首里城焼失 沖縄県知事から謝罪の言葉が伝わってこない

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 首里城が10月31日未明に正殿などが焼失した件について、沖縄県の玉城デニー知事が11月1日、菅義偉官房長官ら閣僚に再建へ国の支援を要請した。政府も前向きに取り組むことを約束したが、一連の知事の言動にはどうにも違和感を覚える。首里城消失の被害者の面を強調しているが、まずは管理者として「すみませんでした」が先ではないのか。 

■韓国から急遽戻った玉城デニー知事

消失した首里城正殿(2011年8月撮影)

 玉城デニー知事は首里城焼失を受けて、韓国訪問の日程を繰り上げて沖縄に戻り現場を確認したという。

 「イメージの中にあった首里城の姿がそこにはない。非常に大きなショックだった。県民や、遠く離れて暮らす県系人にとってもアイデンティティーの象徴である首里城は絶対に復元させないといけない」と語ったという(琉球新報電子版11月1日)。

 その後、菅義偉官房長官、衛藤晟一沖縄担当相、赤羽一嘉国土交通相らと会談して、再建について要請したという。

■被害者と同時に管理責任者 まずは「すみません」だろう

 沖縄の象徴・首里城の再建に反対する人はいないと思う。それに向けて沖縄県知事が努力するのは当然である。しかし、それ以前に、なぜ焼失したのかをはっきりさせなければならない。

首里城正殿内の様子(2011年8月撮影)

 首里城は国の所有であるが、2019年2月1日から沖縄県に移管された。つまり国、国民の財産の管理を沖縄県が行なっていたのである。移管からわずか9か月後に正殿などが焼失した事実を知事はどう考えているのか。

 本来であれば沖縄県の管理責任が厳しく問われ、閣僚を訪ねた際には「管理不行届で貴重な国民の財産を焼失させてしまったことは大変、申し訳ない」と、まず謝るのが筋である。その上で再建について協力を要請すべき。

 国の財産を焼失させた責任を負うべき管理者が、自分の責任には触れずに「大事な物が燃えてしまってショック。再建するから金を出して」は普通の感覚では言えない。実際には触れたのかもしれないが、そのような事実は伝えられていないことを思うと、おそらく謝罪の言葉はなかったのではないか。

■玉城デニー知事主導の再建プランでいいのか

 玉城デニー知事は首里城焼失という事実について、被害者であると同時に管理責任を負うべき立場にある。それが被害者の立場のみを主張しているとしたら、無責任と言うしかない。

 会談した閣僚からもそうした話がなかったとしたら残念でならないし、メディアもそのような追及をする様子もない。管理者である知事が責任を負う気がないなら、再建しても、また消失するのではないか。そう考えると、玉城デニー知事主導の再建プランは、砂漠に水を撒くような虚しさを覚える。

    "首里城焼失 沖縄県知事から謝罪の言葉が伝わってこない"に6件のコメントがあります

    1. 山口 秀明 より:

      私も違和感を持ってしまいます。
      あれ程、基地移転を徹底して反対しておいて、上から目線で再建を要請するなんてどんな顔して
      頼めるのか?基地が無くて他所の国から攻められたら、首里城どころでは済まない。
      危機意識と危機管理が乏しい知事だと思います。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 matsuda より:

        >>山口秀明様
         コメントありがとうございます。
         首長は一国一城の主人なので、こういうことがまかり通ってしまうのでしょう。そういう不適任な首長をクビにできるのが住民の一票です。民主主義が正常に機能することを願うのみですね。

    2. なかむら より:

      知事はまだ一度も謝罪の会見をしていません。焼失の原因は県の管理体制にあります。県に管理できなければ国に返上すべきです。現場の管理の職員達が謝罪の会見をしていて、記者等から厳しく質問を受けていました。現場の管理の職員達にも責任があるのは当然ですが、一番の責任者は県政のトップの人達です。県の責任ある立場の方々はそろって県民の前に出てきて、一言、謝罪の会見を開くべきです。他に責任転嫁をしないで行政の責任を明確にしなければなりません。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 matsuda より:

        >>なかむら様
         コメントをありがとうございます。ツイッターの情報では、10月30日のイベントで、放水銃と正殿の間に4mの壁が設置されていたとされています。事実なら、管理側の重大な落ち度でしょうね。
         火災があってから、管理責任者として何らお詫びがないのが信じられません。知事は国から移管して、利益だけを得るつもりだったのでしょうか。移管と同時に大きな責任も引き継いだ意識が全くないように感じます。
         沖縄の象徴、日本の宝を焼失させた責任を感じてほしいと思います。

    3. みやぎ より:

      デニー知事は5年内に再建すると豪語しているが、消失した財宝や文化財については、一言も言及していない。
      建物は最近できた新築だが、古い宝物は、古美術品で幕末の動乱や大戦の戦火をくぐり抜けてきた歴史的な遺産で国宝級の財産です。貴重な遺産が膨大に焼けやすい木の家に置かれていたため、数百も灰になってしまった。家は再建できても、文物は永遠に復元はできない。デニー知事は、率直に宝物や文化財についても、かくしごとはせずに公表して、謝罪の会見をすべきです。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 matsuda より:

        >>みやぎ様
         コメントをありがとうございます。沖縄県もまだ公表できない段階なのかもしれませんが、ここまでの経緯を見ると玉城デニー知事は自らの責任よりも、沖縄は被害者という側面ばかり強調しているように感じます。
         政治家としての資質がないという感じです。移管して9か月で国の貴重な財産を焼失させた責任は問われてしかるべきでしょう。

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