望月衣塑子記者の無知露呈 都の時短要請問題

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 東京新聞の望月衣塑子記者のツイートが「デマ拡散」であるとして、問題になっている。1月8日から時短要請に応じた居酒屋などの事業者に給付される「営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金」が最大180万円であるところ「一律6万円」とツイート。同記者がこの問題について何の取材もせず、知識も有していないことが分かる呟きと言える。

■問題のツイートは2つ 1日6万円を一律6万円と勘違い

 問題のツイートは1月7日午前0時(A投稿)と午後3時35分(B投稿)の2つ。まず、A投稿はNHKの「英 営業停止の飲食店などに最大126万円支給」というニュースを引用し、新型コロナウイルスに対する財政出動について呟いた。

A投稿:1月7日午前0時>

独は、緊縮財政を進めてきた結果、有事に大きな財政出動ができる。

アベノミクスを進め、赤字国債を発行し続けた日本は、飲食店に一律6万円のみだ

英 営業停止の飲食店などに最大126万円支給

独 飲食店には、前年の売上最大75%を支給、賃料などの経費の最大90%を支援

続いて、その15時間後のB投稿は「休業の『命令』違反業者に50万円以下の過料 特措法の政府原案が判明」(毎日新聞)という記事を引用し、以下のように呟いた。

B投稿:1月7日午後3時35分>

持続化給付金を打ち切る一方で、違反業者への処罰なんて、あり得ない。

あらゆる規模の飲食店に一律6万円では雀の涙にしかならない。補償が少ないまま、事業者はさらに追い込まれる。

 これに対して一斉に誤りを指摘するコメントが付いたが、本人は8日午後の時点で修正も謝罪も説明も一切ない。

■英国は126万円 東京都は186万円

東京都は財政出動して飲食店事業者を支援している(撮影・松田隆)

 2つの投稿では決定的な事実誤認がある。多くの方がわかっているだろうが、1月6日に報じられた東京都が1月8日からの休業要請に対する補償である「営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金」は望月記者が言うような「一律6万円」ではない。1か月で最大186万円(2月7日まで)、1日あたりで6万円である。

 NHKの「英 営業停止の飲食店などに最大126万円支給」という見出しを見た瞬間に彼女の脳内では「英国が最大126万円に対して日本は20分の1以下の6万円! 菅政権即退陣!」と変換されるのかもしれない。せめて調べてからツイートすればいいのだが、平気で同じミスを2つ続ける神経が分からない。

東京都の感染拡大防止協力金詳細

 この「営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金」について、僕は関係者を取材して記事にしている(Foodist Media:時短要請を「時代の変わり目」と捉える飲食店も。ポストコロナへ動き始める外食業界)。

 協力金は今回が初めてではなく、昨年から実施されている。図で示しているように、当初は1日あたり2381円だったものが、徐々にアップしていき、今回は6万円と、1日あたりの金額は25倍以上になっている。

 ちなみに③の協力金の予算は200億円、④は国費と都の貯金を合わせて470億円と徐々に予算規模を増やしており、望月記者の呟きにある「独は、緊縮財政を進めてきた結果、有事に大きな財政出動ができる。アベノミクスを進め、赤字国債を発行し続けた日本は、飲食店に一律6万円のみだ」という、日本が財政出動できないかの如き表現は適切でないことはお分かりいただけるであろう。

 この1日あたりの金額について言えば、「最強レモンサワー」で人気の「素揚げや」(東京都江戸川区)の宮崎明代表に聞くと「1日2万円なら従わずに開けた方がビジネスだけを考えればいいのかもしれませんが、1日4万円、合計100万円は大きいです」と語っていた。営業マージンがかからずに4万円が入ってくるのであれば、小規模の店舗であれば一息つけるだけの金額と言えるであろう。

■午後8時閉店で居酒屋はどうなる?

 もっとも宮崎代表は午後10時閉店の時短要請に応じた場合、午後9時以降は客は基本的に来ないとしていた。一杯飲みに来た客が1時間もしないうちに「閉店です」と言われるのだから、それも当然であろうし、時短要請に応じることの辛さと言える。

 1月8日からの時短要請は1日6万円と金額は上がるが、店舗は午後8時まで。そうなると午後7時以降の客は期待できない。居酒屋は通常午後5時頃に開店するため、実質2時間程度の営業となる。人件費などを考えると通常営業はしない方がいいという考えにもなりかねない。ランチやテイクアウト、デリバリーなどにシフトする手もあるが、それをやっていない店舗は1か月のために業態を変えるリスクはあまりに大きい。

 そうしたことを考えると6万円は大きいが、問題を孕むことは否めない。各店舗ごとに考え方はかなり変わるであろう。

■バイアスのかかったものの見方をやめたらどうか

 望月記者も新聞記者なら、それぐらいは考えてから呟いてほしいもの。小規模店舗にとって1日6万円がどの程度の重みを持つのか、午後8時閉店がどのような影響を持つのか、それらを考えたり、取材したりしてから、自らの意見を表明すべきではないのか。

 それを一律6万円と勘違いし、脊髄反応のように「日本政府はダメ」とツイートするレベルの人がなぜ、公正・公平・正確な報道をすべき新聞記者という職業に就いているのか不思議と言うしかない。東京新聞は他に記事が書ける人がいないのであろうか。

 望月記者はいい加減、バイアスのかかったものの見方、書き方を改めたらどうかと思う。

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