた小生ですが、子供の様にワクワクしてしまいます。もちろん日本馬を応援しますけど不安も多いですね。
      タイトルホルダーは松田さんと同じくどうしても臨戦過程が気になります。ステイフーリッシュは枠順がさすがに厳しいと思います。ディープボンドは昨年のレースを見ると家賃が高そうです。
      斤量を考えるとやっぱり豊ちゃんのドウデュースが一番可能性を感じます。
      馬券下手の小生は敢えてウエスオーバーを買って、馬券を外すことで日本馬を応援したいと思います(笑)。兎にも角にも日本馬による悲願達成を信じています。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

         僕の予想の下手さ、ご覧になっていただけましたでしょうか(笑)

         もう笑うしかありません。ドウデュースはフォルスストレートで終わってました。アルピニスタはカモと思っていました。競馬は難しいです。

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