麻生氏支援で1回目決着も? バンドワゴン高市総理

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

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青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。
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 自民党総裁選投開票日の前日26日になり、麻生太郎氏が1回目の投票から高市早苗氏支援の衝撃ニュースが飛び込んできた。これで情勢は一気に変わり、勝ち馬に乗ろうとするバンドワゴン効果により高市氏に議員票がなだれ込んでくる可能性がある。1回目で1位通過は確実で、流れが急なら過半数の369票に達しても不思議はない。

◾️産経新聞のスクープ

写真はイメージ

 衝撃のニュースは26日22時33分、産経新聞電子版で報じられた。それによると麻生太郎氏が高市氏支持の意向を岸田総理らに伝え、「麻生派は河野氏や上川陽子外相らに推薦人を出していたが、麻生氏は1回目の投票から高市氏を支援するよう同派議員に指示を出した。」というもの(産経新聞電子版・<独自>自民・麻生副総裁が高市氏支持へ、麻生派議員にも指示 1回目から)。

 これは麻生氏による産経へのリークであるのは間違いなく、すぐにYahoo!ニュースに転載され、総裁選に投票権を持つ国会議員に知れ渡ったであろう。麻生派54人の議員が1回目から高市氏に投票すれば、党員・党友票でも2位と予想される高市氏は合計で170票程度となり、確実に決選投票に進む。逆に麻生派から推薦人9人の上川陽子氏、同18人の河野太郎氏はともに推薦人20票を割り込むのも確実となった。

 高市氏決選投票確実がもたらす影響は限りなく大きい。何より大きいのは石破茂氏、小泉進次郎氏のいずれかは確実に3位以下になるということである。昨夕までの情勢では党員・党友票で劣る小泉進次郎氏が不利と思われていたが、国会議員票を一気に増やし逆転で決選投票に進む可能性も出ていた。石破陣営は小泉氏が国会議員票を増やしても自身は2位に入れると高を括っていたかもしれないが、一転して自身が3位転落のシナリオも現実味を帯びてきた。

 「自分は大丈夫」と思っていた2人の陣営が(このままでは1回目で落ちる)と半ばパニック状態に陥ることは想像に難くない。石破氏と小泉氏は過去の経緯から2、3位連合を組んでいた、あるいは組む可能性はあると思うが、特に小泉氏の要請に応じて支援する立場についた議員からすれば、頭を抱えてしまうことになる。小泉氏の支援をするのは、下馬評で1位・石破、2位・高市の状況でのもの。

 つまり、小泉氏が2位に入れば、石破vs小泉の組み合わせとなり、まず負けないと考えられ、仮に石破氏に敗れても2、3位連合を組んでいた相手であり、石破氏にとって難敵の高市氏を1回目で落とすのに協力してくれた人を干すことはないと安全地帯にいると思い込んでいたに違いない。石破氏は「挙党体制で進む」の掛け声のもと、小泉氏支持議員にも重要ポストを割り振ると考えられる。

 ところが、その前提が根底から崩れてしまったのである。そうなると「今更小泉に入れるのはリスクが大きすぎる」と考えて離反していくことになるのは予想される動きである。

◾️なだれをうって高市氏へ

 麻生派54票が1回目から高市氏に投じられ、確実に決選投票に進めると考えれば、世耕弘成氏を中心とする旧安倍派の一部40人ほどもほとんどが高市氏に行くと思われる。この時点で党員・党友の100票前後と合算して200票近くになる。

 穏やかでないのは小林鷹之陣営。無派閥の若手中心に集まっているが、50票近く集まっていると報じられているが、高市氏が決選投票に進んで、そこで投票できればいいが、「1回で決まるかも」と考えれば、小林氏が高市氏の立候補を妨げることに加担したという実績だけが残る。そうすると当選1、2回組は次の公認が保障されない、入閣を待つ4回組は高市政権での入閣の目はなくなる。

 当選4回の福田達夫氏は新内閣での入閣を考えて小林氏の推薦人にはならなかったと思うが、これは高市氏が総理にならないことを前提にしたものであろう。高市政権の誕生が現実味を帯びてくれば、入閣を諦めて小林氏と心中し、当選同期組に抜かれるか、それとも屋根に上がった小林氏の梯子を外すか、進むも地獄、退くも地獄の気分であろう。そうした事態を恐れるコバホーク支援者は、推薦人と福田氏以外は一気に高市氏に流れても不思議はない。

 林芳正氏は旧岸田派の支援を受けている。岸田派は解散したのに、まとまって1回目から小泉氏に投票すれば(派閥は解散したのに、派閥単位で動いているじゃないか)と言われるため、1回目は林氏に投票するしかない。茂木派も似たようなものであろう。そうなると、小泉氏の国会議員票は1回目では高市氏に遠く及ばないと思われる。

◾️危うい2、3位連合

各メディアの党員・党友票の予測

 高市氏の勝ちが見えてきた現状、勝ち馬に乗りたい層がなだれをうって集まる可能性はある。議員票が220票以上集まらないと1回では決まらないと思うが、その可能性はゼロではない。1回で決まる可能性はあると思う。仮に過半数の369票に届かなくても、(あと少しで達する)となれば、石破・小泉の2、3位連合は(数人が裏切れば高市勝利だ)と考えて造反者は出てくる。そうすると2、3位連合の逆転劇もかなり難しくなる。

 総裁選でのスマホ使用の禁止が直前で打ち出されたが、これも麻生氏に有利に働くのは言うまでもない。

 結局、天下分け目の戦いにおける「勝ち馬に乗りたい」というプレイヤーの意識は、関ヶ原の戦いから基本的に変わっておらず、直前で高市支持を打ち出した麻生氏の作戦勝ちということであろう。

 注目の総裁選は午後1時から。

    "麻生氏支援で1回目決着も? バンドワゴン高市総理"に1件のコメントがあります

    1. BADチューニング より:

      麻生太郎氏の“支援表明”、

      •裏目

      に出る…

      『総選挙は近い』と感じた現•衆議院議員の票が、高市早苗氏は“派閥色”が強くなって『国民への“ウケ”が悪いのでは?』が、雪崩をうって

      •目先の選挙の為に

      石破茂氏支持に流れたか?

      ※年末衆議院解散、来年早々には『野田佳彦氏、再び“総理大臣”に』、かも知れない……

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